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魔理沙2

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orz1414

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■魔理沙2


空はどんよりと曇り、一向に晴れる気配が無い。
耳をすませば約十八回目のため息が聞こえる。
「本当に嫌になるぜ……」
そう言って、十九回目のため息をつくのは霧雨魔理沙。
「仕方ないさ、ここの天気はどこぞのメイドの胸並に変わりやすいから……」
現在いる場所は魔法の森にある霧雨邸。今日は山の幸狩りをしにここに出向いたわけだが……
あいにくと森に入って霧雨邸についた直後にどかっと雨が降ってきた。……まさしくどこかのメイド長のスペルのように。
今は雨もやみ、多少霧が掛かる程度だがそれでも帰れない。
何故かって?魔法の森は迷いの森だからさ。道を間違えれば即食物連鎖最下段。そんな生きるか死ぬかのこの森に霧が掛かっている。
つまり要約するなら。『鬼畜兵器ぶっちぎりの即死弾幕を毛玉とかが常時連発してるような感じ』。一歩進めば即死。アーユーオーケイ?
「これじゃあ山の幸も取れないな。ああ、一度は食べてみたいぜナスキノコ……」
「それはきのこじゃない気がするが」
「いやいや魔理沙。ナスキノコは実在するんだぜ?その胞子を吸ってしまうと大変な事になる恐ろしいきのこなんだ」
「……ふーん」
何気にジト目で見られ、あわてて言いつくろう。
「いやふーんじゃ無いって。実際にその胞子のせいで何十人もの人が倒れたんだから」
「……って、それは凄くないか!?」
「だろ。だけど、そのきのこはいっぺん食べたら病み付きになるんだと」
ようやく魔理沙が話にのってくれてほっとする。顔つきも変わり、こちらに近づいてきた。
「病み付きって。まさかマジックマッシュルームの類じゃないだろうな?」
「いや、ただただうまいだけらしい。でな、さっきの胞子の話なんだけど……」
ここでいったん溜めを作り、魔理沙の顔をじっと見た。
「ナスキノコの胞子は……」
「胞子は……?」
「吸った者の……」
「吸った者の……?」
ごくり、と喉がなる。

「吸った者の書く文に誤字を発生させるんだ!!」

どーんっ!っと。ワンピースのように。もしくはキバヤシさんのように。
勢いをつけて叫んだが、魔理沙は反応をしない。
「…………はぁ?」
「馬鹿野郎『はぁ』じゃない!誤字だぞ誤字!ひたすらに時間かけて書いた文章が誤字だらけになるんだぞ!?
 恐ろしくて恐ろしくて夜も眠れないじゃないか!」
何故か呆れ顔をしてこちらを見る魔理沙。
何気に視線が『ああ、とうとうこいつの頭も霊夢以下になったか』と語っている。誰が淫乱巫女より下だって?
「……あー。ていうか質問いいか?さっき何十人もの人が倒れたって言ったけどあれはどういう事だ?」
まったく繋がらんとぶつくさつぶやく魔理沙。
「…………ふっ。そんなの簡単さ。

 かつて、このナスキノコの胞子をたっぷり吸い込んでしまった人間がいてな。その人の書く文章は万人受けとまでは行かないがかなり好評だった。
 そこで、その人はとある長編の文章を書く羽目になったんだが。それはそれは大変だったそうだ。
 その人が一章を書き上げるごとに誤字チェックをしなくてはいけない。しかも特殊な言い回しも使う事があるのでそれで詰まる事もしばしば。
 ……そして、その文章が書き終わったときには何十もの屍が出来上がってた。

 ――と言うわけだ」
「はぁ……」
もう、どうでもいいですといった顔で魔理沙は聞いていた。
「もうその話はやめにしようぜ。……でだ。これからどうするんだ?」
……その言葉を聞いて思い出す。そういえばまだ外は霧だった。
狩りに出かけられないと言う事は家にも帰れない。となれば……
「どうするも何も、ここにいるしか無いだろ。……まさかこんな中で家に帰れとか言うつもりか?」
「まさか。どこかのメイドじゃないんだからそこまで冷酷にはなれないぜ。」
はっはっは、と笑い、もう一度こちらを向く。
「まあ、お前は獣じゃないと私は信じてるぜ。」
「冗談。誰がお前みたいなの襲うかよ。」
冗談とも本気ともつかない言葉に軽口で返す。……後々後悔するとも知らずに。

      *

「何でこんな事に……」
時間は過ぎて霧雨邸の寝室。なんというかとんでもない状況だった。
まず、こちらの会話を聞いていただきたい。

『あー、ベッドは一つしかないから添い寝な?』

ぶほっ

『な、なんだってー!?』
『私はキバヤシじゃないぜ?』
『い、いや添い寝って……』
『一人だと寒くてな。まあ湯たんぽの変わりだと思えば』
『何その人権無視発言、じゃなくて。普通は男は床で……』
『床で寝られるか?こんな散らかってる場所じゃあ寝られないだろ』
『……片付けない本人が何言うか』

そんな感じで、でかいベッドに二人で寝ることに。
ちなみに決め台詞は『どうせ私を襲わないんだろ?』でした……
でも、でもですよ?いくらそうだといっても……寝れんのよ。実際。
気配がすると起きるようになってるせいか一向に眠気がやってこない。
というか、やっぱり魔理沙だって女なわけだし……そういうのはいかんと思ったりしますがどうですか!?
…………っと、いかんいかん、錯乱してた。
隣では静かに寝ている魔理沙。……もうちょっと品が無いのかと思ってたけど、意外に……
「……んにゅ~……」
あれ、体制を変えてこちらに寝返って…………

え、今、もしかして、魔理沙に抱きつかれてる?

「ん~……」
顔が間近に見えるよ。……物凄く幸せそうな顔をしている。
ちょっとね、これはね。もうね、襲えと。そうとしか聞こえないでしょう。
腕を魔理沙の背中に回し……ふと気づく。
「ちっちゃいな、こいつ……」
背中に回した両手どうしが有る程度触れそうなくらいだ。
いつもの暴れっぷりからは想像もつかないくらい、魔理沙が小さく思えた。
なんとなく小さな背中を撫でてやる。……気づかないうちにもう『襲え』とかそういうものは吹き飛んでいた。
「無理してるんだな、お前……」
こんなに幼いのに、頑張っている。血を吐くような努力をしているんだ。
何故か、いつもの魔理沙とは違う本当の『きりさめまりさ』という少女に会えた気がした。
背中から手を離し、頭を撫でてやる。……こういうのを愛しいって言うんだろうな。

「お前が望むなら、いつまでもお前を守ってやりたいよ。なあ、魔理沙……」

>>283

───────────────────────────────────────────────────────────

「おい、いるか?」
無遠慮に扉が開かれ、魔理沙が姿を表す
「魔理沙…ノックぐらいしろって何回言わせるんだ」
「おお? 男の癖に細かい奴だな」
どうでもいいぜ、とでも言わんばかりにずかずかと上がり込む魔理沙
「…女の癖に大雑把な奴だ」
「そんなことよりどうだ? 土産ならある」
魔理沙が差し出したのは数本の酒瓶
「気が利くな。どうせ夕飯でも集りに来たんだと思ったよ」
「酷いぜ。今日は飲みに来たんだがな」束の間の憮然とした表情
「だが、美味い飯があれば尚更酒が美味くなるってものだぜ?」
「…はいはい、そう来ると思ってたよ」



 急ピッチで酒を呷る魔理沙。流石に心配になる
「おい、少し飲みすぎじゃないか」
「あー? 美味いんだから気にするな」
酔うと絡むのかと勝手に想像していたが、当の本人はにこにこと笑っている
だけである。魔理沙の意外な一面を垣間見たような気がした
「なぁ……私の事……好きか?」
魔理沙は杯を置くと、頬杖を突きながら問い掛けてくる。とろんとした、どこか
眠そうな甘い声
あまりに突然な言葉に思わず酒を吹き出しそうになる
魔理沙はそんな俺を見ながら笑みを絶やさない。普段は見せない表情をとて
も可愛いと思った
「お前はどうなんだ?」
「んー、私か? 勿論好きだぜ」
どくん、と心臓が高鳴るのを感じた
「…俺もだよ、魔理沙」
「んー、そっかそっか…へへっ」
魔理沙は大層ご満悦な様子で、最後の一杯を空ける



 食卓の片づけが終る頃には、魔理沙はすっかり夢の世界へと入っていた
「全く…これじゃ風邪引くだろうに」
魔理沙の身体を抱える。全く起きる様子は無い
布団に寝かせ、毛布と掛け布団をそっと乗せる
「おやすみ……魔理沙」
魔理沙が小さく頷く、そんな気がした。良い夢を見ているのだろうか
ならば、自分も良い夢を見ることにしよう


願わくば、可愛い少女と同じ夢を

>>428

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俺「雪が降ったんだとよ」
魔理沙「ほー」
俺「珍しくもなんともねーな」
魔理沙「珍しくもなんともないぜ」

魔理沙「雪降ったんだな」
俺「ほー」
魔理沙「珍しくもなんともないな」
俺「珍しくもなんともないぜ」

魔理沙「おお、雪だ」
俺「だから外行きたいなら初めからそう言え」
魔理沙「そんな子供っぽい事言えるか」
俺「あーもー知らんぶる」

魔理沙「だから雪降ってるって」
俺「ああそうかい行けばいいんだろ行けば」
魔理沙「初めからそう言えば良かったろうに」
俺「それはお前だ」

3スレ目 >>42

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「待ってくれ、魔理沙!」

駄目だ、追いつけそうにない。

「駄目なら駄目と言ってくれればいいじゃないか!」

どんどん小さくなっていく魔理沙の後姿。

「頼む!答えを聞かせてくれ!」

箒に またがっているわけでもないのに

「こんな…中途半端な状態じゃ…俺…」

走り去る魔理沙は速すぎた。

「諦めも……つかないじゃないか………」

人間の出せる速さとは思えなかった。

「魔理沙ぁ!!」

そのとき魔理沙は………動きを止めた!俺は最後の力を振り絞り、魔理沙の元へ駆け寄った。

「はぁ…はぁ…」

地面にひざまずき、首を垂れる俺。激しく息切れを起こし、しばらくは立ち上がれそうもない。
なんてカッコ悪い姿だろうか。情けない。答えなんて分かってるはずなのに。わざわざ追いかける
必要なんて、なかったはずなのに……自嘲しながら、ふと地面に映る魔理沙の影に目をやれば、
魔理沙が俺に向けて手を差し出していることが分かった。

「魔理沙………」

俺は顔を上げた。

   /~ ̄~⌒\ ,-_、
 <.::::;;i::....   ( (__
    ̄ノ;;;;:::....  `¬´
  ∑>lコ<了――ヽ__
<" ̄ ̄ ̄`―――"    `>
 <<<~r--;;..____,.,;t">~>>>
  (~~~l   i   i  (ソ)~~
  (:. l  <・> <・> l ()
   (: l " l ○ l "l  :;)
  (::. ヽ  tェェェェI / ::;;)  
  (::..   ヽ ヾェェ//  ::;;)
  ヽ:;:;:;:;:;|`---"|;:;:;:;:;ノ   
     ,ヘヾ^^^^ソノヽ            
    i;;::::::\r┬r‐/`ヽ,
    |;;;:::::::::|_,|_,|_にノ γ⌒)
      |;;;;::: 人  ,.__,,,,ノ´
     |;;;;;/   ´/


('A`)?

BAD END(人違いに注意しよう。正直スマンかった。)

3スレ目 >>289


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 ……頭の中で、何度もプランを立て直す。
 ――――そう、まずはできるだけ何気ない動作で挨拶だ。「こんにちは。いい天気ね」。違う違う。これじゃアリスだ。
 「どこまでいくんだ。お前の足じゃこの森を抜けるまでに日が暮れるぜ」思いっきり余計なお世話だ。
 箒の後ろを叩いてクールに「乗らないか」。ウホッ! いい魔法少女…………だめだ、私。今日はおかしいぜ――――
 「ああもう。なんでこんなに私が悩まなくちゃいけないんだ」
 たかが、あいつ一人に声をかけようとしているだけなのに。
 そう、私が上空から見ていることも知らずに、のんびりと森の中の一本道を歩いているあいつ。
 今日ここを通るのは知っていた。何回も上空から確かめたからな。
 どこに行くのかも知っている。あのワーハクタクのいる里に行くんだ。
 だから、その………道が狭いし暗いし危ないからな。
 い、一緒に行ってやってもかまわないって、思ったんだ。わ、私だって鬼じゃないから、な。
 あいつが放っておいて妖怪に襲われたら、その、悲しいっていうか、寝覚めが悪いっていうか。
 なにも、おかしなことじゃないのに。
 どうしてこんなに、あいつに声をかけようとすると胸が苦しくなるんだろう。
 本当にいつもの私、霧雨魔理沙らしくないぜ。
 私に気づかないで、どんどん向こうに行ってしまうあいつ。
 ええい、どうにでもなれ。私は頭の中で考えた計画なんか全部捨てて急降下した。
 超低空飛行で、あいつの後ろから声をかける。
 「よっ、ようっ!」
 なにがようっ! だよ。少しは女の子らしく出来ないのか私は。みっともなく上ずった自分の声に、今すぐ逃げ出したくなる。
 でも、あいつが振り返った。
 魔理沙、と名前を呼ばれてしまった。
 それだけで、胸が高鳴る。私って単純だな。
 箒から降りて着地する。
 「ひ、久しぶりだなっ! こっこんなところで会うなんて、あー、えーと、き、奇遇だよなっ!」
 心臓がどきどきして、今まで色々考えていたことなんて全部思い出せない。
 そうだね、とあいつは少し驚いた顔で、でも笑ってくれた。
 その笑顔が、力になる。
 「え~とだ。その……そう、どこまで行くんだ?………………あ、やっぱり…じゃなくてそうだったんだ! あのワーハクタクのいる里までかあ。初めて知ったぜ。
 ………結構、遠いよな…………いや、た、大変だなーなんて思って、思っちゃって。別に、それだけ…………」
 うわーうわーもう自分でも何言ってるのかわかんないぜ。
 めちゃくちゃ恥ずかしくて顔が真っ赤になる。
 あいつは笑顔のまま無言。くそ~、なんで私が気を回さなくちゃいけないんだよ。
 「だから……だからな……別に恩を売ってるわけじゃないぜ。いらないんだったらかまわないから………ああ、たいしたことじゃない……その……そのな………」
 その先が思いつかず、私は目をつぶってただ箒を突き出した。
 「乗れ! 送ってやるっ!」

 ………………
 ……………
 …………
 ………
 ……
 …
 かっこ悪いなあ、私。どんなふうにあいつには見えているだろう。さぞかし間抜けに見えてるだろうなあ。
 沈黙が怖くなって、私は恐る恐る目を開けた。
 あいつの手が、箒をそっとつかんでいた。
 ありがとう、と声がした。
 にっこりと笑うあいつ。
 その一言で、今までの緊張が全部解けたような気がした。
 「いいのか…………?」
 あいつはうなずいた。
 やった。全然私が考えていたのとは違ったけれど、でもうまくいったんだ。
 もの凄くかっこ悪いところを見せたけれど、あいつを誘えたんだ。
 「よぉし、じゃあ一つ、里まで一気に送ってやるかっ!」
 内心で飛び上がりたいくらいに嬉しいことを隠して、私は箒を横倒しにしてそれにまたがった。
 「ほら、後ろ。………何だよ、箒に乗るのって初めてか?」
 あいつはそうだとうなずいた。
 「しっかりつかまれよ…………ってソコに手を入れるなぁ!…………く、くすぐったいぜ………そう、落ちたりしないから柄につかまれって………そうだ、そう」
 あーびっくりした。つかまれって言ったらいきなり腋から手を回したからな。ったく、自転車の二人乗りとはわけが違うぜ。
 ひたすら謝っているけど、普通以上にびっくりしたことをあいつに気づかれちゃっただろうか。
 ううん、気にするな私。今は誘えたことを楽しめ。
 「行くぞ、出発!」
 私の掛け声と共に、箒は二人を乗せて宙に浮き上がった。
 ぐんぐんと高度を上げてから、次いで一直線に猛スピードですっ飛ばす。
 私は、あいつの気配を背中に感じられるのが嬉しくて、いつもよりもさらに速く里までの空を飛ばしていった。

 …………里についてから、あまりのスピードで箒から降りたあいつが腰を抜かしていたのは、また別の話だぜ。


 女の子な魔理沙がメイン。相手に一切しゃべらせませんでした。
 霊夢にだって置き換え可能を目指して。霊夢は飛べるけどね。


3スレ目 >>309-310


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魔理沙は自分から恋するタイプである事に賛成。

「はっはー、突然ぎょうぎょうしく何の話かと思えば。
 要はするにあれだ、とどのつまりこれからもよろしくなって事だろ?
 
 ああ、もちろんこっちからもよろしく・・・・・・だぜ!」

なーんてちょっと照れながらニカっと笑ってくれるのが俺の理想魔砲使い。

3スレ目 >>311

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319 名前: 名前が無い程度の能力 投稿日: 2006/01/23(月) 23:46:31 [ FX31OM5U ]

デフォルトでそうだとは知らなかった俺を笑ってくれorz
あと恋夜抄とは、我らが黒ストの神である偽狼さんがクーリエで描いた絵のこと。
ttp://coolier.sytes.net:8080/oekaki_03/data/kaei_003275.png

魔理沙(黒スト着用済み。スカートをたくし上げてみせて)
「ほら、ほら。なんか私っていつもと違わないか?違うだろ?……え、どこがだって?………鈍いぜ、お前」


320 名前: 名前が無い程度の能力 投稿日: 2006/01/24(火) 01:02:28 [ 4SPonXH2 ]

>たくし上げて
> た く し 上 げ て
>    た    く    し    上    げ    て


ヽ(*´д`)ノ


3スレ目 >>319-320

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377 名前: 名前が無い程度の能力 投稿日: 2006/02/12(日) 21:18:06 [ XhkQP0H2 ]

魔理沙のふあふあの頭をなでなでしてやりたい。
そんで照れた魔理沙に「………バカ」って言われたい。


378 名前: 名前が無い程度の能力 投稿日: 2006/02/12(日) 21:42:09 [ noOTZ5wg ]

ふあふあ
「……おい」
「んー」
ふあふあ
「おいってば」
「んー」
ふあふあ
「鬱陶しいからやめてくれ」
「んー」
ふあふあ
「はあ……好きにしろ」
「んー」
ふあふあふあふあふあふあふあふあふあふあ

ゴメン
照れさせることも出来なかったし「……バカ」も言わせられなかった


379 名前: 魔理沙可愛いよ魔理沙 投稿日: 2006/02/13(月) 06:45:39 [ OFUdhxOk ]

寒い。暖房じゃ全然足りん。レティ頑張りすぎだろ。仕方ない、こんな時は……

――おーい、魔理沙ー。ちょっとこっち来てくれ。
「んー? ってうわっ!」

呼ばれてやってきた魔理沙を、正面からギュッと抱きしめる。あー、あったけー。

「な、なんだ? どうした!? 頭でも打ったのか!?」
――いや、寒くってさ。
「……お前は寒かったら誰彼構わずいきなり抱きしめるのか?」
――いや、魔理沙だけ。魔理沙かーいいし、あったかいし、やーらかいし、いーにおいだし。
「~~~っ!?」

バフ、という効果音と共に、魔理沙の顔がトマトばりに赤くなった。
魔理沙は直球に弱い。
しかも紙装甲。それこそパラメーターを全部攻撃に回してるんじゃないか、と思わせるくらい。
そんな内面は誰より乙女な彼女の頭を優しく撫でる。
「んうっ」、っとくすぐったそうに目を細める魔理沙が可愛くて、ついつい撫で続けてしまう。

ふあふあふあふあふあふあふあふあふあふあ
「くすぐったい」
――俺は気持ちいい。魔理沙は?

ふあふあふあふあふあふあふあふあふあふあ
「くすぐったい」
――俺は気持ちいい。魔理沙は?

ふあふあふあふあふあふあふあふあふあふあ
「くすぐったい」
――俺は気持ちいい。魔理沙は?

ふあふあふあふあふあふあふあふあふあふあ
「……分かった。正直に言う。私も気持ちいい。けどいくらなんでも恥ずかしい。放してくれ」
――知ってる。けど断る。それに、ほんとに嫌なら振りほどけばいいだろ? そんなに強く抱きしめてるわけでもないし。
「……バカ」

掻き消えそうな声で呟いた後、魔理沙は俯いてしまった。
暖炉のパチパチという音をBGMに、まったりとした空気が流れる。もう暫くこうしていよう……


3スレ目 >>377-379

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魔理沙が家にやってきた。

 「寄らせてもらったぜ。………今、暇か?」

⇒はい
 いいえ

 「そうか。………実は、恥ずかしいけどちょっと魔法の実験で行き詰ってるんだ。この魔法、結構難しいんだぜ。
いろいろ必要なものがあるんだ。吸血鬼の血に、幽霊の髪の毛。それに兎の後ろ足とか、いろいろ。
 それでな、仕上げに……き、キスが必要なんだ。これがないと、魔法が完成しないんだぜ。
別に嫌だったら帰るから。私だって、お前とならキスくらいいいかなーって思ったりして。どうなんだよ。協力……してくれる?」

⇒1 よし、ひとつ協力してやるよ
 2 そんなこと言わなくても、キスならいつだってかまわないさ
 3 君には霖之助がいるじゃないか。彼に頼んだら?

終わってから顔を赤くして……
 「舌まで入れてくれなんて、頼んでないぜ……」

魔理沙の言っている魔法については、たぶんでたらめってことで。
相手が霊夢だと想像してもそれはそれで。

3スレ目 >>472

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今回は魔理沙×自分。妄想だけを頼りに頑張ってみた。
>>643で書いたものより短いのは気の所為。

照れる魔理沙はとても可愛い、とか言ってみるテスト。
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月に照らされた夜の森に、二つの足音が響いている。

「なぁ、魔理沙」

一つは青年…俺のもの。

「あー、どうした」

もう一つは少女のものだ。

「なぁ、このキノコ何に使うんだ?」
「あー、魔法」

俺の手の中には籠。その中にはいくつかのキノコが入っている。

「魔法…って、どんな?」
「魔法薬だ。効果は…お前に飲ませれば解る」
「訳の判らんモノを俺に飲ませないでくれ…」

冗談を交わしながら二人は歩く。行く先は魔理沙の家だ。





「そういえば、なんで今日は一緒に来たんだ?いつもは家で実験してるだろ」
「…それ…は…その…」
「?」

魔理沙は顔を背けて、蚊の鳴くような声で言った。

「たまには…その…○○と……いっしょ…に……」
「…?」

「いっしょに…あるい…て…?うあぁ?!」



べっちーん。


突然、魔理沙が転んだ。それはもう盛大に。

「ま、魔理沙っ!大丈夫か?」
「い、いててててて…脚を…挫いたみたい…だ」
「歩けるか?」
「こ、この程度…痛っ!!」
「お、おい無理するな」

どうやら、脚を痛めたようだ。
ここから魔理沙の家までまだ距離がある。歩くのは無理だろう。

そうすると、アレしかない。

嫌ではない。むしろ色々と嬉しいのだが…とても恥ずかしい。
…この場合は仕方ないだろう。

俺は魔理沙に背を向けてしゃがみこむ。

「……?」

「その…掴まれよ。背負ってやる」

魔理沙の顔が赤くなる。

その表情が、とても可愛らしく思えた。

少しの間。

「…いい…の…?」

申し訳なさそうな顔で訊いてくる。

「お前歩けないだろ。いいから」

「…うん、ありがとう…」

そういって、少し躊躇しながら、肩に手を回す。
それを確認して、俺は立ち上がった。

「よ…っと」

…軽い。こんなにも軽いとは予想外だ。

「重い」

それが精一杯の照れ隠しだった。

「…ドラゴンメテ…」
「悪い、冗談だ。すまん」

魔理沙の脚を抱えて、ゆっくりと歩き出す。

肩に回された腕は、白くてか細い。
背中には、魔理沙の胸のふくらみまでもが感じられる。
後ろから、小さく細い息が聞こえてくる。

正直、とてもドキドキしていた。

「…○○の背中…意外と広いんだな…」


「…魔理沙も…結構…小さいな…」

「……////」
「……////」

照れくさくて、お互い何も言えなくなる。


ただ、魔理沙の身体の温もりを感じていたくて。

ゆっくりと、ゆっくりと、歩いていく。


--------------------------------------------------------------------------------------

二人は魔理沙の家に到着した。

「よっと」

魔理沙を背中から下ろす。

「あ、ありがとう。…助かった」

少し俯きながら、真っ赤な顔をした魔理沙は言った。
…なんて可愛いのだろう。

「…そうだ○○、なにか礼をしないとな。なにか欲しいものとか、あるか?」


その問いに、俺はこう答えた。


「俺は…俺は、魔理沙に一緒に居て欲しい」

「…ぇ」

魔理沙が驚きに目を見開く。
その綺麗な琥珀色の瞳を見つめながら、さらに言った。

「俺は、…魔理沙が好きだから」

自分でも驚くほど、自然に告白していた。

魔理沙は、まだ驚きに硬直している。


…魔理沙は俺のことをどう思ってるんだろう。
それを訊ねようとした時だった。


魔理沙の顔が突然に迫ってきて…


それを判断するより早く、唇と唇が触れた。


「んッ…」


俺は、何も考えられなかった。頭が真っ白になっていた。




…魔理沙が、唇を離すまでに、どれだけの時間がたったのかは判らない。



先に口を開いたのは、魔理沙だった。


「その…これは………お礼、だ…」

魔理沙は言葉を続けた。

「私も…○○が…」

一呼吸の間。

「○○が、好きだから。…だから、これからも…」



「これからも、よろしく…な」

嬉しかった。
何を考えるよりも早く、俺は魔理沙を抱きしめた。

「…魔理沙、大好きだ」

「うん。…嬉しい」



そのまま俺たちは、しばらく抱き合っていた。











「…今日はすっかり遅くなったな、○○」

「ああ…もう真夜中だ」

「…その…夜雀なんかに襲われると危ないから…その…」

「…?」



「…今日は、私の家に…泊まったら…どうだ…?」



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幻想郷の夜が明ける。

妖怪の時間は終わり、人間が目を覚ます。

朝日の届かない薄暗い森を、二つの人影が横切る。


俺と魔理沙は手をつないで。

昨日、道端に置き忘れたキノコを取りに。



二人で、歩いてゆく。


---------------------------------------------------------------------------------------




あとがきという名の弁解。

えーSS書くのは二回目だったりした。
相変わらず文章が異常。今は反省している。
それ以前に魔理沙の性格が安定していない罠。

3スレ目 >>651(うpろだ0003)

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「師匠……」
「ん、何だ?」
「好きですよ」
「そういうことは、私の符を避けてから言うもんだぜ」

 …………

 ……

「なあ」
「何ですか?」
「腹減ったから、何か軽く作ってくれ」
「なら、煎餅でいいですね」

 …………

 ぱりぱり……

「なあ○○」
「おかわりはありませんよ」
「たまには『魔理沙』って呼んでくれないか?」
「恥ずかしいから嫌です」

 ぱりぱり…………

 ずずず…………

「まあ、何だ。その……嫌いじゃないからな。お前のことも」
「だから煎餅は切らしてますって」
「じゃあ茶のおかわりをくれ」
「いつもの出枯らしでよければ」

 ずずず……

 ずずず……

「いいですけどね、二人っきりなら別に」
「煎餅か?」
「焼きませんよ、魔理沙」

 …………

 ……

「なあもう一回」
「やっぱり恥ずかしいから止めときます」
「いいだろ別に、減るもんじゃないし」
「減らなくても大事にするのが節約です」

3スレ目 >>782

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手作り弁当 ~制作編~

21:00
「さて、張り切って作るとするか…」
22:00
「なかなか味が安定しないな…。これではとても食べさせる訳にはいかないぜ……」
23:00
「しまった!試作で材料を使い切ってしまった!紅魔館の食料庫から拝借するか……」
24:00
「ぐぁ……。また味付けが濃くなってしまった……。このレシピ本当に合っているのか?」
25:00
「なんとなく形が見えて来たか…。手製の弁当というのも奥が深いものだな……」
26:00
「よし、明日の弁当はこれで決定だな。まずは仕込みからだ……」
27:00
「……はっ!?意識が飛んでいたな……」
28:00
「……完成……もうすぐ夜明けか……もう寝よう…おやすm……zzzzz」



12:34
「うぉっ!すげー!この弁当マジで魔理沙の手作りなのか!?」
「コレくらい朝飯前だ。無駄口叩いてないで、さっさと食べたらどうだ?」
「……!?こ、これはっ!?うひはぁーーっ!!超うっめーーー!すげー!神様仏様魔理沙様ありがとーーう!!」
「当たり前だ。恐れ入ったか?私の料理の腕をナメてもらっては困る。……明日も作ってやらない事もないぞ?」



負けず嫌いの魔理沙なら、これくらいはやってそうだ…

3スレ目 >>961

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季節はもう梅雨なのか、外は窓をすべて閉め切ってもわかるほどの土砂降り。
既に効果音がザーザーとかではなく、ドドドドドドな感じだ。
そんなことと関係あるのか無いのか、俺は玄関先にいて、目の前には全身びしょ濡れの魔理沙。
「よぉ魔理沙。どうしたよ」
「あー……まぁ何だ。恒例の図書館突撃をしたんだがな?その帰りにこう……あー見ればわかるだろ!朝は快晴だったのに帰りにどしゃぶりとかわかるか!」
 湿った金髪を手でかきながら言う。
「説明をしようとしたはいいけどいろいろ面倒くさくなって打ち切った上に逆切れとは流石魔理沙だな」
「……それは褒めてるのか?それとも貶してるのか?間違いなく後者だよな?今更訂正は聞かんからな?オーケー其処を動くなよ?」
 腰を低く据え、構えるはかめh……マスタースパークの姿勢。
目がマジです目が。本気と書いてマジと読む。
「今の私は相当に機嫌が悪いからなぁ……覚悟しろな?」
「いやいや魔理沙?ここでぶっ放したら家が吹きと―――」
「問答無用だ!マスタァァァァスパアアァ―――」
「ぎゃああぁああ!」
「……くしゅ!」
 ん?
「この……くしゅ!動く……くしゅ!マス……くしゅ!」
 えーとこれは……
「……魔理沙、大丈夫か?」
 聞くまでもない気がしたが聞く。
そりゃあ全身びしょ濡れで長い間いたらこうなるわなぁ……
だと言うのに
「こ、このぐらいダイジョ……くしゅ!」
 あーあー意地張ってるのか知らんが強がってまぁ……
ガジガジと頭をかいて溜息を一つ。
当たり前のことを言うつもりなのに覚悟がいるのは何でだろうね?
「あーもう無理すんなよ。風邪引くだろうがそれじゃぁ。風呂でも入ってけ」
「あ、ああ。ま、まぁ最初からそのつもりだったんだけどな」
 はははははと空笑い。
と、顔が少し赤い。
「オマエもう風邪引いてるんじゃないだろうな?」
「……へ?何でだ?」
「いやだって顔が―――」
 とペタペタと顔を触り、ピタっと硬直するは魔理沙。
「……魔理沙?」
「な、なんでもない!なぁんでもない!」
 顔やら手やらをブンブン振り回して極大否定。
さらに顔が赤くなってるのは気の所為かね?
「と、兎に角風邪はまだ引いてないか……くしゅ!」
「あー……なんでもいいから先に風呂入れ」
「ん……そうする……」


さて、と言うわけで今魔理沙がうちの風呂に入っているわけだが
→A.魔理沙と一緒に風呂に入る
B.おとなしく出てくるのを待つ
C.せっかくだから俺はこの紅い扉を選ぶぜ!

とりあえずネチョは無いでしょ多分w

備考:とりあえず  全  部  だ

4スレ目 >>70

───────────────────────────────────────────────────────────

親父が旅先からいきなり荷物を送ってきた
八卦路といってこの中は常に燃えてるそうだ
俺は興味本位で穴を覗き込んだ
そしたらいきなり八卦炉が光り出し中から金髪の少女が現れたのだ!

「よう、お前が私の新しい主って奴か。冴えないさそうな奴だな
しかし呼び出された以上は仕方ない。派手に守ってやるからよろしく頼むぜ」


















  ,j;;;;;j,. ---一、 `  ―--‐、_ l;;;;;;
 {;;;;;;ゝ T辷iフ i    f'辷jァ  !i;;;;;   
  ヾ;;;ハ    ノ       .::!lリ;;r゙  そんなふうなことを考えていた時期が
   `Z;i   〈.,_..,.      ノ;;;;;;;;>  俺にもありました
   ,;ぇハ、 、_,.ー-、_',.    ,f゙: Y;;f
   ~''戈ヽ   `二´    r'´:::. `!



4スレ目 >>166

───────────────────────────────────────────────────────────

香霖堂にて

店内には、すでに先客がいた。
「お、いいところに来たな、お二人さん」
魔理沙が早速話しかけてくる。
この娘はいつも、どこか少年のような笑みを浮かべている。
「いいこと、ね。日をあらためて出直すわ」
そう言うや否や、急いで帰ろうとしているのが咲夜。
店に来る途中で偶然一緒になったのだ。
「ちょ、おい待てって。宴会だよ宴会」
あわてて引き止める魔理沙を無視して歩き出す咲夜。
ああ、さすがに踏んでる修羅場の数が違う。
少しでも疑わしいものは決して信用しない。
随分と言えば随分な対応だが、魔理沙の場合にはこれもやむを得ぬ事かもしれない。
彼女が如何に迷惑な人間かは幻想郷でも有名だ。
だが、それでもこれはやりすぎだろう。
「まぁ、話しぐらい聞いていこうよ。それに、ここに買出しに来るために午前中急いで仕事したんだろ?」
僕が魔理沙の援護に回ると、ようやく立ち止まってこちらを振り返り、肩をすくめる。
話しを続けろということらしい。
僕と魔理沙がなんとなく目を合わせてため息をついていると、それまで会話に入ってこなかった霊夢が。
「人徳ね、魔理沙?」
くすくすと笑いながら茶化す。
魔理沙が少しふてくされながら説明してくれたことをまとめると、大体このようなところになる。

三日後の晩に博麗神社で宴会を行う。正確な時間は決めていないが日が暮れるところには飲み始める。酒とつまみは持参。

「って、それだけ?」
思わず声を上げてしまった僕をみんなが不思議そうな顔で眺めてくる。
「それ以外に何か必要なことがあるのかしら?」
真顔でそう返してくる咲夜の言葉を受け、先ほどの魔理沙の説明を吟味してみる。
会場の位置、日程、そして持参品。
一見問題がなさそうだが、やはりどこか変だ。でも、ここでそんなことにこだわっても仕方がない。
「いや、特には見当たらない」
そういった僕のどこがおかしかったのか。
その場にいた三人の少女達が一斉に笑い始める。
幻想に生きる連中に笑われるなんてなんとも心外なことだと思いながらも、そう悪い気はしなかった。
「それにしても」
ひとしきり笑った後、霊夢が話しを変えるように言う。
「こうも宴会が続くと、色々と大変なのよね」
実際、苦労しているのだろう。博麗神社は彼女一人でもっているようなものなのだから。
普段から一人で管理しなければならない上、何かあるたびに集合場所にされるのだ。
気がつくとこう言っていた。
「じゃあ、手伝うよ。準備とか、片付けとか」
幽霊でも見たような顔をしている霊夢の顔を見て、少しくじけそうになりながらも念を押す。
「いいだろう?」
「それは、そうしてくれれば、嬉しいけど……」
りんごみたいに真っ赤になった霊夢が何事かをぶつぶつ言っていると、それにかぶせる様に咲夜が。
「なら私のほうも手伝ってもらえないかしら。宴会に持っていく料理の下ごしらえを前の晩のうちに済ませておきたいの」
と言ってきた。
普段人に頼ることをしない彼女の申し出には多少驚いたが、快く承諾した。
鬼の形相の霊夢と彼女をあからさまに馬鹿にした表情で鼻を鳴らす咲夜の対決は、確かに見ものではあった。
しかし、そのときの僕は浮かない顔をして脇に立っている魔理沙のことが気になっていた。

「もう日暮れか。こっちに着てからは時間のたつのが速いや」
結局、あの後も店の奥から出てきた主人、こーりんを交えて散々無駄話をしてしまい、用事を済ませて店を出るころには日が沈みかけていた。
目の前にいる少女を見つめる。彼女は僕の視線に気づくこともなく、下を向いて空を飛んでいる。
元気がない。普段の彼女からは想像もつかない姿だった。
いつもなら気分を高揚させる真っ赤な夕焼けも、彼女につられたのか、どこかさびしげな光を放っている。
いきおい、僕の口数も減り、想念の中へ自己が埋没していく。
嫌われてしまったのかもしれない。
ふとそんな想像が脳裏をよぎり、思わず唇をかむ。
きっとそうだ。何がまずかったのだろう。
彼女の腰に手を回していることか。でも、そうしていないと箒に振り落とされるだろうし、やっぱり仕方ない。
「あのさ」
宙を舞う箒の上で手を離すことと、自転車に乗ったままそうすることのどちらがより危険かを真剣に考えていた僕に、魔理沙はこのように切り出した。
「ナニ?」
最悪。声が変だ。思わず頭を抱え込む僕を無視して、彼女は続ける。
「私も、頼みごとをしていいか?」
「……うん?」
「明日さ。宴会の事をあっちこっちに知らせに行くんだけど、つきあってくれないか?」
「いいよ」
即答。
当然のことだ。僕が彼女の頼みを断るはずがない。
何故なら……
「お前ってさ」
再度物思いに沈みかけた僕を、魔理沙は速やかに現へと引き上げた。
僕の返事を待つこともなく、彼女は続ける。
「好きなやつとか、いるのか?」
頼みごとでもなんでもなかった。
いや、その話題はさっきのやり取りで終了していたのだろう。
それにしても。
「君がそれを言うのかよ」
「え?」
「や、なんでもない。好きな人なんかいない」
胸がズキズキと痛む。
ここまであからさまな嘘を吐くのはこっちに来てからは初めてだ。
何でこんな思いをしなきゃいけないんだろう。
伝えたい想い。伝えたい言葉があるのだ。
それを、今にも溢れそうなそれを彼女に告げてはいけないのだろうか?
その通り。それはいけないことだ。
なぜなら、四日後の朝、僕はここを去るのだから。
今度宴会をやるのも、つまりはそういうこと。
いままでありがとう。それではさようなら。
僕のうちにつくまで沈黙は続いた。
日が暮れたせいで、別れるときも彼女の表情を確かめることはできなかった。

家に送ってもらうと、僕は食事もとらずに床についてしまった。
かたく湿った布団に包まれながら、今日起きたことをつらつらと思い出す。
香霖堂での会話。宴会。元気のなかった魔理沙。帰り道。それと……
そう、確かに覚えたはずの違和感。あの時みんなに笑われたのは心外だった。結局考えるのを諦めたんだっけ。
でも、もうその正体はつかめている。
会場の位置、日程、そして持参品。
僕はこれらの要素だけでは足らない。不足であると感じていたのだ。
何が足りないのか。
それは「誰が来るのか」だ。
幻想郷に来る前に参加した、あらゆる飲み会を思い出す。
そこで最も大事なのは、果たして自分が誰と飲むことになるのかということだった。
大嫌いな奴と隣り合わせて、終始不快な気持ちで過ごすことになったり、あまり親しくないグループの二次会に混ざってしまい、気まずい思いをする。
このようなことを避けるため、事前に参加者を調べることは大変重要なことだった。
でも、と、そこで僕ははたと気づく。
何でこんな大事なことを忘れていたのだろう。
いや、大事なこと、というのがすでにおかしいのかもしれない。
最初に違和感を持ったとき、僕はそれをどう処理したか。
「そんなことにこだわっても仕方がない」
なぜそんな風に考えたのか。
そこで、今はまったく関係のない約束が、突然脳裏をよぎった。
「明日さ。宴会の事をあっちこっちに知らせに行くんだけど、つきあってくれないか?」
こちらに来てから何度か宴会に参加したことがあったが、そのたびに魔理沙が直接参加の約束を取り付けに行くことを、僕は知っていた。
大変ではないのか。そう尋ねたこともあった。
そのとき彼女はこう答えたのだったっけ。
「そうでもないぜ。二、三人に声かけたら、後はそいつらに任せてるし」
呆れた顔をしている僕を見て、にやりと笑い、彼女はこう続けたのだ。
「ここじゃ、知らない奴が混じってても誰も気にしないぜ?」

気がつくと布団を跳ね上げていた。
どうしたというのだろう。
自分の行動が理解できずに戸惑う。
そして、そうやって悩んでいる間にも、自分の下半身が小刻みに震えていることに気がついた。
貧乏ゆすり。
小さい頃。親にみっともないからやめろとよく叱られた癖。
でも、それをなぜ、他ならぬ今この時にしているのか。
これでは、まるで……
「まるで、焦っているみたいだ」
焦っている?
自分の考えの突飛さに笑う。
僕に焦ってまでやるようなどんなことがあるだろう。
いや、一つあるとするならば。
「お前ってさ」
「好きなやつとか、いるのか?」
限界だった。
「くっ」
布団の上でうつ伏せになって震える。
僕は魔理沙が好き。
はっきりと言葉に出してみようと思ったが、口から出るのは獣のようなうめき声だけだった。
今からでも彼女の家に押しかけて、言ってやりたいのだ。
君が好きだ、と。
でも、それは叶わない。
僕はもうすぐここを去る人間なのだから。
いや、それは後付けの理由。
本当は、本当は単に拒絶されることが怖いだけなのだ。
ここに来る前からそうだった。
根拠のない疎外感。
人付き合いの苦手な僕は、幼い頃からそれを味わって生きてきた。
そして、今もそれを実感している。
だというのに。
「ここじゃ、知らない奴が混じってても誰も気にしないぜ?」
他人が怖くて仕方がないのに。
「幻想郷はすべてを受け入れる」
とうして。今も心の底に張り付いて離れない言葉。湧き出ては枯れぬ信頼があるのだ。
昼に気づいた違和感。
なぜそれをすぐ棚上げしてしまったのか。
今ならよくわかる。
どうでもよかったのだ。
だってここはすべてのものを受け入れる場所なのだから。
そして、それにすぐ頭が回らなかったのは、きっと。
僕が、すっかりここの住人になっていたから。
黙ったまま立ち上がる。
このまま森を抜けて魔理沙の家まで歩いていくつもりだった。
夜更けの森を歩くことの危険は熟知していた。
でも、そんなことは少しも気にならなかった。
だって、やりたいことがあるのにそれをやらないなんて、おかしいから。
「そうだろ? 魔理沙」
唇の端がつり上がるのがわかり、それがまた愉快だった。
さぁ、行こう。
問題はまだ山積みで、いつ解決するのかも知れなかった。
けれど、今の自分を遮るものなんて何もない。
それだけはわかった。
なぜなら、僕はいま、こんなにも魔理沙に会いたいのだから。
人が本気で何かを望んだとき、達成できないことなどないのだ。
「僕が会いに行ったら、魔理沙はどんな顔をするだろう」
想像するだけでも楽しくなってくる。
きっと彼女らしい豪快な驚き方をするのだろう。
でも、それだけでは終わらない。
おそらく、今夜は特別な夜になる。
幻想郷中に響くくらい大きな声でこう言ってやるのだ。
「僕は、魔理沙が好きだ」

4スレ目 >>231>>238>>269-270

───────────────────────────────────────────────────────────

初書き、初投稿。文章削り能力がないので無駄に長いです。
あといろいろと「密度」が足りてないと思います。ですので最初に謝ります。ごめんなさい。


・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・
人間にとっていつ危険に遭遇するか分からない幻想郷において、読書に没頭できる静かな場所があることは非常にありがたい。
「いよーーう香霖! 遊びに来たぜーー!!」
・・・たとえ容易に破られる静寂であったとしても。

「いらっしゃ・・・なんだまた魔理沙か」
「なんだまた○○か」
「そこ、真似をしない」
「お約束の挨拶だぜ。香霖はどうした?」
「奥でお休み、誰かさんの無茶な注文のおかげでね」
調整の仕上がった八卦炉をぞんざいに魔理沙に投げつける。
「っと、悪いな」
「悪いと思うならツケくらい払ったらどう? 森近さん徹夜で調整してたみたいだし」
聞きいれられることはないとは思うが、それでも言わなくてはならない。
がやはり聞いていない魔理沙はいそいそと八卦炉をしまう。
・・・胸元へ。
「あの~、魔理沙さん?」
「ん、なんだ?」
「少なくとも男の目がある場所ではそんなところへ堂々としまわない方がいいと思いますが」
「はっはっはー、私と○○の仲じゃないか」
「はぁ・・・」

「やれやれ、森近さんも無茶な仕事は断ればいいのに。やっぱり魔理沙のことが好きなんだろうねぇ」
「そりゃ、な。○○が知り合う前からの深ーい付き合いがあるんだぜ」
「ふーん。で、そういう魔理沙はどうなん? 森近さんのことが好きなわけ?」

「嫌いだったらこうして調整を頼みに来るわけがない」
「いやいや、一人の男性として好きかどうか聞いているのだよ、魔理沙君」
「うるさいな! そう言う○○こそどうなんだ!」
何故か不機嫌な顔で魔理沙が詰め寄ってくる。
って、ちょっと距離が近すぎるんですけど・・・
「え、あ、どういうこと?」
「お前こそ誰か好きなやつがいるんじゃないかってことだ!」
さらに詰め寄られ。
怒った魔理沙の顔のアップとなんともいえない柔らかい匂いが鼻をくすぐり。
自分の顔が急速に赤くなっていくのが分かる。
「え、いや、あの、その・・・」
しどろもどろになる自分を見て余裕を取り戻したのか、嫌なにやにや笑いをうかべる魔法使いが一人。
「どうした? この魔理沙さんに正直に話してみ?」
形勢は完全に逆転された。至急この状況を打開する策を立てよ。
「う、うるさい! 先に聞いたのはこっちだ! 恋の魔砲使いのくせに自分が好きなやつも分からないのかよ!」
思わず目をつぶって叫んでしまう。
下の下。⑨。総員対ショック体勢、更なる衝撃に備えよ。

・・・あれ?
さらに突っ込まれると思ったのに、目を開けると魔理沙の帽子、髪、背中。
「あ、あの、ごめん・・・」
「確かに香霖は好きだぜ・・・世話になってるしな。
 けど、○○のことも、その、悪くはないと思っている」
え、なんでこうなってるの?
「え、それってどういう・・・」
「ああはっきり言ってやる! ○○! 私はお前が好きだ!
 さぁ言ったぜ! 次はお前の番だ! お前は私が好きなのか、答えろ!」
そう言って振り向いた魔理沙の顔は心なしか赤く、目も潤んでいるように見える。
まずい、非常にまずい。
パニックになるな落ち着けいやまあ確かに魔理沙かわいいよ魔理沙けどど
ちらかというと気軽に言葉をぶつけ合えられる性別とは関係のない友達と
言うかってこういう状況はまったく考えてなかったしいやでもどうみて
も美少女で胸はほどよく控えめでお前これ以上何を求めるというんだと
えー恋愛ってのはお互いの気持ちが重なって初めて成り立つんじゃないのかと
だまれ小僧女性に告白させておいて断って恥かかすなんでお前それでも男かうわ
なにをするやめr

ええええええええええええええええええい、考えるのやめ!
今の気持ちを率直に、だ!

「霧雨 魔理沙!」

前への決意 手を彼女の肩に置き

「ごめん!」

言わせた懺悔 その体を自分の方に引き寄せ

「好きさ、大好きだ!」

呪縛の言葉 できるだけ強く、それでいて潰れないように、私は魔理沙を抱きしめた。

パシャッ

ぱしゃ?


開け放しの入り口の方から聞こえたような・・・まさか。

ジャーン!ジャーン!ジャーン!
「スクープあるところ天狗あり! ペンは弾幕より強し! 曲解、捏造思いのまま! 記事の内容こそ事実!
 真実の綴り手、最速の新聞記者、射命丸 文 参上です!」
げえっ、射命丸!
思わず魔理沙を突き放す。
「おっと、酷いぜ」
射命丸の横に並ぶ形になった魔理沙だが・・・待てなんだそのにやにや笑いは。
「ここで種明かしです。今度の特集『一目瞭然! 幻想郷恋愛相関図(仮)』の取材に魔理沙さんを訪ねたのですが」
「そんなこと答えるわけ無いだろ」
「しかし半数以上の方への取材は終わっているので、そう易々と引き下がるわけにはいきません。
 そこで交換条件を出しました」
「それが○○の好きな相手を聞き出すってことだ。悪いな」
「そういうことです。しかし予想以上の収穫でした、さすが魔理沙さんですね」

の・・・逃れなくては・・・
く くそ!
今はとりあえずなんとかして逃れなくてはッ!
なんとかして二人をだしぬく方法を考えなくては・・・!
「それでは、次の取材に行きますね。ご協力ありがとうございました!」
「おう、またな」
まずい、射命丸に行かれてはおしまいだ! ゲームオーバー、ダス・エンデ。

「・・・・・・むむむ」
「何がむむむだ!」
振りに対して即座に反応するのはもはや新聞記者としての本能か。
しかし、ひとまず足止めはできた。
あとは・・・
「・・・見事だ、実に見事だよ射命丸君!
 一度に二人分の取材を終わらせるとはな!」
なるようになれ!
「魔理沙。お前さんは騙されてるぞ。あれだけはっきりとした証拠写真があれば魔理沙だって言い逃れはできない」
「甘いぜ。そこはしっかりと淑女協定を結んであるところだしな」
「そうです、約束は守りますよ」
「・・・一応確認しておくけど、その約束は『取材に協力したら魔理沙は答えなくてもいい』ってものじゃないのか?」
「ああ、そうだ・・・ぜ?」
・・・・・・・・・

「つ、次の方との約束の時間が迫ってますのでそそそろそろ失礼します!」
「魔理沙! 逃がすな!」
「おう! マスタァァァーーー」
げ。
「そ、それは止めろ、止めるんだ」
「スパーーーーーーーーーーーク!!!」
ここは店内だーーー!!

「ケホッ、ケホッゲホケホッ」
「ケホッ・・・○○・・・掃ケホケホッ・・・除してるのかよ・・・ケホ」
そういう問題じゃないだろ、と言い返す気力も無い。
膨大なエネルギーの余波で舞い込む突風、好き勝手に飛び回る埃、木片、土煙。
店内の品はどのくらいが無事だろうか。
無理矢理に顔を上げ細目を開けると、原形の一部すら留めていない入り口と抉られた森の木々。
そして星の大きさになったマスタースパーク、と恐らくは新聞記者。南無。
「生きてるか? ほら、これを鼻にあてときな」
手渡されたハンカチを大人しく顔に当てる。
さっきも感じた柔らかい匂いが鼻に刺激され、思わず大きく息を吸い込み、
「げほげほげほっげほぁ!」
盛大に咳き込む。乾いたハンカチでは細かい塵を防ぐことはできないようだ。
「何やってるんだ、外に脱出するぜ」
そう言う魔理沙に手を取られ、何とか外へ出る。

しかしなぜ魔理沙は平気なんだろう?
そう思って顔を上げると八卦炉を顔に当てている魔理沙が見える。
自分の顔の周りだけ綺麗な空気を作ってるのかよ、きたねー。
しかし。
「・・・・・・・・・くっ」
「おい、○○、大丈夫か?」
思わず屈みこむが、視界には覗き込む魔理沙の顔。
「・・・・・・・・・・・・ぅぷっ・・・」
「○○、しっかりしろ! 傷は浅いぞ!」
やめろ、そんな真剣な顔をするな。
駄目だ。
「・・・・・・・・ゎあはっははははははもう我慢できないっなんだよその顔ははっは!」
「・・・っ!」
緊張を強いられてきたせいか、どうでもいい事で笑えてくる。
「人の顔を見て笑うとは随分失礼なやつになったもんだな」
「ははっはっ・・・いやだって・・・クク・・それおかしっぷははっ!」
笑えば笑うほど魔理沙の表情が硬くなっていくのが分かる。
「それ以上笑うとノンディレクショナルレーザーだぜ?」
「・・・ごめっ・・・うひっっとめようとして・・っ・・・・もとまらなひっ・・・いひっ・・・ひっく・・・」
しかし笑いの発作は止まらない。
涙で視界が歪む。魔理沙は今どんな顔をしているのだろう。
「お前こそ、鼻水までたらして・・・っ・・・ひどい顔だぜっははは!」
笑い出した。笑いは伝染するのだろう。多分、きっと。


静かなようで賑やかな森の中、仰向けに寝転がる二人。
「なぁ○○」
「ん?」
「さっきの告白は本気か?」
「そう言う魔理沙は?」
「今度は私が先だぜ」
「ん~・・・秘密」
「なら私も秘密だぜ」

・・・・・・

「魔理沙」
そう言って体を起こし、
「ん?」
私は魔理沙の顔を覗き込む。
「たまには秘密を共有してもいいと思わない?」

「・・・そうだな」

終わりよければすべてよし。
過程や方法なぞ、どうでもよいのだ。

4スレ目 >>352-354

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七月七日、七夕当日。
星を見ながら寛ぐ予定だった丘に着いたはいいのだが。
「…やれやれ、分厚い雲だな…。
どうする、魔理沙。折角用意した竹と飾り、無駄になりそうだが。」
「ん?無駄にするわけ無いじゃないか。」
「まぁ、そうだな。曇り空だが雰囲気だけでも…」
「なに言ってるんだ?ほら、乗れ乗れ。」
疑問符を浮かべる俺を無視して、
指さすのは二人乗り用と言っていたデカい箒。
「…雲の上まで飛んで行く気か?」
「それもいいんだが、それじゃ私ら位しか楽しめないしな。
たまにはパーっと行くのも悪くは無いだろ。」
「???」
俺には彼女の真意がよく分からなかったが、
逆らってもいいことは無いと言うことだけは分かっている。
と言うわけで、素直に指示に従うことにした。



「よし、竹持ったな?…行くぜ!」
思い切り地面を蹴ると、ふわりと箒が浮き上がる。
重力を魔力で制御しているのか、全く落ちる気配はないが。
そして下を見回してみて、一瞬呆然とした。高さに、ではない。
「…おいおい、ありゃ何だ?」
川の方に見える、「地上の天の川」。
不思議としか言えない光景に魅入っていると、
「ああ…成程、蛍か。へぇ、あの蛍の妖怪もけっこうやるもんだな…」
「ん、知り合いなのか?アレをやった奴と。」
「ま…ちょっとな。」
雲の層の真ん中あたり。
死にそうなほどジメジメしていて気分が悪いことこの上ない。
「さて、そろそろ頃合か…」
「…なあ、何をする気なんだ?」
「なぁに…ちょいと頼まれてな。
盛大に行くぜ、魔符…「ミルキーウェイ」ッ!」
…ああ、そうか。
雲を吹き飛ばすにしても、何でそれかって。
…天の川、か。


「…なあ、魔理沙。」
「ん?何だ?」
「頼まれたって…誰にだ?」
「さてな?その答えは…ほら、アレが語ってるぜ。」
「アレって……へ?」
ふわりふわりと舞う白い…「雪の結晶」。
「夏に…雪?」
「どうやら、七夕の願いは通じたようだな。
やれやれ、冬の妖怪に会えますように、か。無茶な願いをしたもんだぜ。」
「…あの氷精…か?」
「いんや、その保護者。…いや、あの雰囲気からするともちっと親密かな?」
笑いながら言う魔理沙の頭をぽんぽんと叩く。
「何だ、結構いいとこあるじゃないか。」
「えー、と…いや、それはだな…」
急に口ごもる魔理沙。
「…? どうした?」
「その…お前と一緒に見たかったし…チルノの件は、あくまでついでだ。」
「…魔理沙。」
「…好きだぜ♪」
そしていつもの悪戯っぽい笑みを浮かべると、そのまま抱きついてきた。


幻想郷の空の上、天狗さえも与り知らぬ小さな空間。
雲の上の本物の天の川。
雲を蹴散らす光の天の川。
川を飾る地上の天の川。
3つの天の川を見渡す箒の上、今宵は二つの影が重なっていた。

4スレ目 >>630

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こんなんでました~
「なあ、俺と1対1の勝負をしないか?内容はどっちが相手をより幸せに出来るか…だ」→魔理沙

4スレ目 >>688

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「ホンの少しでいい、お前の努力する姿を 俺に見せてくれないか」→魔理沙

4スレ目 >>824

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「…ガラクタ置き場?」
入り口の扉をくぐった途端、そんなことを口にせずにはいられない光景が広がっていた。


昨晩遅く、そこそこ大きな地震があった。
いくら幻想郷とはいえ、考えてみればどこぞの空中都市宜しく空に浮いているわけではないので、地震が無い筈はない。
幸いにも元々物の少ない我が家は、皿が数枚落ちたくらいで大した損害は無かった。
しかし、傍から見ても明らかに物が「有り過ぎる」知り合いのあの家は酷いことになってるんじゃないか?
…と思い、朝一で駆け付けて来たワケである。

「魔理沙ー、生きて…うおっ!?」
居間に続く扉を開けた途端、目の前に現れるガラクタの山、やま、ヤマ。英語で表すとMountain、独語ならBergeか。
足の踏み場も無い、という形容があるが、この状況はもはやその域を超えている。そもそも人が入れるのだろうか?
…まぁそれは置いといて、先ずは生存者の確認だ。
「おーい、魔理沙ー、生きてるかー、返事しろ~…」
「うぉーい、ここだここー」
…累々と重なるガラクタの中に、トレードマークの帽子が動いているのが見えた。

「…凄い状態だな。まるで『ゴミ屋敷』だ」
「人が必死に集めたものを『ゴミ』の一言で片付けてくれるとは、お前なかなか酷い奴だな」
「そう見られたくなかったら片付けろよ。いくらなんでもこりゃ…」
おそらくこの状況を見たら、10万人中の99999人は俺と同じ感想を持つのではないだろうか。
使っているのか否かも解らない、膨大な数の魔導書
同じく使用の有無が知れない、怪しいマジックアイテムの数々
見るからに危険な色をした薬液の入った硝子瓶多数
以前強引に食させられ、見事に脳内が幻想色に染まったキノコ
外界から流れてきたという、「のーま○ど」という名前の対小昆虫用殲滅用物体
同じく外界産の、長さが俺の胸の高さまである「ばすたーらいふる」とかいう火縄銃の親玉みたいなもの
「香霖堂」と書かれた暖簾
何故か背中に「千客万来」と書かれたタヌキの置物
米俵
金属バット
…そんな諸々の物が、地震の所為で所狭しと無秩序に転がっている様はまさにカオスである。

「…で、ここまで来てくれたからには当然私の手伝いをしてくれるんだよな?」
「あ、俺自分家の片付けしなきゃなんねぇや。それじゃ頑張ってn」
「手伝ってくれるよ、ナ?」
「喜んで手伝わさせて頂きます御主人様」
手の平にスパーク現象らしきものを確認したので、即座に従うことにする小心者の俺。
これだけのガラクタをどう片付ければいいんだという気はしたが、そのことを口に出すと即座に消し炭になりそうなので黙っておく。
「宜しい。ではさっそく仕事に取り掛かるとしますかね」
「(やる気無い表情で)お~…」


「なぁ、この本はどこに片付けるんだ?」
「それか? それは…そこらにでも置いておいてくれ。私が後で何とかする」
「…その台詞、今ので何回目だ? 結局物が別の場所に動いただけなんだが…」


「おい、これは何だ?」
「あぁ、その本は…」
「(ガブッ)ミギャァァァァス!!」
「…開けた人を襲う魔法生物なんだなコレが」
がじがじ


「…おい、これって…」
「ん?…うわわわわわわ!? 見るな触るなその手を離せバカッ!」
「…お前、こんなものも身に着けてるのな…」
「だから離せって言ってるだろう! まじまじと見るなー!!」
「ちょ! 室内で魔砲とかそれだけは止めt」
どっかーん



そんなこんなで数時間…


「(ぐりぐり)…あーそこそこ…うー効く効くー…意外と上手いなお前」
あれから粗方片付いた(魔理沙基準)ということで、俺達二人は休憩を入れることにした。
で、何故かこうやって魔理沙の肩もみをさせられているわけである。…まさか俺って良い様にコキ使われてる?
「どうだい、私の専属マッサージ係にならないか?三食居住地、昼寝つきだ」
「魅力的な誘いだが、遠慮しておくよ」
「遠慮なんかするな。私は大歓迎だぞ」
…誘っておいて、その実雑用とかキノコの試食担当とかさせられそうだから嫌なんだよ。
「…まぁ良いか。それより一つ頼みがあるんだが」
「代わりに片付けて欲しいとかいうのは無しだぞ」
「疲れたから座椅子代わりになってくれ」
「それならお安い御用…なんですと?」
返答の暇も与えず、こちらに背を向けてもたれかかってくる魔理沙。
「はー極楽極楽…カンロカンロ」
そのままぐりぐりと後頭部を押し付けてくる。
「…あのー、魔理沙さん?」
「んあ? 休憩時間休憩時間。気にするな」
「いや気にしてるのはそういうことじゃないんだが…まぁいいか」
これ以上ツッコむのは不毛だと思ったので、おとなしく彼女に従うことにした。
両腕を腰に回し、もたれ易いよう軽くこちらに引き寄せる。
「…あまり私が魅力的だからといって、悪戯するなよ」
「誰がするか誰が!?」
「そんなこと言って、手は既に私の胸を揉みしだこうと用意万全なんだろう?」
「そんな在るか無いか判らないもの誰が…痛たたたたた俺が悪かった許してくれ!」




「…で、俺はいつまでこうしておけばいいんだ?」
「ん? …私の休憩が終わるまでかな」
「それって…今日中ずっとってことになるのか」
「そうなるかも知れないぜ」
「…ハァ…」
…駄目だな、口先では彼女に敵いやしない。ここも素直に従うことにしようか。
「…魔理沙」
「ん、何だ今度は」
「可愛いよ」
「…おだてたって、私は何も出しはしないぜ?」
「いや、本心だから」





因みに、その頃階下では
「魔理沙ー!これどこに仕舞えばいいのー?
…ったく、何してるのよあの野魔法使い。聞く耳も持ってないのかしら…」
後片付けに強引に借り出され、上の状況も知らず独り黙々と片付けを進めている人形遣いの姿があったそうな。



恋人というよりは悪友ライク、それがMy魔理沙像。あんまりそれっぽく見えないか?

4スレ目 >>873-874
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