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菅井棋譜021

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開始日時:2011/03/08 10:00
終了日時:2011/03/08 23:35
棋戦:第69期順位戦C級2組10回戦
持ち時間:6時間
消費時間:110▲359△299
場所:関西将棋会館
リーグ成績:▲3勝6敗△7勝2敗
図:投了
先手年齢:38
後手年齢:18
手合割:平手  
先手:川上 猛六段
後手:菅井 竜也四段
手数----指手---------消費時間--
*7勝2敗の菅井と3勝6敗の川上の対戦。川上が来阪し関西将棋会館での対局。
*両者は本局が初手合となる。
*本局の記録係は宮本広志三段(25歳、森安正幸七段門下)。
*
*(棋譜・コメント入力=潤)
   1 7六歩(77)   ( 2:00/00:02:00)
*川上の今期成績は7勝16敗(0.304)。通算成績は307勝278敗(0.525)。
*
   2 3四歩(33)   ( 0:00/00:00:00)
*菅井の今期成績は29勝10敗(0.744)。通算成績は29勝10敗(0.744)。
   3 6八玉(59)   ( 5:00/00:07:00)
*川上は振り飛車も指す居飛車党。本局予想される対ゴキゲン中飛車には、超速3七銀戦法を用いることが多い。
*しかし本局の川上は、3手目に▲6八玉と上がりゴキゲン中飛車封じを狙った。ここで△5四歩なら▲2二角成△同銀▲5三角で先手は馬を作れる。ただ今期に入ってそう進んだ対局も何局か見られるので、ここでの菅井の指し手が注目される。
   4 5四歩(53)   ( 1:00/00:01:00)
*菅井は振り飛車党。後手番ではゴキゲン中飛車を得意としている。現在今期の記録の対局数部門で14位タイ、勝数部門9位タイ、勝率部門4位に着けており、4連勝中である。
*菅井はやはりと言うか、川上の挑発を真っ向から受けて立った。これは早くも激しい戦いに進む可能性がある。
   5 2二角成(88) ( 2:00/00:09:00)
*現在3勝6敗の川上は、本日の結果次第では2つ目の降級点となる可能性がある。川上の降級点回避の条件は、勝てば回避。敗れると大石、岡崎、長岡、村田智、増田、淡路、上野、小林宏の8人中、最低でも6人が敗れなければならない。
*
   6 同 銀(31)   ( 0:00/00:00:00)
*菅井は現在7勝2敗。好成績だが新参加の為順位が悪く、既に昇級の可能性はなくなっている。しかし来期の為にも、勝って出来るだけ順位を上げておきたい所だ。
   7 5三角打     ( 1:00/00:10:00)
*川上は馬を作りに行く。
   8 3三角打     ( 5:00/00:06:00)
*菅井は自陣角で対抗し、相手の受け方を見た。この局面はこれまで2局指されていて、後手2勝。先手はここで▲6六歩と▲7七桂が指されているが、▲6六歩と指されたのが今期A級順位戦の▲三浦-△久保戦で、久保が緩急自在の指し回しで快勝している。
*
*【第69期A級順位戦6回戦 ▲三浦-△久保】
*http://member.meijinsen.jp/pay/kif/meijinsen/2010/12/16/A1/5086.html
*
*10時50分頃の局面。ここまでの消費時間は▲川上10分、△菅井6分。
   9 7七桂(89)   (48:00/00:58:00)
*川上は▲6六歩とは突かずに単に桂を跳ねる順を選択した。
  10 7四歩(73)   ( 0:00/00:00:00)
  11 7八金(69)   (12:00/01:10:00)
  12 6二銀(71)   ( 1:00/00:07:00)
*菅井はまず角の逃げ場を聞いてから攻撃態勢を作りに行く。
  13 8六角成(53) ( 0:00/00:00:00)
*この局面で菅井が47分考えて昼食休憩に入った。ここまでの消費時間は▲川上1時間10分、△菅井54分。
  14 8四歩(83)   (49:00/00:56:00)
*ここで▲9六歩と馬の逃げ道を作るのは△4二角とぶつけられる。
  15 8八銀(79)   (35:00/01:45:00)
*ここで△4二角なら▲9六馬のつもりだろうか。しかし△7三銀▲8六歩となれば馬は生還できるものの、7、8筋がいかにも薄くて指しきれないかもしれない。
  16 4二角(33)   (11:00/01:07:00)
*菅井は予定とばかりに角をぶつけていく。
*14時頃の局面。ここまでの消費時間は▲川上1時間45分、△菅井1時間7分。
  17 2六歩(27)   ( 7:00/01:52:00)
*川上は馬の生還をあきらめた。どうやら菅井に得意の振り飛車にさせなかった事で満足のようだ。
  18 8六角(42)   ( 3:00/01:10:00)
  19 同 歩(87)   ( 0:00/00:00:00)
  20 3三銀(22)   ( 4:00/01:14:00)
  21 4八銀(39)   ( 6:00/01:58:00)
  22 7三桂(81)   ( 4:00/01:18:00)
*菅井は振り飛車党ではあるが、序盤から乱戦を得意としている棋士であり、相居飛車戦になっても気にとめるようなことは全くないだろう。
  23 4六歩(47)   ( 8:00/02:06:00)
  24 8五歩(84)   ( 5:00/01:23:00)
*自陣の整備はこれからだが、菅井は先に飛車先の交換に出た。これは歩交換だけでなく、桂交換も避けられないだろう。
  25 同 歩(86)   ( 2:00/02:08:00)
  26 同 桂(73)   ( 0:00/00:00:00)
  27 8七歩打     ( 1:00/02:09:00)
*菅井の飛車先交換対川上の手得という構図に落ち着きそうだ。
  28 3二金(41)   (13:00/01:36:00)
  29 8五桂(77)   ( 7:00/02:16:00)
  30 同 飛(82)   ( 0:00/00:00:00)
  31 7七銀(88)   ( 0:00/00:00:00)
*15時頃の局面。ここまでの消費時間は▲川上2時間16分、△菅井1時間36分。
  32 4一玉(51)   (11:00/01:47:00)
  33 4七銀(48)   ( 3:00/02:19:00)
  34 5二金(61)   (13:00/02:00:00)
*菅井も矢倉に組んで戦う。
  35 6六歩(67)   ( 3:00/02:22:00)
  36 7三銀(62)   ( 4:00/02:04:00)
*16時過ぎの局面。ここまでの消費時間は▲川上2時間22分、△菅井2時間4分。
  37 5六銀(47)   (32:00/02:54:00)
*川上は腰掛銀に構えた。現局面は角換わりと横歩取り8五飛車戦法と矢倉をミックスしたような形となっている。
  38 3一玉(41)   ( 5:00/02:09:00)
  39 2五歩(26)   ( 4:00/02:58:00)
  40 6四銀(73)   ( 3:00/02:12:00)
  41 3六歩(37)   (21:00/03:19:00)
  42 5五銀(64)   (13:00/02:25:00)
*ここで菅井はいきなり銀をぶつけていった。
*17時過ぎの局面。ここまでの消費時間は▲川上3時間19分、△菅井2時間25分。
  43 4七銀(56)   (30:00/03:49:00)
*川上は30分考えて銀交換を避けた。
*この局面で菅井が45分考えて夕食休憩に入った。ここまでの消費時間は▲川上3時間49分、△菅井3時間12分。
  44 4四歩(43)   (45:00/03:10:00)
  45 5六歩(57)   (21:00/04:10:00)
*川上は目障りな銀を追い払う。しかし玉のコビンが開く怖い形になった。
  46 6四銀(55)   ( 0:00/00:00:00)
  47 3七桂(29)   ( 0:00/00:00:00)
  48 7五歩(74)   ( 7:00/03:17:00)
*急所の攻め。菅井ペースで進んでいるようだ。
  49 8六銀(77)   ( 7:00/04:17:00)
  50 8一飛(85)   ( 0:00/00:00:00)
  51 7五歩(76)   ( 1:00/04:18:00)
  52 5五歩(54)   (15:00/03:32:00)
*菅井は筋筋と歩を突き捨てていく。
*20時頃の局面。ここまでの消費時間は▲川上4時間18分、△菅井3時間32分。
  53 1六桂打     (19:00/04:37:00)
*川上は5筋を相手に出ず攻め合いに出ようとしている。
  54 5六歩(55)   (10:00/03:42:00)
  55 同 銀(47)   (11:00/04:48:00)
  56 8三角打     ( 1:00/03:43:00)
*遠見の自陣角。▲5七歩のような平凡な受けでは△5五歩が厳しい。その時▲4七銀と引けないのがこの角打ちの長所だ。
  57 3八角打     ( 1:00/04:49:00)
*川上は角には角で受ける。
  58 3五歩(34)   (10:00/03:53:00)
*菅井は今度は飛角接近形を咎めに行こうとしている。
  59 2四歩(25)   ( 3:00/04:52:00)
  60 3六歩(35)   ( 0:00/00:00:00)
*菅井は先手からの最も厳しいであろう2筋の攻めを手抜いて攻め合いに出た。ここで▲2三歩成なら△3七歩成▲3二と△同玉で、飛車角両取りが残り後手良しとなる。
  61 4八金(49)   ( 0:00/00:00:00)
*川上は桂損になるが辛抱する順に出た。
  62 3七歩成(36) ( 0:00/00:00:00)
  63 同 金(48)   ( 0:00/00:00:00)
  64 2四歩(23)   ( 0:00/00:00:00)
  65 同 桂(16)   ( 1:00/04:53:00)
  66 同 銀(33)   ( 1:00/03:54:00)
*※ 菅井は△4二金左も考えたようだが指しきれなかったようだ。
  67 同 飛(28)   ( 0:00/00:00:00)
  68 2三歩打     ( 1:00/03:55:00)
*菅井は銀桂交換になる順で受け、自陣への嫌味を残さない展開を選んだ。。
  69 2八飛(24)   ( 0:00/00:00:00)
*21時頃の局面。ここまでの消費時間は▲川上4時間53分、△菅井3時間55分。
*控え室の見解は後手良し。
  70 3六歩打     ( 2:00/03:57:00)
  71 同 金(37)   ( 0:00/00:00:00)
  72 2四桂打     ( 3:00/04:00:00)
*金を攻めながら真の標的は飛車角。
  73 3五金(36)   ( 1:00/04:54:00)
  74 3六桂打     ( 8:00/04:08:00)
*▲2九飛には△4八桂成が厳しい。
*
  75 2七飛(28)   ( 2:00/04:56:00)
*△4八桂成には▲2九角と引いて頑張ろうというもの。
  76 4八桂成(36) ( 0:00/00:00:00)
  77 2九角(38)   ( 1:00/04:57:00)
  78 3八歩打     (16:00/04:24:00)
*5六の銀取りと△3九歩成を見せた味良い垂らし。
  79 7四歩(75)   ( 5:00/05:02:00)
  80 9四角(83)   ( 8:00/04:32:00)
*菅井は逆モーションで角を使った。
*22時頃の局面。ここまでの消費時間は▲川上5時間2分、△菅井4時間32分。
  81 2二歩打     (11:00/05:13:00)
  82 同 金(32)   ( 1:00/04:33:00)
  83 6七銀(56)   (21:00/05:34:00)
  84 5五桂打     ( 0:00/00:00:00)
  85 7三歩成(74) ( 0:00/00:00:00)
*△7三同銀には▲7六歩の他、▲5七飛のような狙いも生じる。
  86 7五銀(64)   ( 7:00/04:40:00)
*ここで菅井に派手な手が出た。▲7五同銀は△6七桂成▲同金△8七飛成で先手陣はたちまち寄り形となる。
*
  87 7六歩打     (16:00/05:50:00)
*川上は角筋を止めに行く。しかし△6七桂成▲同金△7六銀で効果があるかどうかは微妙だ。
*
*※ この手では▲8二銀と打つのが有力で、それだと先手が良くなる変化が多かったようだ。
  88 同 銀(75)   ( 0:00/00:00:00)
*23時頃の局面。残り時間は▲川上10分、△菅井1時間20分。
  89 同 銀(67)   ( 1:00/05:51:00)
  90 同 角(94)   ( 0:00/00:00:00)
  91 5三歩打     ( 0:00/00:00:00)
  92 5一金(52)   ( 4:00/04:44:00)
  93 5二歩成(53) ( 6:00/05:57:00)
*川上は思い直して成り捨てた。まだ一分将棋と言うわけではない。
  94 同 金(51)   ( 0:00/00:00:00)
  95 6三と(73)   ( 0:00/00:00:00)
*△6三同金▲7二銀は逆転模様。
  96 4三金(52)   (12:00/04:56:00)
  97 5二銀打     ( 1:00/05:58:00)
  98 3二金(22)   ( 1:00/04:57:00)
  99 2二歩打     ( 0:00/00:00:00)
 100 6七銀打     ( 2:00/04:59:00)
*菅井はここで寄せ合いに出た。
 101 7七玉(68)   ( 0:00/00:00:00)
 102 7五歩打     ( 0:00/00:00:00)
 103 2一歩成(22) ( 0:00/00:00:00)
 104 同 玉(31)   ( 0:00/00:00:00)
 105 7九金(78)   ( 0:00/00:00:00)
 106 5四角(76)   ( 0:00/00:00:00)
*飛車取りと△7六歩~△8六飛を狙ったぴったりの引き角。菅井が勝勢となったようだ。
 107 4五歩(46)   ( 1:00/05:59:00)
 108 7六歩(75)   ( 0:00/00:00:00)
 109 8八玉(77)   ( 0:00/00:00:00)
 110 8六飛(81)   ( 0:00/00:00:00)
*この局面で川上の投了となった。投了図からは▲8六同歩に△7七歩成▲同玉△7六銀打以下の詰みがある。
*終了時刻は23時35分。消費時間は▲川上5時間59分、△菅井4時間59分。勝った菅井は8勝2敗、敗れた川上は3勝7敗で今期順位戦の全日程を終了した。
*尚、降級点の可能性があった川上だが、他の対局の結果、降級点を回避した。
 111 投了         ( 0:00/00:00:00)
まで110手で後手の勝ち

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