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佐々木棋譜004

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# ----  Kifu for Windows V6.29 棋譜ファイル  ----
開始日時:2011/06/21 10:02
終了日時:2011/06/22 00:10
棋戦:第70期順位戦C級2組1回戦
持ち時間:6時間
消費時間:126▲349△337
場所:東京・将棋会館
リーグ成績:▲0勝0敗△0勝0敗
図:投了
先手年齢:31
後手年齢:16
手合割:平手  
先手:遠山 雄亮五段
後手:佐々木 勇気四段
手数----指手--
*C級2組の開幕戦といえば新四段のお披露目式でもある。本局の佐々木は高校2年生の16歳。昨年の第47回三段リーグ戦で14勝4敗の成績で1位となり四段昇段。将来を嘱望される期待の新四段である。対する遠山は前期8勝2敗。昨年度の勝率は7割を越えており、各ランキングに名前を連ねた実力者だ。両者は本局が初手合となる。
*本局の記録係は黒沢怜生三段(高橋道雄九段門下)
*
*(棋譜・コメント入力=牛蒡)
*
*※=感想戦のコメント、もしくは感想戦後に行われた佐々木の検討のコメント
   1 7六歩(77)   ( 2:00/00:02:00)
*遠山は開始の合図があって、すぐに上着を脱ぐ。半そでのシャツからのぞいた右手が伸びて角筋を通した。
*佐々木は詰襟の学生服姿で盤の前に座る。記者がカメラを向けると背筋を伸ばし、カメラを下ろすと一息ついて扇子をパタパタ。凛々しい若武者だが、緊張した様子もうかがえる。佐々木は2手目を指さずに一旦退席。しばらくして戻ってきたが指す気配はない。
   2 8四歩(83)   ( 6:00/00:06:00)
*しっかりと時間を使って2手目を指す。6分の考慮で△8四歩。
*佐々木の順位戦が始まった。
   3 5六歩(57)   ( 2:00/00:04:00)
*遠山は先手中飛車を目指すようだ。予想通りの対抗形。
*
*【遠山雄亮(とおやま・ゆうすけ)五段】
*東京都練馬区出身、1979年12月10日生まれ。加瀬純一六段門下。棋士番号は258。1993年に6級で奨励会入会、2005年10月1日に四段昇段。
*
*【遠山五段のプロフィール】
*http://www.shogi.or.jp/player/kishi/tooyama.html 
   4 8五歩(84)   ( 1:00/00:07:00)
*【佐々木勇気(ささき・ゆうき)四段】
*埼玉県三郷市出身、1994年8月5日生まれ。石田和雄九段門下。棋士番号は280。2004年9月に6級で奨励会入会、2010年10月1日に四段昇段。
*
*【佐々木四段のプロフィール】
*http://www.shogi.or.jp/player/kishi/sasaki-y.html 
   5 7七角(88)   ( 0:00/00:00:00)
*遠山の通算成績は109勝76敗(0.589)
*
*昨年度成績は29勝11敗(0.725)
*昨年度ランキングは対局数20位・勝数12位・勝率7位・連勝3位(11連勝)
*
*今年度成績は4勝2敗(0.667)
*直近10局の成績は6勝4敗(●○○●○○○●●○)
   6 5四歩(53)   ( 0:00/00:00:00)
*佐々木の通算成績は7勝5敗(0.583)
*
*昨年度成績は4勝4敗(0.500)
*
*今年度成績は3勝1敗(0.750)
*直近10局の成績は5勝5敗(○●●○●●○●○○)
   7 5八飛(28)   ( 1:00/00:05:00)
*やはり中飛車。近年、振り飛車党の先手番と言えば石田流だが、先手中飛車も流行戦法となりつつある。
   8 4二玉(51)   ( 0:00/00:00:00)
*佐々木は石田和雄九段門下。兄弟子に同じくC級2組で戦う勝又清和六段がいる。門倉啓太新四段も同門だ。頼もしい先輩が2人もいることは佐々木にとって心強いだろう。また奨励会には石田門下の有段者が数多く控えている。
   9 4八玉(59)   ( 0:00/00:00:00)
*佐々木の棋風は攻め将棋。得意戦法は矢倉。ただし遠山が振り飛車党なので、本局は必然的に対抗形となった。
*なお佐々木はデビュー以来、後手番では2勝3敗の成績となっている。2手目は△8四歩が4局、△3四歩(vs中田功七段戦)が1局。相振り飛車は、まだ指していない。
*
*【佐々木勇気・船江恒平 新四段誕生のお知らせ 2010/9/11】
*http://www.shogi.or.jp/topics/2010/09/post-331.html 
  10 6二銀(71)   ( 0:00/00:00:00)
*佐々木は平成16年9月に関東奨励会に入会した。奨励会時代の成績は185勝109敗で勝率0.629。そのうち三段リーグ時代は4期で48勝24敗の勝率0.667。第47回三段リーグ戦で1位(14勝4敗)となり四段昇段。
*第46回三段リーグ戦では、リーグ最終日まで渡辺明竜王以来の中学生棋士となる可能性を残していたが、菅井竜也三段(現四段)に敗れて昇段はならなかった(菅井はその期に四段昇段)。なお2004年に佐々木は小学生名人になっているが、決勝の相手は菅井であった。若いながらも既に両者は因縁の間柄である。
  11 3八玉(48)   ( 0:00/00:00:00)
*遠山は日本将棋連盟の携帯中継の責任者の一人であり、中継の「編集長」として活躍している。将棋の勉強以外に時間を取られることが多かったはずだが、そのような状況で残した昨年の成績は素晴らしいものだった。
*今期も既に第52期王位戦・挑戦者決定リーグに進み、3勝2敗の成績を残すなどの活躍を見せている。なお予選で渡辺竜王を破ってのリーグ進出だった。
  12 3四歩(33)   ( 0:00/00:00:00)
*一方の佐々木は若手トーナメント棋戦で活躍中。新人王戦と加古川青流戦を勝ち上がっている。
  13 6八銀(79)   ( 0:00/00:00:00)
*遠山は昨年度の第69期順位戦で同星の稲葉陽四段(現五段)に頭跳ねをくらい、惜しくも昇級を逃している。稲葉と遠山は共に8勝2敗、順位は稲葉13位・遠山14位であった。その差はわずかに順位1枚である。
*
*【第69期C級2組順位戦・対戦表】
*http://member.meijinsen.jp/pay/game_list/meijinsen/69/C2/order_by_win_count.html 
  14 3二玉(42)   ( 0:00/00:00:00)
*では稲葉との順位差はどこで生じたか。その答えは第67期順位戦にある。当時2位だった遠山は4勝6敗、順位戦にデビューしたばかりの稲葉は5勝5敗で、翌年度の第68期では稲葉26位・遠山27位となった。第68期は6勝4敗の同星で順位1枚差は変わらず。そして第69期は前述の通りである。
*【第67期C級2組順位戦・対戦表】
*http://member.meijinsen.jp/pay/game_list/meijinsen/67/C2/order_by_win_count.html
*【第68期C級2組順位戦・対戦表】
*http://member.meijinsen.jp/pay/game_list/meijinsen/68/C2/order_by_win_count.html 
  15 2八玉(38)   ( 6:00/00:11:00)
*3年前、2年前、そして去年、どこかであと1勝を積み重ねていれば前期に昇級することが出来た。遠山は過去3年の順位戦を振りかえって何を思ったか。余人は想像するしかない。
*ただ今年は3位。C級2組の昇級枠は3名なので、もう順位差で頭跳ねされることはない。勝負の鬼となって昇級を目指してくるだろう。
  16 5二金(61)   ( 0:00/00:00:00)
*冒頭で佐々木を期待の新四段と書いたが、「今期の順位戦では苦労するだろう」という声もある。
*その理由はいくつか考えられるが、一つ目はC級2組というクラスの厳しさ。羽生世代の棋士が2~3期で抜けていった頃とは違い、現在のC2は力のある若手が抜け切れず、星の潰し合いが続いている鬼リーグである。二つ目は組み合わせ。佐々木の対戦表には、本局の遠山をはじめとして、C級2組のオールスターともいうべき棋士の名前が並ぶ。あまりにも厳しい。
*
*【第70期C級2組順位戦・対戦表】
*http://member.meijinsen.jp/pay/game_list/meijinsen/70/C2/index.html 
  17 1六歩(17)   ( 6:00/00:17:00)
*最後に佐々木の序盤戦。今年2月、佐々木と話をする機会があったが、「序盤で悪くなることが多いんです」と肩を落としていた。ある棋士から「佐々木君はまだ序盤に難がある」という見解を聞いたこともある。学業の両立が求められる学生であり、また若くして奨励会を抜けてしまった佐々木には、序盤の知識を身につける時間が足りなかったのかもしれない。序盤の弱さは裏を返せば中終盤の強さを示しているが、持ち時間の長い順位戦で先にリードを許してしまう展開になるとつらい。
  18 5三銀(62)   ( 0:00/00:00:00)
*否定的な話を続けてしまったが、最後に2月の佐々木の別れ際の言葉を紹介したい。
*「これからしっかりと勉強して強くなりたいです」
*ありきたりではあるが、意志を感じる言葉だった。
*佐々木はプロ棋士になった。これからは「結果が全て」と言われる世界を生きていく。しかし佐々木は、昨日よりも今日、今日よりも明日と強くなっていく16歳の高校生でもある。ファンの方にはこれから1年、勝負の結果とともに1戦ごとに成長する佐々木の姿も楽しんでいただきたい。
  19 1五歩(16)   ( 1:00/00:18:00)
*1筋を突き越した。将来の端攻めと自玉の広さを確保して、先手にとって大きな一手。
*後手は1筋の突き越しを緩和する穴熊に組むのが有力。
  20 1二香(11)   (10:00/00:17:00)
*佐々木は香車を上がって穴熊を目指す...と書けば普通だが、2二の地点にいるのは角。このままでは玉は穴に潜れない。
*▲2二角成△同玉と進めば手順に囲えるが、先手から動くとも思えない。安全に1一まで潜ることは出来るのだろうか。
*もちろん後手は穴熊も見ているが、先手が急戦を志向した場合は2二角型で対応できるメリットがあるようだ。先手四間飛車の場合は前例が多いが、中飛車の場合は珍しい。なお佐々木は先手向かい飛車の形で2二角・1二香型を指している。
*
*11時頃の局面。消費時間は▲遠山18分、△佐々木17分。
  21 3八金(49)   (37:00/00:55:00)
*37分の考慮で指された。
  22 4二金(52)   (21:00/00:38:00)
*ここで遠山が25分使って昼食休憩に入った。消費時間は▲遠山1時間20分、△佐々木38分。ともに昼食の注文は無し。
  23 4八銀(39)   (29:00/01:24:00)
*遠山の連続長考。休憩をはさんで1時間24分の考慮。
*相手が構想を明らかにしないので、バランス重視で慎重に駒組みを進めている。
  24 7四歩(73)   ( 6:00/00:44:00)
  25 4六歩(47)   (11:00/01:35:00)
*前手△7四歩は急戦を見せたのか、それとも軽い牽制で、やはり穴熊を目指すのか。後手は怪しい動きを見せている。
*先手は次に▲4七銀とバランス良く駒組みを進める構想のようだ。
  26 7七角成(22) ( 5:00/00:49:00)
*ここで先手から形を決める角交換。後手は穴熊を目指すようだ。
  27 同 銀(68)   ( 1:00/01:36:00)
  28 2二玉(32)   ( 1:00/00:50:00)
*まだ対局数の少ない佐々木だが、穴熊に組む将棋が多い印象がある。まず穴熊に囲って、あとは細い攻めをつないでいく。かつての渡辺竜王のよう。
*
*13時45分頃の局面。消費時間は▲遠山1時間36分、△佐々木50分。
  29 5五歩(56)   (27:00/02:03:00)
  30 同 歩(54)   (12:00/01:02:00)
  31 同 飛(58)   ( 1:00/02:04:00)
*14時45分頃の局面。消費時間は▲遠山2時間4分、△佐々木1時間2分。
  32 5四歩打     (53:00/01:55:00)
*53分の長考。
  33 5八飛(55)   (16:00/02:20:00)
*歩を手持ちにして、じっと。ただし中飛車の定位置である5九ではなく5八へ。
  34 1一玉(22)   ( 0:00/00:00:00)
*ここまでくれば後手も問題なく穴熊に組めそうだ。少なくとも実力が出し切れないまま押し切られる心配はなさそう。
  35 4七銀(48)   ( 0:00/00:00:00)
  36 2二銀(31)   ( 3:00/01:58:00)
  37 5九金(69)   ( 2:00/02:22:00)
*左金を寄せて固める構想。33手目に▲5九飛ではなく▲5八飛としているので、△7八角の隙をカバーしている。
*
*15時45分頃の局面。消費時間は▲遠山2時間22分、△佐々木1時間58分。
  38 3一金(41)   (21:00/02:19:00)
  39 4八金(59)   ( 0:00/00:00:00)
  40 4四歩(43)   ( 0:00/00:00:00)
  41 1八香(19)   (39:00/03:01:00)
*先手も深く囲う。しかし4七銀と穴熊の相性は良くなさそう。
*
*16時35分頃の局面。消費時間は▲遠山3時間1分、△佐々木2時間19分。
  42 4三金(42)   (50:00/03:09:00)
  43 1九玉(28)   ( 3:00/03:04:00)
*17時30分頃の局面。消費時間は▲遠山3時間4分、△佐々木3時間9分。
  44 6四銀(53)   (16:00/03:25:00)
*ここで遠山が29分使って夕食休憩に入った。消費時間は▲遠山3時間33分、△佐々木3時間25分。夕食の注文は、遠山が「すき焼き丼・ざるそばセット(みろく庵)」、佐々木は注文無し。
  45 8八飛(58)   (29:00/03:33:00)
*後手の銀の動きを見て8筋に振り直し。状況によっては▲8六歩△同歩▲8三歩△同飛▲6一角の筋もある。
  46 3三金(43)   (27:00/03:52:00)
*佐々木は髪を掻きあげ、7・6・5筋と順番に駒の位置を直す。そして最後に△3三金を着手。浮き駒を無くして▲6一角の筋を未然に防いでおく。
  47 6八銀(77)   ( 4:00/03:37:00)
*△6四銀と積極的に出ていった佐々木に対して、遠山は▲6八銀と引いて大人の余裕を見せる。さらに▲5七銀と金銀を集結させる構想もあるか。
  48 5五歩(54)   ( 9:00/04:01:00)
*19時45分頃の局面。消費時間は▲遠山3時間37分、△佐々木4時間1分。
  49 7七桂(89)   ( 7:00/03:44:00)
  50 5四角打     ( 2:00/04:03:00)
*△7六角~△8六歩▲同歩△8七歩を狙う。
  51 3六角打     ( 1:00/03:45:00)
*当然の切り返し。△3六同角▲同歩△5四角なら3筋の歩が伸びて手得。
  52 同 角(54)   ( 0:00/00:00:00)
*※佐々木は△5三銀の予定だったようだが、「自分でも気付かないうちに角を取っていた」と感想戦後に語っていた。
  53 同 歩(37)   ( 0:00/00:00:00)
  54 7三桂(81)   (10:00/04:13:00)
*再度の△5四角の前に桂馬を活用。しかし▲3六同歩と突かせた効果は難しい。
*いずれにしても、将来また△5四角と打つのだろう。5四に設置する角は歩の傘の下で安定しており、攻防の効果が高そうだ。
*
*※51手目▲3六角をノータイムで△同角とした佐々木。「この辺りは混乱している。指した後に(盤に手が伸びず)固まった」と語った。実際、△7三桂は10分の考慮。
  55 6六歩(67)   (11:00/03:56:00)
*銀桂の捌きを防いで▲6七銀を用意。△7五歩▲同歩△同銀と桂頭を狙っても、先に▲7四歩と打たれてしまう。
  56 5四角打     ( 0:00/00:00:00)
*再び△5四角。好位置の角であることは間違いないが、今度は▲6七銀とされて、すぐに歩得することはできない。
*
*20時20分頃の局面。消費時間は▲遠山3時間56分、△佐々木4時間13分。
  57 6七銀(68)   (33:00/04:29:00)
*21時頃の局面。消費時間は▲遠山4時間29分、△佐々木4時間13分。
  58 4二飛(82)   (21:00/04:34:00)
*△7五歩が利かないので4筋へ戦場を移す。ただし4筋は先手も堅いところだが...。
  59 5八銀(67)   ( 9:00/04:38:00)
*本格的な戦いの始まっていない本局。検討もあまり進められていない。「長い将棋ですね」と一言。
*
*※「これは見えてませんでした」と佐々木。感想戦後に佐々木・門倉四段・勝又六段といった石田一門の棋士と、さらに永瀬四段で本局が検討されていたが、どうやら▲5八銀は好手のようだ。
  60 4五歩(44)   ( 2:00/04:36:00)
  61 同 歩(46)   ( 0:00/00:00:00)
  62 同 飛(42)   ( 0:00/00:00:00)
  63 4六歩打     ( 0:00/00:00:00)
  64 4二飛(45)   ( 0:00/00:00:00)
  65 6五歩(66)   (15:00/04:53:00)
*先手から動いた。△6五同桂▲同桂と進めば、将来の▲2五桂が厳しい手になりそうだ。
  66 同 桂(73)   ( 1:00/04:37:00)
  67 同 桂(77)   ( 0:00/00:00:00)
  68 同 角(54)   ( 0:00/00:00:00)
  69 5一角打     ( 0:00/00:00:00)
*飛車には金の紐が付いているが、△4二角成▲同金で金が囲いから離れてしまうのは避けたい。▲5二飛か▲4三飛か。
*
*21時45分頃の局面。消費時間は▲遠山4時間53分、△佐々木4時間37分。
  70 5二飛(42)   (26:00/05:03:00)
  71 8四角成(51) ( 0:00/00:00:00)
  72 4五歩打     ( 1:00/05:04:00)
  73 同 歩(46)   ( 0:00/00:00:00)
  74 5六歩(55)   ( 0:00/00:00:00)
*次に△5五銀と進出するのだろうか。落ち着いた手順だと評判。
  75 2八金(38)   (10:00/05:03:00)
  76 5五銀(64)   ( 3:00/05:07:00)
  77 6八飛(88)   ( 1:00/05:04:00)
*これが振り飛車党。飛車のさばきの目途がついた。
  78 6四歩(63)   ( 0:00/00:00:00)
  79 6五飛(68)   ( 2:00/05:06:00)
  80 同 歩(64)   ( 0:00/00:00:00)
*棋譜をとりに対局室へいくと、佐々木は扇子をパタパタと扇いでいた。その扇子には「飛翔」と書いてある。揮毫は谷川浩司九段。
  81 6三角打     ( 1:00/05:07:00)
  82 5三飛(52)   ( 0:00/00:00:00)
  83 8一角成(63) ( 0:00/00:00:00)
*一見そっぽに行ったようだが、▲5四歩△5二飛▲9一馬から▲5五馬のような活用が見えている。
*
*22時30分頃の局面。消費時間は▲遠山5時間6分、△佐々木5時間7分。
  84 4六歩打     ( 0:00/00:00:00)
*5筋に続いて4筋にも「と金爆弾」の種の設置する。
  85 3八銀(47)   ( 0:00/00:00:00)
  86 6六桂打     ( 0:00/00:00:00)
*銀に狙いをつけつつ8四馬を活用させない一石二鳥の手。
  87 5四歩打     ( 1:00/05:08:00)
  88 5二飛(53)   (10:00/05:17:00)
  89 9一馬(81)   ( 0:00/00:00:00)
*ここで▲2五桂△3二金引を決めてから馬を活用すると見られていた。後手は△5八桂成から△3九銀の攻めがあるため、先手も攻め味をつけておきたいという意味。
*しかし遠山は単に▲9一馬。
  90 5四飛(52)   ( 2:00/05:19:00)
*▲2五桂△3二金引▲1七香打△5九飛が検討されている。「まだまだ難しい将棋」と控え室。
*先手としては馬を活用したいし、端も攻めたい。しかし明快に良くなる手順は発見されていない。
  91 1四歩(15)   ( 4:00/05:12:00)
*先に突き捨てを入れる。香車を釣り上げてから▲2五桂の狙い。
  92 同 歩(13)   ( 2:00/05:21:00)
  93 1三歩打     ( 1:00/05:13:00)
  94 同 香(12)   ( 0:00/00:00:00)
  95 2五桂打     ( 0:00/00:00:00)
  96 5九飛打     ( 1:00/05:22:00)
*23時頃の局面。消費時間は▲遠山5時間13分、△佐々木5時間22分。
  97 4九金(48)   ( 7:00/05:20:00)
  98 9九飛成(59) ( 0:00/00:00:00)
  99 7三馬(84)   ( 0:00/00:00:00)
*8一・8四という働きにくい位置にいた先手の馬だったが、これで▲5五馬から天王山に移動することが可能になった。
 100 5八桂成(66) ( 1:00/05:23:00)
*8四馬を押さえる役割がなくなったので、ここで桂を成りこむ。
 101 5五馬(73)   ( 0:00/00:00:00)
 102 同 飛(54)   ( 0:00/00:00:00)
 103 同 馬(91)   ( 0:00/00:00:00)
 104 3九銀打     ( 0:00/00:00:00)
*鋭い!
*控え室では、△4九竜▲同銀△同成桂の寄せが検討されていた。この△3九銀には▲9九馬と取る一手。
*現在は後手が勝ちやすいと言われている。ただしハッキリした結論は出ていない。
*
*※「△4九竜ではハッキリと決める順が良くわかりませんでした」と佐々木。遠山も「△3九銀が良い手か。いや、当たり前の手かもしれないけど」と語っていた。
 105 3七銀打     ( 8:00/05:28:00)
*竜を取る一手と言われていたが、遠山は銀を打ちつけて頑張る。
 106 4九龍(99)   ( 7:00/05:30:00)
 107 同 銀(38)   ( 0:00/00:00:00)
 108 同 成桂(58) ( 0:00/00:00:00)
*金(成金)は最下段に進むと、金としての駒の効率が悪くなってしまう。しかし、この成桂は将来△3九角や△3九銀の土台となる。
 109 3三桂成(25) ( 2:00/05:30:00)
 110 同 桂(21)   ( 0:00/00:00:00)
 111 6一飛打     ( 3:00/05:33:00)
*▲3一飛成△同銀▲3三馬は相当怖い。一回は△2一金打と受けるか。
*後手は△2八銀成から堅実に攻めていけば良い。現在は「先手が少し足りなそう」と言われている。
 112 2一金打     ( 0:00/00:00:00)
 113 8二飛打     ( 4:00/05:37:00)
*2枚飛車に馬。迫力のある攻めだが、2一金・3一金が堅い。
 114 3二香打     ( 7:00/05:37:00)
*23時50分頃、残り時間は両者23分。
 115 6五馬(55)   ( 7:00/05:44:00)
 116 2八銀成(39) ( 0:00/00:00:00)
 117 同 銀(37)   ( 0:00/00:00:00)
 118 3八金打     ( 0:00/00:00:00)
*この張り付く攻めが分かりやすく、かつ厳しい。
 119 3九香打     ( 3:00/05:47:00)
 120 2八金(38)   ( 0:00/00:00:00)
 121 同 玉(19)   ( 0:00/00:00:00)
 122 5七角打     ( 0:00/00:00:00)
*△3九角成が相当受けづらい。控え室で「ダメかあ」という声が聞こえた。
 123 3二馬(65)   ( 2:00/05:49:00)
*▲2一馬からの詰めろをかけて、遠山は下駄を預けた。
 124 3九角成(57) ( 0:00/00:00:00)
 125 3七玉(28)   ( 0:00/00:00:00)
 126 4七歩成(46) ( 0:00/00:00:00)
*ここで遠山は投了を告げた。終局時刻は0時10分。消費時間は▲遠山5時間49分、△佐々木5時間37分。
*投了図から▲4七同玉△5七馬に(1)▲3七玉は△4六銀▲2六玉△2五銀以下、(2)▲3八玉は△4八馬▲2八玉△3九銀以下の即詰みとなる。
*
*順位戦の初戦を白星で飾った佐々木。インタビューでは次のように喜びを語った。
*「疲れてしまって、もう思考が回っていません。持ち時間の長い将棋は得意ではないのですが、今日はしっかり時間を使って力の出せる将棋にすることができました。一生懸命考えました。初戦に勝つことが出来て良かったです。」
 127 投了         ( 0:00/00:00:00)
まで126手で後手の勝ち

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