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霊夢20

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orz1414

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■霊夢20


「おーい、邪魔するぜー」
呼びかけても返事はなく、勝手にあがらせてもらうことに
家の中を歩き回る
境内にはいなかったし、出掛けてる感じでもなし
廊下を歩いていると、ガラス戸が曇っているのが見えた
確かここは
戸をあける
そこにはヤドカリのように、炬燵を背負って寝ている霊夢がいた

「おーい、風邪引くぞー」
頬をつついてみるが反応はない・・・やらかいな
「起きろコラ」
耳に息を吹きかけてみる
少しぴくっと動いたようだが、起きない
「霊夢さーん、起きてくださーい、悪戯しちゃいますよー」
・・・
唇を触ってみた
指には柔らかい感触、込めた力に比例して歪む唇の形が何とも
「・・・ほんとに起きねーな」
耳たぶを噛んでみた
「んっ」
霊夢の声に驚いて飛び退く
起きる気配はない
「・・・この状況は・・・すごく興奮するっ」
調子に乗ってみることにする
服の下に手を差し込む
「さらし巻いてんのか、そんなに胸ないだろ」
さらしを緩め、直接肌に触れる
炬燵に入ってるせいか、彼女の体は火照っていた
外から来たばかりの俺の手は、冷たい
「あったけー」
しばらく彼女の胸部をいじくり、手をあっためた
「んっ・・・んっ」
「おいおい、変な声出さんでくれよ、変な気分になっちまうぜ」
と言いつつ今度は彼女の下腹部に手を這わせる
霊夢の体がびくりと動いた、恐る恐る彼女の顔を見てみれば
「あれ・・・○○?」
「れれれ霊夢さんオハヨウゴザイマス」
まだ寝ぼけているのか!今なら逃げきれる!!
「・・・!?」
ちっもう状況を飲み込んだか、さすが弾幕ごっこの達人!しかし俺もこんなところで
手首と足首にぺたりと札が貼りついた
「あ?」
なんだこれと思う暇もなく、磁力にひかれるように、壁に貼り付けにされた
「ぐっ・・・霊夢さん、これにはいろいろな理由がありまして」
彼女はゆらり、と立ち上がると、俺に向かい、札を構えた
「さらしもいらない胸には興味なかったんじゃないの?」
「いやぁ、あの場は照れ隠しと言いますか、実際は」
「・・・私が寝ている間、どこまでやった?」
殺気というのをはじめて肌で感じた
「ははは、股に違和感なければそこまでいってないってk」
すこん
横目で見ると壁に札が刺さっている
そして少し遅れて、頬でも切れたのか、畳に血が一滴、落ちた
「札ってそういう物理攻撃もできるんだな、一つ詳しくなったよ」
「遺言は、それでいいのね?」
遺言、つまり言いたいことすべていってしまえと
「良い訳有るかボケー!て言うかお前が無防備に寝てるのも悪いだろ!そんなかわいい顔で寝てたら悪戯しない男はいませんよ?それに巫女服エロいんだよ!さらしもチラチラエロいんだよ!!」
「う、うるさい!私はエロくないわよっ!?」
「それはないわ、お前がエロくて可愛くなかったら俺はこんな状況になってないしねっ!」
霊夢は動揺している!
このまま何とかなるかもしれん
「というか!好きでもない相手にこんなことしませんからっっ!!」
霊夢は目を見開いている、固まって動かない
よし、逃げよう
札にかかった術を解いて、一目散に神社の外へ
と、3歩ほど踏み出した瞬間。天地が逆転した
「??」
霊夢に投げられたらしい、息苦しい
俺はマウントポジションをとられた
パウンド!?殺られる
ガードもむなしく、俺の顔面には岩より硬い霊夢のこぶし
ではなく、何か柔らかい何かが唇に
おおこれは予想外だ、まさか
「・・・順番って、あるでしょう」
「・・・つまりさいしょは口付けからでないとダメと?」
彼女はそっぽ向くと、小さくうなずいた
後ろから見ても、耳が赤く染まっているのがうかがえた
あー、あの耳なめたい
「!?今変なこと考えなかった?」
「い、いや、なにもない」
彼女はため息つくと炬燵を切って、戸をあけた
「うおっ、寒い!」
霊夢はマフラー?を巻いてまるで出かけるよな格好だ
「出掛けんのか?」
「ん、行くわよ」
「え?俺も?」
言われるがまま、彼女にひきずられて

博麗神社階段下
「どこ行くんだよ」
「あんたが決めなさい」
当然、といったように彼女は言った
「なんで俺がだよ」
「男なんだから、エスコートしなさい」
ぼそっと、デートなんだから、と聞こえた
正直に言おう、彼女が何を考えてるか、さっぱりわからない
もうほんと、思考回路がわからない
ただ、今の彼女が非常に上機嫌であることは、理解できた
「じゃあそうだな―」
俺は霊夢の手を握り、日も暮れようかという町に歩みだした



終ワル

>>新ろだ353

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もう春だってのにこの寒さ。
ついつぶやいてしまう。

「寒いな。」
「あたいは寒いの好きだけどね。」

俺の腕の中で丸くなっている氷精はそんなことを言った。

「俺は寒いの嫌だけどな。」
「じゃあ、あたいのこと嫌いなの?」

涙目になりながら上目遣いでたずねてきた。
・・・これには弱いな。

「いや、チルノのことは好きさ。大好きだ。」
「じゃあ、それを証明して見せてよ。」

まっすぐに俺の目を見てくる。
頬はわずかに赤い。

「いや、ここは人が多いし、みんな見てるし、なにより恥ずかしい・・」
「あたいは別にいいよ。」

今は神社での宴会の真っ最中。
恋人と来てる奴もいるけど抱き合ってるのは俺達くらいだ。
これだけでも恥ずかしいってのに。

「や、正直恥ずかしい。」
「やっぱり・・・・・」

ん?

「やっぱり○○はあたいのことなんて嫌いなんだ・・・」

ちょ、ちょっと待て何を言ってるんだ。
俺がお前を嫌ってるはずないだろう!
考える前に口が動いていた。

「ちょ、ちょっと待て何を言ってるんだ。
 俺がお前を嫌ってるはずないだろう!」
「じゃあそれを証明してよ!!」
「う。そ、それはちょっと。時と場合をだn「○○のバカ!!!!」

凍符「パーフェクトフリーズ」

スペルカードで宴会を滅茶苦茶にした後、チルノは飛んでいった

俺は

  1 チルノを追う
  2 このまま宴会を楽しむ 
→ 3 せっかくだから紅白ルートにすすむぜ


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っは!なんだ今のノイズは!



チルノは行ってしまった。しかし、追うに追えない。追う手段が無いから。
夜道は危険だし、宴会も終わりだし、家は遠いし、眠いし、春だし、
今晩は神社に泊めてもらおう。

「お~い霊夢~今夜は泊めてくれ~」
「へ?ああ、別にいいわよ。」
「マジか!?ありg「その代わり、宴会の片付け手伝ってね♪」
「ですよね~」

この世においてタダとうのはありえないのである。




その頃、どっか。


「うん。そうね。やっぱり謝らなきゃ駄目よね。」

そう、悪いのはあたいだ。
○○は何も悪くない。あたいの我侭がこんな状況を作ってしまったのだ。

「よし! ○○に謝ろう!」

やっぱあたいが謝らなきゃ駄目だ。
そして、○○に物分りのいい大人のレディな側面をみせてやるのよ!

「この時間だと、○○は家ね」

宴会は滅茶苦茶になっている。あの状態で続けられるはずが無い。

「よ~し、待ってなさいよ、○○!」




一人の氷精が夜の空に飛んでいった。






「ふ~、これで終わりか。よっと!」
「そうね、ご苦労さま。」

宴会の片付けを終わらした。後は寝るだけだ。

「よし、もう遅いしもう寝るか!」
「そ、そうね。それで、そのことなんだけど・・・
 あの・・・その・・・まだ寒いし・・布団はひとつしかないし・・・」
「ん?ああ、野宿じゃなければ別にいいよ」
「ち、違うの!そうじゃなくて・・・・
 布団が一つしかないから・・・一緒に寝よ・・・・?」

今なんと仰いましたかこの娘さんは!?

・・・・・でも赤面する霊夢が少しだけ可愛いと思ったのは内緒である。







時速30kmの安全飛行で、あたいは○○の家に突っ込んだ。

「痛たた、お~い、○○~?」

返事が無い。どうやら留守のようだ。

「おかしいわね、この時間なら家にいるはずなのに」

今は相当遅い時間。妖怪が活発に活動する時間でもある。
その「妖怪」という単語が最悪の方向に想像を駆り立てる。

「そんな、筈は無い、絶対に。」

ありえない。そんなことを考えるなんて○○に失礼だ。

「は、わかった○○は神社にいるんだ!」

なんという閃き! 体は子供でも頭脳はさいきょうね!

「そうと決まれば、待ってなさいよ○○!」

穴の開いた天井から外に飛び出す。


一人の氷精が分速5000mの速さで神社に向かって行った。


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・・・ふぅ。まずは状況を確認しよう。なぁ?兄弟よ。
俺は今、霊夢と同じ布団で寝ている。
向かい合うようにして霊夢に抱き枕にされている。

・・・幸せな状況なんだろうけどさ。素直に喜べないよ・・・

「すやすや」

ベタな寝息をたてて気持ちよさそうに寝ている。
寝顔は・・・・・・可愛い。

「はぁ~」

霊夢を起こさないように小声でため息をついた。

「・・・んぅ?」
「は!」

不覚。どうやら起こしてしまったようだ。

「あ・・・○、○。」
「よ、よぉ・・・ははは。」
「ん~えへへ~。嬉しいな~。」
「は?」
「だって、こんなにも近くに○○がいるんだもん。そりゃ嬉しいよ。」
「ははは、そ、そうか。」

まずい、落ち着け俺!そうだKOOLになれ!KOOLになるんだ○○!
・・・よーし、冷却完了。俺は○○。フリーの幻想人さ!

そんな無駄な思考をしてる間に霊夢は更に顔を近づけていた。
近い近い近い近い近い。マジで近い。

「すぐそこに○○がいる。すぐ近くに○○を感じられる。
 私、今が一番幸せ。」
「そ、そうか」
「ねぇ○○。」
「はイ」

声が裏返った。結構大きな声だった。近所迷惑にはならないだろうか。

「落ち着いて聞いて。」
「あ、ああ」

落ち着け俺。

「私は、」

気がつけば霊夢が俺を押し倒してる状況になっていた。

「あなたが、」

顔が近い。吐息がかかる距離だ。

「好き」

不意に口を柔らかな感触が襲った。
キスと気づくのに2分の時間を要した。

そこへ、

「○○はここね!」

襖を開けて、チルノが飛び込んできた。



さぁ、俺はいつ死亡フラグを立てたのだろうか。
そして俺はこの状況をどう切り抜けようか。

夜はまだ長い。



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さあ、まずは状況の確認だ。なあブラザー?
俺は今、霊夢に押し倒された状態でキスをされている。
そして、それを恋人のチルノに見られた。

賢明な兄弟達ならこれから俺がどうなるかわかるだろう?


「あ、や・・・これは・・・」

霊夢から顔をはなして声をしぼり出す。
我ながら情けない声がでた。

「・・・・・・」

対してチルノは無言。今にも泣きそうな表情で終始無言。

いつだったか、チルノが俺に言った
「あたいはさいきょうだから、絶対に泣かないの!」
という台詞を思い出した。

「チルノ・・・」

霊夢の手を振り解き、チルノの方を向く。

「・・・」

泣きそうな顔でやはり無言。

いっそ「バカ!」とか「嫌い!」とか罵倒してくれた方がスッキリするだろう。
だから、無言というのが逆に辛い。

「・・・っつ!」

顔を歪め、部屋から走り去って行った。

「チルノ!」

立ち上がり追いかけようとするが、それは叶わなかった。

「行かないで!」

霊夢の手ががっしりと俺をホールドしていた。
動こうにも動けない。女の子なのに信じられない力だ。

「行かないで、お願いだから私を独りにしないで!
 一度目はどうにかなった・・・。
 でも、二度目はわからないの。だから、置いて行かないで・・・。」

博麗の巫女とかなんとか言われてるが、目の前にいるのは紛れも無く、
博麗霊夢という、一人の少女だった。

「あなたが行ってしまうのが恐い・・・」

肩も声も震えている。

「霊夢・・・」


チルノは大事な恋人だ。だから放ってはおけない。
大事な存在だからこそ今すぐ追いかけて謝らなきゃだめだ。
いや、謝るだけじゃ駄目かもしれない・・・。

対して霊夢も大事なのは変わらない。放っておけない点では一緒だ。
幻想郷に初めて来た時に右も左もわからない俺を救ってくれたのは霊夢だ。
そんな人が泣いているのを置いて、俺はここを離れられるのか・・・。


さあ、選択の時だ。


俺は・・・


------------------------------------------------------------------


「霊夢」

泣きじゃっくている霊夢に精一杯の優しさで声をかける。

「ふぇ?」

上げた顔は困惑の表情を浮かべていた。

「俺はチルノを追う。」
「っ・・・!」

だから、そんな泣きそうな顔をしないでくれ。

「そんな顔するな。後勘違いしてるんじゃないか?
 俺はお前を独りになんかしない。
 俺とあいつの間で決着をつけたら、また帰ってくる。
 だから、そんな顔はするな。」
「・・・約束する・・・?」
「ああ。約束する。」

指きりなんて何年ぶりだろう。

とにかく、決着をつけなきゃ駄目だ。
俺自身のためにも二人のためにも。
決意を新たに夜の神社を後にした。



チルノを見つけるのにたいして時間はかからなかった。
神社からそう遠くない、森の中の小さな広場に彼女はいた。

「チルノ!」
「っ!」

振り向いた顔はグシャグシャに濡れていた。

「なんでっ、なんで来たのよぅ。ぐすっ、えぐっ、」
「決着をつけに来た。俺のためにも、お前のためにも、あいつのためにも。」

そう。俺は決着をつけるためにここに来た。
こうなってしまった原因は俺にあるのだから。

「チルノ。俺はお前が好きだ。
 それは今までもこれからも変わらない。絶対だ。命をかけてもいい。
 けど、こうなっちまった以上は責任をとらなきゃ駄目だ。」

これ以上は口に出すのが辛い。

「だから、」

逃げるな。その先を言え・・!

「もう、別れよう。」

月明かりのおかげで僅かだがチルノの表情を見て取れる。
どんな表情だったかは・・・ここでは言うまい。

「・・・そう。やっぱ、あたいは独りになっちゃうんだ。」

カチンときた。なんで幻想郷の住人はこうなんだ。
なんでこんなにも勘違い野郎が多いんだ。・・・二人だけど。
とにかく、この勘違いさんに腹が立って大きな声を出していた。

「あーもー、なんでお前も霊夢もそうなんだ! この勘違い娘!
 だ・れ・が、お前を独りにするなんて言ったんだ!?
 確かに、恋人同士って言う関係は終りだけど、終わった後も俺達は親友だろ!
 友達が友達を独りにするなんて思ってんのか! このバカ!」

大きな声どころか派手に怒鳴ってた。

「○、○」
「いいか!絶対に俺は俺の周りの奴らを独りにしない!
 それは、お前だって例外じゃないんだ。」

そう、絶対に独りにしない。絶対に。

「じゃあ、じゃあ、あたいの事は嫌いなんかじゃなくて、」
「お前の壮大な勘違いだ。」

ま~た泣きそうな顔しやがって。だから泣くなって。

「っう、ぐすっ、よかっだ、よかっだよ、よがっだよー。
 うあああああああああああああ」
「こら、抱きつくな!」

泣いている。盛大に涙を流しながら、抱きついてきた。
それを優しく受け止めてやる。

・・・みんな意地張ってるんだけどこんなに弱いんだな。

「ねぇ、○○。お願いがあるんだけど・・。」
「うん? なんだ?」

いつの間に泣き止んだのか、上目遣いでこちらを見上げている。

「・・・その・・・キス・・・して・・。」
「・・・」
「○○と私の恋人としての最後のキス。
 あの時できなかった分を今、して。」
「・・・わかった」

あの時というのは紛れも無く宴会の時のだ。

「ん」

チルノは目を瞑り、顔を上げている。
ここでキスをすれば、チルノとの恋人の関係は終わりを迎えるだろう。

「んっ」

躊躇い無くその口に自分の口を重ね合わせた。

恋愛関係の終わりを告げるキス。
友達関係の始まりを告げるキス。


月の下、永く優しく、二つの影は重なっていた。 

月は既に沈んでいる。夜明けは近い。




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チルノと別れた後、神社に着いたらもう夜は明けていた。

「ふぁーあ、ん~」

大きな欠伸がでてしまった。
昨日は一睡もしていないからな。

「あら、お帰り」
「ん?あぁ、ただいま」

出迎えたのは霊夢だ。
てか、神社には霊夢しかいないし当たり前か。

「朝まで帰って来ないんだもん。
 心配しちゃったじゃない。」
「悪い」

朝まで帰ってこないか。
考えてみれば、もうそんなに時間がたってるのか。

「ご飯食べてないでしょ?
 用意するから待ってて」
「あ、いや、いいよ。
 昨日は世話になったし、もう帰るよ」
「む」

何が癪に障ったのか、霊夢は眉間に皺なんて寄せている。

「・・・ったじゃない」
「は?」
「独りにしないって言ったじゃない! もう忘れちゃったの、バカ!」
「あ」

そういえば、そんなこと言ったな。
勢いで言ったからすっかり忘れてた。

「私を独りにしないんでしょ!? 約束を破る気!?」
「あ、や、それは、」

何も言い返せない。

「このバカ! バカ! バカ! バカァ!」
「落ち着け霊夢! 後、陰陽玉投げんな!」

御符やら、陰陽玉やらを避けながら霊夢をなだめてみる。
が、効果は無し。

「わかった、落ち着け!
 約束は守る! 独りにしない!
 だから、一緒に神社に住もう、な?」
「!」

苦し紛れの一言。通じるか!?


当たる直前に陰陽玉や御符が消えた。
・・・どうやら落ち着いてくれたみたいだな。やれやれ。

それにしても、今見えたのはスペルカードか?
危ない危ない。もう少し説得が遅れたら死ぬところだった。

「それは、本当?」
「約束は守るぞ」
「やった!」

そう言って、ガバッと俺に首に抱きついてきた。
どうでもいいが、霊夢の腕がいい感じに絞まってるため、生命が危うい。

「本当? 本当よね! 
 やった! やった!」
「うぎぎ、が、と・・りあえ・・ず、退いてく・・・れ。死・・ぬ」
「そうと決まれば、速く客間を掃除しなくっちゃ。
 ふふふ、今日は忙しいわね!」
「はや・・く、はな・・・して、ごふっ」

霊夢は俺の話なんて聞かずに子供の様にはしゃぎ続ける。
こうして見ると、年頃の他の女の子と全然変わらないのにな。
やっぱり、博麗の巫女である前に一人の少女なんだな。

「それで、式の日取りはいつにしようか?」
「ぐほっ」

腕をはなし、そんな事を聞いてきた。
気がはやい、以前に俺と霊夢は全然そんな関係じゃないだろ!
気がはやすぎる。

「おま、そりゃ気がはやすぎだ」
「なんでよぅ、私を独りにしないんでしょ?
 結婚すればずっと一緒よ?」
「だから、そういう問題じゃな・・・ん」

いきなりキスされた。

「ずっと、一緒でしょ?」
「ん・・・」

花のような笑顔ってのが一番しっくりくる笑顔だ。

ったく、そんな顔されちゃ、何も言えないだろうが。

「そ・・・だな。わかったよ、もう独りにしないよ、霊夢」

本心からでた答え。
この少女を独りにはしたくない。

「ありがとう。これからよろしくね、○○」
「こちらこそ」

ギュッと、お互いの手を握る。


今この瞬間から、俺の新しい生活が始まった。


日は昇り、幻想郷の新しい一日を迎えた。



                    end



~あとがき~
なっがい。長いよ。そしてやっと終わったよ。

これは現行スレにあった物を加筆修正して繋げた物なんだけど、
こんなに長くなるなら最初からロダにあげるべきだった。反省。

スレのみなさん、本当スイマセン。


最後は、こんな長文妄想に付き合ってくれたあなたに感謝。

>>新ろだ361

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 博麗霊夢の夫、○○。

 もはや夫と題している以上、いちいち恋愛の道程など必要もないだろう。

 博麗霊夢と普通に恋仲になり、季節の移り変わりと共に恋人から夫婦に昇格。

 そして結婚後から2年の月日が流れ周りから冷やかしを喰らうことも無くなった。

「ん~…」

 夕食時に霊夢が手に箸と茶碗を持ちながら少し首を傾け唸る。

「ほい」

 ○○は間を置かずに近くにあった醤油を霊夢に手渡した。

「ありがと」

 ご相伴に預かっている魔理沙は、それを黙って見て呟いた。

「…なんつーか、もう完全にツーカーの仲って奴か?」

「まぁなんだかんだで長いこと一緒にいるしな。夫として妻の考えてる事くらい分かるもんだよ」

 さもありなん、○○は事実を述べるように、ただ淡々と答えた。

 食後に○○はちらりと自分の湯のみを覗き、ややあって立ち上がろうとしたが霊夢が「はい」と急須の口を向けていた。

 それを○○は「ふむ」と一言いい自分の湯のみを差し出した。

「…お前らほんと、いつも思うけどさとりの能力でも手に入れたのか?夫婦専用の」

 これまたやっぱり食後の食休みをしていた魔理沙がツッコミを入れる。

「○○がお茶を飲む間隔から推測しただけよ?」

 まるで当たり前の事かの様に、霊夢が頷きつつ自分の湯のみにお茶を入れていた。

「あー、ダメだ。これ以上ここにいたら当てつけられるだけだ……私はもう帰るぜ!」 

 やれやれだぜ、と言いたげな表情で魔理沙は立ち上がり、返事を待たずにさっさと出ていってしまった。

「普段どおりにしてるだけなんだけどなぁ…どうしたんだか?」

 ○○は出ていった魔理沙の後を見つめぽつりと零す。

 そうすると霊夢は少し可笑しかったのかクスリと笑みを浮かべ○○の事を見つめる。

「なるほど…」

 それを見て納得がいったのか○○は感慨深く頷いた。

 つまりは二人の仲は以心伝心。

 相手の思いが伝わるから言葉は必要ない訳で、そこに魔理沙という他人が加わると会話が成り立たない。

 魔理沙からすれば静かな食卓で居心地が少々宜しくない、かといって別にご相伴先の夫婦の仲が悪い訳ではないからタチが悪い。

 会話を振れば答えが帰ってくる、しかし何が悪いかと言えば理解できない所。

 会話もなしに○○が霊夢の求める事を自然にやってのける。

 台所で洗い物をしてたはずなのに○○の求める事を霊夢が、これでしょうとばかりに当然のごとくやってのける。

 魔理沙からすれば訳が分からない。

 とは言っても魔理沙にとって、これが初でないのだが、それでも毎回繰り広げる二人の行動が脅威でしかないのだ。


「…別に霊夢と普段から会話してないわけじゃないんだけどな」

 魔理沙の考えが漸く理解した○○は、ここにはいない魔理沙に向かって言った。

「そりゃそうよ、○○の声くらい、ちゃんと聞きたいからね?」

 逃げるように帰宅した、どっかの誰かの閉め忘れた障子を閉めると、霊夢は○○の膝にするりと座り込んだ。

「勿論だとも、どんなに以心伝心だろうとも、言葉にしたい思いもある」

 目と鼻の距離にある霊夢の顔を見つめながら○○は、そっと囁くように言葉を発した。


「愛してるよ霊夢」

「私もよ、○○。愛してる」


 こうして二つの影は折り重なる様に一つになった。


 さてさて、これ以上はいかなる存在とて覗き見ることは叶わぬ事、残念ながら本日の業務は終了とさせて頂く旨。

 夜空の浮かぶ空間に開いた小さな隙間からぽつりと声がこぼれ、そうすると隙間は無かったかの様に消え去っていた。

 残ったのは零れ落ちた一言だけだった。

「おあついことで」

>>新ろだ413

───────────────────────────────────────────────────────────



霊夢とは最近いい関係になってきた。付き合ってはいない。
なかなか好きと言えないのだ。
向こうはどう思っているのかは分からない。

そこで来たのがエイプリルフール。それが今日だ。

このタイミングで、外の世界に帰るって言うとどうなるのだろう。
ちょっとその反応を見てみたいという軽い好奇心が走った。

本当に、それだけのつもりだったんだ。





俺だけじゃ信憑性が薄いから、紫にも協力してもらう事にした。
とはいえ、元々胡散臭いと評判で人選ミスのような気がしてならないが
どちらにしろ紫が口裏合わせてくれないとうまくいかない。

「というわけで、頼んだよ紫」
「本当にそういうのが好きねえ。ま、霊夢が慌てふためく姿を見るのも一興だわ。」
快く承諾してくれた。たぶん。




そしてその後、霊夢に言ってやった。


「へ??どうしていきなり・・?」
箒で掃いている手が止まって、キョトンとした目で言う霊夢

「色々考えたけど・・俺にはやっぱり帰るべき場所なんだと思うんだ・・
 だから紫に頼んだんだよ。今日、出るってお願いしに」

我ながら嘘くせー。すぐバレるなこりゃ。

「ふ、どうせエイプリルフールでしょ?もっとマシな嘘にしなさいよ」
そういって霊夢はまた箒で掃くのを再開した

ほらね。

「本当に紫に頼んだんなら聞けば分かることだわ、紫ー 出てらっしゃいー」

ズズズズズ・・
「は~いはい。呼ばれて飛び出て何とやらっと」

スキマからヌッと現れるこの絵はいつみても不気味だ。

「あら、○○居たのね、支度はもう済んだの?って今、挨拶中のようね」

「え・・?どういう事・・紫?」
よし、頼んでおいて正解だった。

「あら、聞いてたんじゃないの? ○○が今日外の世界に帰るって」
「え・・嘘・・冗談よね?○○・・?エイプリルなんでしょ?」

結構マジに聞いてきた。正直もうここで嘘ですって言いたくなっていたが・・
「だから本当だって・・月の頭に行くつもりだったんだから・・」

ちょっと本当に苦しく思いながら言ったせいで顔に出てしまったのが芝居に見えなくなったのか
霊夢の顔色がどんどん沈んでいくのが見えた。

「本当だったの・・」

「ああ・・だから、その別れを言いに・・」

うつむいたまま霊夢は言う
「・・ねえ○○・・紫・・」


そして余裕の表情の紫
「何かしら?」

「・・私も行く・・・。」

「(霊夢・・)」




「ふーん、それがどういう事か分かって言ってるのかしら。
 それはここでの役割を放棄するって事になるわよね?」



「そう・・だけど・・」
霊夢は今にも泣きそうだった。


空気が重くなってきた。もういいか、俺も見てて辛くなってきた。
それに、霊夢の気持ちも分かった。もう十分だろう。

打ち明かそうとした時、


「ねえ、○○、向こうに着いたら色々教えてね。おいしい店とか~あと楽しい場所とか~」
「な、紫!?」

紫はわざと霊夢に聞こえるように言った。


「・・それってどういう事・・?○○」

「(おい紫、そこまでしなくていいよ・・!)」
「ね?約束してくれたじゃない○○、食べ物以外にももっと色んなコト教えてくれるって」



まずい、さすがにやり過ぎだ。

「本当なの?○○・・・・。」


「い、いや・・」

「(紫、もういいだろ?霊夢はもう限界だぞ・・もう俺は嘘って言うぞ)」

「霊夢、実はな・・」

しかし紫に扇子で口を抑えられる
「(・・紫・・?)」



「ねえ、紫、アンタもここに居なきゃいけないんじゃないの・・?」

「私は両立くらいできるわよ。あなたは無理でしょ?出来る?」
「・・・紫・・アンタ・・。」

「・・ヤル気?いいわ。受けて立つわよ」

「おい、紫、霊夢・・」

「黙ってて○○、いいわ、勝負よ。」


「私に勝てたら、好きにしなさい。私もそれ以上干渉しない
 でも負けたら今回のことは諦めること。いいわね?」

「望むところよ」


何で・・・こんな事に・・・




――――
――








もうどれくらい経ったのだろう・・
二人とも息を切らせている。
すぐに嘘だと言えば良かったが、真剣勝負中にそう言えるわけもなかった。。

もういい・・もういいよ、何でこんな事で二人が争うんだ・・
全て嘘なのに。ただのエイプリルフールの嘘なのに。
どうしてこんな事になるんだ・・。



「・・まだよ、霊夢」

「紫、お前の負けだ、もうスペルカード切らしただろ」

それでもまだ続けようとする

「紫!お前自分でルールを無視する気か!?」

「・・・!」

ようやく紫は膝を付いて負けを認めた。

俺は霊夢に向かって走った。

「霊夢、すごく言いづらいんだが聞いてくれ・・・」
「分かってる、紫と一緒になって嘘ついてたんでしょ」
「!それを気づいててどうして・・」

「でも紫は本当に○○を連れて行く気だった。そうでしょ?紫。」
「え・・?」

「・・霊夢には敵わないわね。そうよ。」
「紫、どういう事だ?俺を騙したのか?」
「エイプリルフールよ。」

という事はあれか?俺は俺で騙されていたのか?

「それは本当に実行しちゃったら嘘にならないじゃないか・・」
「あら、エイプリルフールは嘘は良くても真実は駄目ってわけじゃないわ。」
「モ、モウイイデス・・頭痛くなってきちまった」

「紫に口裏合わすように頼んだけど逆にそれを紫に利用されてしまったわけね。
 まったく、人選を誤りすぎよ。騙そうとした人が騙されるなんて、あなたらしいわね・・○○」

「お前それいつから気づいたんだ」
「戦ってる最中にね。それまでは本当に私も騙されてたわよ。本当に厄介な行事ねえ・・」

「でも紫が俺を本当に連れて行く理由が分からないんだが・・」
「それは私があなたを霊夢に取られたく無かったからよ。」
「紫・・。」
「それだけじゃないでしょ紫。アンタ、私を試したかったんでしょ。だから私を挑発した。違う?」

紫はふっとため息をしながら言った
「霊夢が自分の役割を捨ててまで○○についていくと言った時、もうその時点で
 想いでは既に負けていたと悟ったわ。だけど私は諦めなかった。
 勝負をしてでも勝ち取りたかった・・。たとえ○○がその気じゃなくても、ね。」

俺は一人で混乱していた。
つまり、えーと・・ああもう訳ワカランッ

「まったく、相変わらずやり方が強引ね・・。らしいといえばらしいけど。」

「はぁ~、結局霊夢には負けたけど、おかげでスッキリしたわ。
 その、ごめんね。○○、霊夢。」

「・・アンタらしくて怒る気にもなれないわ。」
「紫、俺もごめん。その、知らなかったんだ・・」
「なーんで貴方が謝るの。悪いのは全部私よ。強引に誘拐しようとしたんだから。
 じゃあ、私はもう行くから、二人ともお幸せに~」

「あ、ちょっと待てよ」

そういう間もなく

ズズズズズズ・・・

と、紫は消えていった。



「・・・・。」
「・・・・。」



「霊夢、怒ってる?」
「怒っちゃいけないんでしょ?エイプリルフールは」
「まあ・・そうなんだけど。」

「分かったでしょ・・私の、あなたへの気持ちが・・」
「あ、ああ・・。しっかり受け止めたよ・・」

「でも、負けていたらどうなっていたんだろう・・。」

「戦いの時、紫はいつも以上に本気だったけど、
 もし私が負けていたとしても、紫は本気であなたを奪ったりしなかったと思うわ。」
「どうしてそう思うんだ?」
「しん・・紫だからよ。」






翌日



「霊夢、今日は料理対決よ。どっちが○○を満足させれるか、フフフフ。」

「ほんっとに懲りない妖怪ねあんたは・・」

「・・・・まったくだ。」

「いいわ、受けて立つわ」

「立つのかよ。」

「伊達に長生きしてないって所を見せてあげるわ!」

「(こっそり帰ろうかな・・。)」


終わり。
エイプリルって思い出して帰りの電車の途中に思いついたのをそのまま書いたからgdgdだけど許してくだしあ

>>新ろだ430

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今日はエイプリルフール!そこで何か恥ずかしがらせる嘘を霊夢につきたい。
たったそれだけだった。

「なぁ、霊夢」
「んー?」
「霊夢とエッチな事したい」
「……へ?」
「だから、霊夢とエッチな事がしたいんだって」
「え、えええ、ええええ!?あうああうぅ…」
(えっちなこと…?えっちなことって…そ、そんな、○○と!?
 わわわわたしは別に○○が相手ならいいけど…な、なんで急にそんな事言い出したのかしら)
耳まで真っ赤に染める霊夢。
見ていて面白い。
(そ、そうだわ!今日はエイプルフール…ね…だ、だから…)
霊夢は、少し俯きながら、○○に答えた。

「ま、まだ…だめ…」


「うがー!どっちだー!!!」

>>新ろだ431
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