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佐々木棋譜005
最終更新:
new-shogi
# ---- Kifu for Windows V6.29 棋譜ファイル ----
開始日時:2011/07/12 10:00
終了日時:2011/07/12 23:26
棋戦:第70期順位戦C級2組2回戦
持ち時間:6時間
消費時間:94▲303△356
場所:関西将棋会館
リーグ成績:▲1勝0敗△1勝0敗
図:投了
先手年齢:16
後手年齢:19
手合割:平手
先手:佐々木 勇気四段
後手:澤田 真吾四段
手数----指手---------消費時間--
*開幕戦を共に白星で飾った澤田と佐々木勇の対戦。佐々木が来阪し関西将棋会館での対局。
*両者は本局が初手合となる。
*本局の記録係は折田翔吾三段(21歳、森安正幸七段門下)。
*
*(棋譜・コメント入力=潤)
1 7六歩(77) ( 4:00/00:04:00)
*佐々木の今期成績は6勝2敗(0.750)。通算成績は10勝6敗(0.625)。
2
8四歩(83) ( 0:00/00:00:00)
*澤田の今期成績は5勝3敗(0.625)。通算成績は51勝28敗(0.646)。
3
6八銀(79) ( 0:00/00:00:00)
*佐々木は居飛車党。先手番では矢倉が得意。現在今期の記録の勝数部門で19位タイ、勝率部門で14位タイにつけている。
4 3四歩(33) ( 0:00/00:00:00)
*澤田は基本的には居飛車党だが、後手番では多彩な戦型を指しこなす棋士でもある。少し前までは4手目△3三角戦法から中飛車に構える形に凝っていたが、、最近は居飛車を用いることが多くなってきている。
*本局の澤田は、佐々木の矢倉の注文を受けて立つ方針のようだ。
5 6六歩(67) ( 0:00/00:00:00)
*佐々木は昨年10月、16歳1ヶ月という若さで晴れて新四段となったが、これは加藤一二三九段、谷川浩司九段、羽生善治二冠、、渡辺明竜王に次ぐ、史上5番目の年少記録だ。この歴代の棋士達の横に名を連ねた事実だけで、まさに佐々木の大器ぶりが分かるというものである。
*順位戦は今期から新参加となるが、ここでも開幕戦で、前期惜しくも次点に終わった遠山雄亮五段を倒し白星発進するなど、台風の目を予感させるスタートを切ってみせた。
*
6 6二銀(71) ( 0:00/00:00:00)
*澤田は順位戦は今期が3期目。初年度こそ5勝5敗の指し分けに終わったが、前期は8勝2敗と最終戦まで昇級の可能性を残す活躍をみせた。順位戦の水にも慣れたであろう今期は、その戦いぶりが注目を集めている。
7 5六歩(57) ( 0:00/00:00:00)
*佐々木はデビュー17戦目にして初の関西将棋会館での対局。ただもちろん奨励会時代に、三段リーグでの対局などで遠征してきた事はあるはずだ。
*
8 5四歩(53) ( 0:00/00:00:00)
*澤田は順位戦デビューとなった第68期の村田智六段との開幕戦で、「4手目△7四歩戦法」をぶつけていった異色の棋士。その進行を見た藤井猛九段が、「これ(澤田)はただ者じゃないよ」と言ったのは有名な話で、澤田のスケールの大きさやそのセンスに何かしら感じるものがあったのだろう。現在澤田は4手目△7四歩戦法は封印しているようだが、横歩取りの将棋で後に澤田流と呼ばれる手を棋界に送り込んだりと、何かしら話題を提供してくれる棋士である。
*
9 4八銀(39) ( 0:00/00:00:00)
*佐々木はどうやら矢倉を得意としているようで、これまでも2手も△8四歩に対しては、全て▲6八銀と指している。
10 4二銀(31) ( 0:00/00:00:00)
11 5八金(49) ( 0:00/00:00:00)
12 3二金(41) ( 0:00/00:00:00)
13 7八金(69) ( 0:00/00:00:00)
*この金を上がったことで、藤井流の早囲いを狙う指し方はなくなった。
14
5二金(61) ( 0:00/00:00:00)
15 6九玉(59) ( 0:00/00:00:00)
16 4四歩(43) ( 1:00/00:01:00)
17 7七銀(68) ( 3:00/00:07:00)
18 3三銀(42) ( 2:00/00:03:00)
19 7九角(88) ( 0:00/00:00:00)
20 3一角(22) ( 0:00/00:00:00)
21 3六歩(37) ( 0:00/00:00:00)
22 4三金(52) ( 1:00/00:04:00)
*澤田はあまり人真似をしないタイプ。ここでも何気ない矢倉のようだが、玉よりを後回しにして、矢倉囲いの構築を急いだ。
23 3七銀(48) ( 7:00/00:14:00)
*佐々木は▲6七金右と同調せずに銀を3七に出て行った。
24
7四歩(73) ( 3:00/00:07:00)
*同一局面は既に6局で先手の2勝4敗。最後に指されたのは平成16年で、それ以前では昭和にまでさかのぼる。
*11時頃の局面。ここまでの消費時間は▲佐々木14分、△澤田7分。
25 3五歩(36) (30:00/00:44:00)
*ここで早くも佐々木は3筋から仕掛けて行った。
26 同 歩(34) (
3:00/00:10:00)
27 同 角(79) ( 0:00/00:00:00)
28 7五歩(74) ( 0:00/00:00:00)
*澤田も7筋を同じように攻めていく。
29 同 歩(76)
(17:00/01:01:00)
30 同 角(31) ( 0:00/00:00:00)
31 6七金(58) ( 0:00/00:00:00)
32 7三銀(62) ( 1:00/00:11:00)
*このまま▲4六角△6四角となれば、矢倉角対抗の将棋となる。
33
7九玉(69) ( 2:00/01:03:00)
34 4一玉(51) ( 1:00/00:12:00)
35 4六角(35) ( 4:00/01:07:00)
36 6四角(75) ( 0:00/00:00:00)
*角対抗となった。
37 2六歩(27) (
1:00/01:08:00)
38 3一玉(41) ( 4:00/00:16:00)
*そして先後同型に。
39 2五歩(26) (
2:00/01:10:00)
*この局面で澤田が25分考えて昼食休憩に入った。ここまでの消費時間は▲佐々木1時間10分、△澤田41分。
40 8五歩(84) (43:00/00:59:00)
*澤田も同調する。
41 8八玉(79)
(10:00/01:20:00)
*佐々木は入城する。対して同じように△2二玉はやや危険な意味がある。
42
3四歩打 ( 0:00/00:00:00)
*澤田はノータイムで歩を受けた。
*この手で先手と同じように△2二玉と入城するのは、▲3四歩△同銀▲3五歩△4五銀▲6四角△同歩▲4六歩△3六歩▲4五歩△3七歩成▲同桂となって先手優勢。その時先手玉が入城している為、△4六角が両取りにならない。また▲3七同桂では▲4四歩と強く攻めあう手もありそうだ。その変化になっても先手の入城している一手が大きい。
*14時過ぎの局面。ここまでの消費時間は▲佐々木1時間20分、△澤田59分。
43 6四角(46)
(67:00/02:27:00)
*佐々木は1時間7分考えて、自分から角を取った。
*15時頃の局面。ここまでの消費時間は▲佐々木2時間27分、△澤田59分。
44 同 歩(63)
(78:00/02:17:00)
*澤田は長考のお返しとばかりに、1時間18分の長考の末△6四同歩と取り返した。
45
4六銀(37) ( 1:00/02:28:00)
46 2二玉(31) ( 7:00/02:24:00)
*この手を指さないと△7四銀~△6五歩と攻めた時に、▲6四角の王手飛車で終わってしまう。
47
5五歩(56) ( 3:00/02:31:00)
*16時過ぎの局面。ここまでの消費時間は▲佐々木2時間31分、△澤田2時間24分。
48
同 歩(54) ( 5:00/02:29:00)
*無条件で▲5四歩を許してはいけない。ここは取る一手だ。
49
6三角打 ( 1:00/02:32:00)
*佐々木は5筋に味付けをしておいてから、敵陣に角を打ち込んで行った。
50
5六歩(55) (31:00/03:00:00)
*澤田は相手の手に乗って指している。
51 7二歩打 (
0:00/00:00:00)
*17時頃の局面。ここまでの消費時間は▲佐々木2時間32分、△澤田3時間0分。
52
8六歩(85) (36:00/03:36:00)
*澤田はここで反撃に出た。
53 同 歩(87)
(11:00/02:43:00)
*▲8六同銀は△6五歩が嫌味か。
54 6五歩(64) (
9:00/03:45:00)
*それでも澤田は△6五歩と6筋を攻めて行った。
55 2四歩(25) (
4:00/02:47:00)
*佐々木はタイミングとばかりに4分で飛車先を突き出す。対して△2四同歩は▲2三歩や▲2五歩が厳しそうだ。ただ△2四同銀も後手陣はかなり弱体化する。
56 同 銀(33) ( 1:00/03:46:00)
*澤田は銀で取る順を選んだ。
*この局面で佐々木が20分考えて夕食休憩に入った。ここまでの消費時間は▲佐々木3時間7分、△澤田3時間46分。
57
5六金(67) (61:00/03:48:00)
58 7六歩打 (21:00/04:07:00)
*澤田は△8六飛を狙い△7六歩と銀頭を叩いて行った。
59
同 銀(77) ( 0:00/00:00:00)
60 8六飛(82) ( 0:00/00:00:00)
61 8七銀(76) ( 0:00/00:00:00)
62 8四飛(86) ( 0:00/00:00:00)
*2段目に引いても7二歩が邪魔で働きがないので、澤田は8四に飛車を引いた。
63 6五金(56) ( 8:00/03:56:00)
*20時過ぎの局面。ここまでの消費時間は▲佐々木3時間56分、△澤田4時間7分。
64
8六歩打 (32:00/04:39:00)
*澤田はならばとばかりに大きな拠点を作りに行く。
65 7六銀(87)
( 1:00/03:57:00)
66 5六角打 ( 7:00/04:46:00)
*狭いスペースに角が置かれた。いかにも利いていそうな角だ。
67
8五歩打 ( 2:00/03:59:00)
68 7四銀(73) ( 0:00/00:00:00)
*ここで澤田は飛車を逃げずに大技を繰り出した。
*対して▲8四歩は△6三銀と取っておく。また▲7四同金には△同飛も△同角成もどちらもありそうだ。
69 4一角成(63) (
7:00/04:06:00)
*佐々木の選択は敵陣の急所に入る馬作り。
*21時過ぎの局面。ここまでの消費時間は▲佐々木4時間6分、△澤田4時間46分。
70 9四飛(84)
(17:00/05:03:00)
*ここで澤田は一旦飛車を逃げた。
71 5八飛(28) (
3:00/04:09:00)
*佐々木は角取りへと飛車を回る。
72 5五歩打 (
2:00/05:05:00)
73 同 金(65) ( 5:00/04:14:00)
*意表の応手。△4七角成とされそうだが、それには▲4四金!が痛烈な一着。以下△5八馬▲4三金△同金▲3二金△1二玉▲3一馬と進んだ局面は、先手玉に詰みはなく後手玉は必至で先手勝ちとなる。
74 7五銀(74) (27:00/05:32:00)
*澤田は奇手で切り返す。▲7五同銀でただのようだが、4四の地点に飛車を利かした効果があるようだ。また▲7五同銀とさせれば8七の地点への利きも、一枚少なくなる。
75 同 銀(76) ( 8:00/04:22:00)
76 4七角成(56) ( 0:00/00:00:00)
*澤田は銀を捨ててから角をなった。これで勝ちが読みなら恐ろしい読みだ。
77
5九飛(58) ( 0:00/00:00:00)
*この手で▲4四金は△4二金引▲同馬△同金▲5一飛成△4四飛で攻めきれないようだ。またその局面は先手玉が相当に危ない。
*22時過ぎの局面。ここまでの消費時間は▲佐々木4時間22分、△澤田5時間32分。
78 4六馬(47)
(14:00/05:46:00)
79 4四金(55) ( 3:00/04:25:00)
*佐々木は馬の位置をずらしてから金を出た。
80 4二金(43) (
2:00/05:48:00)
*このタイミングでも澤田は△4四同飛と取らずに金を引いて馬に当てて出た。
81 同 馬(41) ( 1:00/04:26:00)
82 同 金(32) ( 0:00/00:00:00)
83 5一飛成(59) (21:00/04:47:00)
84 4四飛(94) ( 4:00/05:52:00)
*味のいい一着。攻め駒を外しながら4二の金に紐をつけた。
85
3一銀打 ( 0:00/00:00:00)
86 3三玉(22) ( 0:00/00:00:00)
87 5四金打 ( 5:00/04:52:00)
*23時過ぎの局面。残り時間は▲佐々木1時間8分、△澤田8分。
88
4三金(42) ( 4:00/05:56:00)
*この手も取られそうな金を逃げながらの金取りで非常に味が良い。飛車は取られても、上部は楽園と化している。
89 4二銀(31) ( 9:00/05:01:00)
*佐々木は銀捨てで返す。
90 同 金(43) (
0:00/00:00:00)
91 4四金(54) ( 0:00/00:00:00)
92 同 玉(33) ( 0:00/00:00:00)
93 4二龍(51) ( 0:00/00:00:00)
94 4三金打 ( 0:00/00:00:00)
*この局面で佐々木の投了となった。
*投了図は先手の攻めは切れている。また先手陣は受けても一手一手の形であり、投了もやむを得ない。
*終了時刻は23時26分。消費時間は▲佐々木5時間3分、△澤田5時間56分。勝った澤田は2勝0敗、敗れた佐々木は1勝1敗となった。
95 投了 ( 2:00/05:03:00)
まで94手で後手の勝ち