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レミリア4

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orz1414

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僕はあの日、あのお方に出会った。
時に優しく、時に怖い僕の最愛の人。
始めて会った時から僕はあの人にただ惹かれていた。
向こうではなんでも出来てしまった僕。
僕を変えたものの全てに……僕は感謝してます。







「○○、そっちはもう良いわ。こっちをお願い」

「はい。メイド長、じゃなくて……咲夜さん」

僕は今日もまた咲夜さんの手伝いをしていた。
この幻想郷に迷い込んできてはや1週間……なのかな?
とりあえず色々あってここ、悪魔の住む屋敷、紅魔館に住み込むようになってからは1週間か。
最初は少し大変だったけど、いつものようにすぐに慣れた。
一通り屋敷のことは覚えたし、もうお茶も満足いくレベルのが淹れられる。
一応従者では合格点を貰えるくらいの実力なんだ。
咲夜さんには全く勝てないけど。

「今日は他にやることはありますか?」

「……いや今はないわね。でもそろそろお嬢様が起きてくるから、少し休んでて」

「そうですか……では少し失礼します」

咲夜さんとは一応同僚兼上司の関係。
とは言っても咲夜さんはメイド長で、僕は一介の従者。
本来物凄い立場の差があるはずなのに、僕は特別扱いを受けている。
それは全て……僕がレミリアお嬢様付きの従者だからなんだよね……。






「○○、今日も外には出ていないわよね?」

「はい。レミリアお嬢様の言う通り、今日も一歩も出てません」

僕は何故か森で発見され、ここ紅魔館に連れてきてもらってから、レミリアお嬢様の命令で一度も外に出てない。
レミリアお嬢様の命令なら逆らう理由はなんだけど……一応疑問には思ってるんだけど、聞けないし。
他にも屋敷が騒がしい時には図書館やパチュリー様に近づくなとか……良くわからない命令が多い。
だから僕はこの幻想郷の森と、紅魔館しか見たことない。
でもまぁ問題ないかな?
僕はただレミリアお嬢様のお側に居られればそれで……。




























「レミリアお嬢様はお出掛け……少し暇だなぁ……」

実際レミリアお嬢様がいないと僕の仕事はないに等しい。
基本的な仕事をあんまりやると咲夜さんに怒られるし、図書館には轟音が鳴っていて近づけない。
だから今日は一日部屋でのんびり……してて良いのかなぁ。

「レミリアお嬢様……」

気付くと呟いてる我が最愛の人の名前。
あの日、幻想郷に迷い込んだ僕を救ってくれたレミリアお嬢様。
始めは確かに食料として確保してたみたいだけど……僕のあの言葉から突然変わった。
正直な所……僕がもう少し普通の感性を持っていたら……今ここにはいなかったんだろうな。
でも……僕はレミリアお嬢様との出会いを最高だと思ってる。







「人間。貴方は私に食われるの。覚悟は良い?」

そう言って木の幹に体を預けていた僕の前に一人の少女が立った。
対する僕と言えばきっとまねけな表情をしていたに違いない。
だって……始めて見たから……思わず声に出てた。

「……可愛い」








はっきり言って○○との出会いは最悪だった。
このレミリア・スカーレットに向かってあいつが放った第一声。
未だに耳に残って離れない。
この私に向かって、ただの人間に過ぎない○○が……あろうことか自分を食おうとしてる私を可愛い!?
正直、怒りを簡単に通り越して呆れがあった。
そして最後に出たのは興味。
私を全く恐れないこの人間……傍に置いたらどうなるか……興味があった。
だから館に軟禁状態にして咲夜に世話をさせてる。
どうやら○○は私のために働きたいらしく、従者にしてやったら妙に喜んでた。
……別に喜ばしたかったわけじゃないけど……まぁ喜んでるならそれで良かった。
でも流石にそろそろ限界か……パチェや咲夜、小悪魔や美鈴だけに○○の存在はわかってる。
そう○○は外の人間。
霊夢やあのスキマにばれれば外に帰る話が出る。
もう○○は私の物。
誰にも渡すわけにはいかないのだ……。

「収穫はなし……か」

霊夢の所にわざわざ偵察に来てみたが、霊夢は相変わらず。
特にバレてるようでもないし、感づいてる様子もなし。
こういう偵察は咲夜に任せようかと思ってたけど……何故か自分で来てた。
どうも最近の私は変だ。
○○のことになると、自分で確認しないと安心できない。
しかもこうやって早く帰って○○の顔を見ないと安心出来ない。
どうしたと言うのだろうか……この私が……。
だがこの時私はぬかっていた。
この運命を操る私なら気付くはずだったことを……私は気付いてなかったのだ。







「……困ったなぁ」

僕は心底困ってた。
僕はレミリアお嬢様から館から出ないよう命令を受けている。
でも……あの三人の見慣れない妖精の仕業で僕は今知らない森の中にいた。
紅魔館から出たことのない僕は正直な所外に出てしまえば右も左もわからない。
しかもただの人間である僕が飛べるはずもなく……完全に迷子になっていた。

「レミリアお嬢様に叱られるだろうな……命令も破っちゃったし」

僕は普通の人間だし、夜もだいぶ近づいてきた。
このままじゃ僕は妖怪に食われてしまうだろう。
でも……帰り道はわからない。
仕方なく僕は当ても無く歩くしかなかった。











「○○がいない!?」

「は、はいっ。見ても部屋に姿がなくて……今メイド達に探させています」

帰った私を待っていたのは、咲夜の○○不在の報告だった。
○○が逃げ出すとは思えない。
だが実際○○の姿はない……私の落ち度だ。

「くっ!!」

「お嬢様!?」

私は咲夜の静止の声も聞かず再び外に飛び出した。
もう夜になる……ただの人間である○○は妖怪の餌でしかない。
そんなことはさせない。
○○は私の物だ!私以外の奴に好き勝手にされてたまるもんか!







「はぁ……はぁ」

迷いに迷った僕は予想通り妖怪に追われていた。
しかも一匹どころじゃない。
走れば走るほどその数は増えていき、今はもうどんな数になってるか予想もつかない。
でも捕まるわけにはいかない……命が惜しいんじゃない。
でも僕の命を誰かに渡すわけにはいかないんだ!

「っ!!」

そんな僕に追い討ちをかけるかのように飛んでくる妖怪の弾幕。
だがあんなのはもう慣れた。
体が追いつくかはわからないけど、そんなの当たるはずがない!

「!!」

こんな人間に避けられているのが腹が立つのか、弾幕は更に激しさを増し、僕を打ち倒そうとしてくる。
でも弾幕をいくら厚くしてもパターンは一緒。
だから慣れている僕に当たるはずはなかった。
普通は当たらないはずだったのだ。

「が!?う……」

だが現実は違った。
僕の体の疲労は思ったより激しかったらしく、思ったような動きが出来なかった。
僕は弾幕を数発受け、地面に転がった。
あぁ……レミリアお嬢様から貰った執事服……汚しちゃったな……。
でも……執事服が汚れても逃げるのを止めるわけにはいかない……。
僕の命なんか惜しくない。
でも……この命はもはや僕一人の命ではない。
いやもう僕の命じゃないんだ。
僕の命はあの時救って頂いた、最愛の人……レミリアお嬢様の物なんだ!

「う……わぁぁぁぁぁ!!!」

僕は自分を奮い立たせるために叫び、また走り出した。
体なんかもうとっくに限界を超えてる。
妖怪の放った弾幕によって痛めた足や背中が酷く痛む。
それでも走らなきゃ……僕はレミリアお嬢様の所に帰らなきゃならないんだ……。

「う……うぐぅ……」

何度目か分からない転倒。
妖怪達は狩でも楽しむかのように僕が逃げるのを見ている。
でも好都合だ。
すぐに殺されないなら走れる。逃げれる。
でももう……僕の手足は言うことを聞いてくれなかった。
足が片方変な方向に曲がってる。
今かその前に転んだ時にやられたんだろう。もう感覚がなかった。
それに気付いた妖怪達はつまらなそうに僕に近寄ってくる。
あぁ……申し訳ありませんレミリアお嬢様……貴女に頂いたこの命……こんな妖怪達に散らされてしまって……。

「○○!!」

あぁ……レミリアお嬢様のお声だ……。
大丈夫ですよ……そんな泣きそうな声をしなくても。
僕は貴女様の物……どこにも……行ったりは……。











「……え?」

気付いた時には僕は知らない場所にいた。
白いベットに横たわる僕……そうか、ここは僕の世界の病院に似てるんだ。
紅魔館にこんな所あったかな?

「気付いたみたいね」

「貴女は……」

「私は八意永琳。驚いたわよ。血相を変えたこの子が、貴方を背負って永遠亭に飛び込んできた時は何かと思ったわ」

「この子……?あ、あれ?レミリア……お嬢様」

近くの椅子に座った不思議な女の人、永琳さんの言葉でベットの重みに気付くと、上半身を起こしてみて見ていた。
そしてそこにはレミリアお嬢様が寝ていた。
服は乱れ、酷く疲れていたように寝ている……なんでここにお嬢様が。

「そういえば……僕は妖怪に襲われて……まさかレミリアお嬢様が助けて」

「見た所そうね。大事にされてるみたいで良かったじゃない」

「それは……嬉しいですけど」

永琳さんはからかうような目線で僕を見てくる。
でもどうやらまたレミリアお嬢様に命を救ってもらったみたいだ。
この……なんとも可愛らしい、僕の最愛の人に。

「ん……○○?」

「あら、起こしちゃったみたいね。私は少し出てるからごゆっくり」

「レミリアお嬢様……」

永琳さんは出て行ってしまい、僕はレミリアお嬢様と二人きりで残される。
レミリアお嬢様はまだ起ききってないらしく、まだ目が空ろだ。

「レミリアお嬢様……申し訳ありません。命令を……破ってしまって」

僕はもう一度名前を呼んで謝る。
だがあまりレミリアお嬢様から反応は返ってこない。

「僕の最愛の方レミリアお嬢様、僕はどんな罰でも受けましょう……僕は!?」

そこまで言った所で不意にレミリアお嬢様が僕に抱きついてきた。
僕は何も言えずに固まってしまう。

「……○○……なんで勝手なことした……」

レミリアお嬢様の強がるような、似合わない口調。
泣きそうなのを堪えているのが、僕にはわかってしまった。

「申し訳……ありません」

「許さ……ない。でも……生きてて良かった」

レミリアお嬢様はそう言うと、体を震わせてそのまま何も言わなくなった。
泣いて……いるのだろう。
レミリアお嬢様は優しい、だから……僕のために泣いてくれているのだ。
そう思うと、僕は自然に言ってしまった。

「大好きです……レミリアお嬢様」























結果だけ言えば僕の無謀なプロポーズは簡単に断られた。
従者の身である僕がレミリア様の夫になるのはダメなのだ。
でも僕は今でもレミリア様の隣にいる。
いやむしろ……あれからと言うもの僕の外出禁止の命は解かれ、逆にレミリア様が外に出る時に必ず付き添うようになっていた。
そして必ず毎日レミリア様はこう言うのだ。

「良い?必ず私に相応しい男になりなさい。これが……貴方に与える永遠の命令よ」

はい……レミリアお嬢様。

>>うpろだ537

───────────────────────────────────────────────────────────


「貴方、自分に能力があるの理解してる?」

「え……?」

それはいつものように神社の宴会にレミリア様の付き添いで来てた時だった。
前に元の世界に帰る話しをした(勿論断った)、えっと……たしか八雲紫さんが不意にそんなことを言ってきた。
えっと能力ってあれだろうか?あのレミリア様で言う運命を操る程度の能力とか言う奴。

「僕に能力なんてありませんよ。普通の人間ですし」

僕の言葉に紫さんは微笑を返してきた。

「貴方は理解してないだけ。前の事件だって貴方は能力を生かして生き残ったの」

「僕が能力を生かして生き残った?」

事件とは僕とレミリア様の距離が縮まったあの時のことだろう。
あの時は妖怪達の攻撃を必死に避けてたけど……。

「貴方の能力は全てに順応する程度の力って言えばいいかしらね。直接的ではないにせよ強力な能力よ」

「全てに順応する程度の能力……」

紫さんの言葉自体に僕は物凄く思い当たる節があった。
僕こと○○は自慢ではないが物凄い物事の覚えが良い。
例えばの話し、というか実話なのだけど……。
僕が紅茶を始めて淹れた時……その出来は酷かった。
だけど、次に淹れた時はまぁ飲めるレベルの紅茶が淹れられるようになっていた。
そして三度目……その時には僕は味に厳しい人でない限り大丈夫な紅茶を淹れられるようになっているのだ。
流石にそれ以上は無理だが、それが順応する程度の能力だとしたら納得出来る……かもしれない。

「でも僕に能力なんてあるわけが……」

「ふ~ん……ならなんで元の世界に帰りたいことをすぐに言わなかったのかしら?」

「それは……」

その紫さんの言葉に僕は返す言葉がなかった。
確かにレミリア様のこともある……だがそれ以上に僕は帰りたくない理由があったのだ。
僕はその順応してしまうことを心底嫌がっていたのだから。
外の世界で僕は……。

「○○!」

「え、あ!レ、レミリア様……」

僕は完全にぼんやりしていたようで、レミリア様に呼び掛けられて気付いた。
従者としては完全な失態だ。後で咲夜さんに怒られるだろうなぁ。

「○○、何をボーとしてるの?私が少し目を離してる間に何か……」

「いえ何もありませんよレミリア様……心配かけてしまいすみません」

「し、心配なんてしてない!た、ただ主として従者のことを……」

ふふ、顔を赤くして必死に言い訳をしようとするレミリア様は相変わらず可愛らしい。
まぁそんなことを言ったら怒られるから言えないけど。

「……では、僕のことを考えて頂いてありがとうございます」

「……○○。お前わかってて言ってるだろう?」

そう言ってレミリア様はそっぽを向いてしまう。
正直たまにこうやってレミリア様はからかいたくなる。
だってからかうと物凄く可愛いのだ。
咲夜さんが見てない所でしか出来ないが、実は僕の楽しみの一つだったりする。
まぁでもレミリア様がお優しいから許して貰える楽しみなんだけど。

「僕はレミリア様に大切に思われて、幸せですよ」

「○○……もう良いからそろそろ帰るわよ。少し疲れたわ」

「はい。了解しましたレミリア様」

実はという所……僕はもう空くらいなら飛べる。
レミリア様にずっと付き添うモノとして空くらいは飛べないと不便と言うことで、なんとか飛べるようになったのだ。
次は弾幕、その後はスペルカードと順々に覚えていく予定だ。

「咲夜も帰るわよ」

「はいお嬢様」

僕に続いて咲夜さんもレミリア様の背後に続いた。
というか普通僕の方が立場が下だから一番後ろのはずじゃ……。

「あの……」

「あなたを後ろにしたら誰もあなたを見張れないでしょ?」

僕の質問の意図がわかっているらしく、用件を言う前に咲夜さんが答えてくれた。
どうやらまだ僕はレミリア様を心配させちゃってるみたいだな……。
早く強くなってレミリア様に心配をかけないようにしないと……そのためにはパチュリー様に授業を増やして貰って……。

「○○?」

それに美鈴さんにも体自体を鍛えるの手伝ってもらおうかな。
効率重視ばかりじゃ偏っちゃうから……。

「○○!」

「え、あ、はいレミリア様?」

「さっきから呼んでるのに答えないとは良い度胸してるじゃない?」

僕はどうやら前を飛んでいた(これはかなり珍しい)レミリア様を怒らせてしまったようだ。
割と本気な怒気が目の前に、かなり本気な殺気を背後から感じる。

「すみませんレミリア様……レミリア様のことを考えていたらぼんやりしていたようで」

「え!?」

途端顔を真っ赤にさせるレミリア様。
怒気は一気にしぼんでいき、代わりに赤みだけが残る。

「自分でも注意はしているのですが、どうもレミリア様のことを考えると集中してしまって」

「え……あう……」

「従者としてこれではダメですね……以後気をつけるようにします」

「わ、分かれば良いのよ……分かれば」

そう言うのがやっとと言う感じでレミリア様はそう言って、そのまま先に紅魔館の方へと加速していってしまった。
不意に背後からため息が聞こえる。

「あなたわざとやってるでしょ?」

「何がですか?」

「……本人に自覚がないのか、それとも狙ってるのかわからないって始末が悪いわよね」

咲夜さんはそう言うと付いて来いとばかりに僕の手を取って加速し出した。
咲夜さんが言わんとしてることは何となく分かる。
でも仕方ないじゃないですか……あぁ言う時のレミリア様は凄く可愛いんですから。


>>うpろだ544


「○○の様子がおかしい」

「はぁ……」

ここ数日で何度目かわからないお嬢様の発言。
これまたいつも通り○○のことだった。
どうやら相当悩んでるらしく、先ほどから紅茶に一口しか口をつけてない。

「私に隠れて何かやっているように見える」

「……そうでしょうか?」

あのお嬢様に絶対的な忠誠を持っている○○がお嬢様に隠し事?
そんなの有り得るのかしら……。

「怪しいのはパチェ……何かパチェとやっているみたいなのよね……う~ん」

唸りながら考えるお嬢様。
その様子を見てると、もうパチュリー様には聞いてみたみたいね。
多分上手くはぐらかされたんだろうけど。

「咲夜。貴女も○○が何をやっているか探ってみて」

「……直接聞けばよろしいのでは?」

「それじゃあ命令になるからやりたくはない」

確かにお嬢様が聞けば○○は必ず答える。
でも……それがお嬢様の求めるやり方じゃないのなら仕方ないわね。

「ではどことなく探ってみます」

「えぇ……期待してるわ」

最後に小さくため息をつくお嬢様。
正直な所を言えば、お嬢様にこうやって心配をかける○○を許してはおけない。
でも……○○を殺すことも傷つけることも出来ない……それはお嬢様の望むことではないから。









「とは言っても困ったわね」

お嬢様にはああ言ったが、○○に私が直接聞くわけにはいかないのよね。
私だって○○の上司に当たる役職。
上下関係を大事にする○○なら命令として受け取って、答えてしまうかもしれないし。
パチュリー様が素直に答えてくれる筈ないし……他に知ってそうな人はいないかしら。

「あ、小悪魔」

そっかパチュリー様が知ってるなら小悪魔も知ってるかもしれない。
それに小悪魔ならもしかして軽く教えてくれるかも……。

「ねぇ小悪魔?」

「咲夜さんですか?なんでしょう」

私があんまり小悪魔に話しかけたことないから少し戸惑ってるみたいね。
そんなに私怖そうかしら……。

「○○のことについて何か知らない?」

「え、○○さんのことですか……」

今あからさまにまずいっ!って顔したわね。

「わ、私は何も知りません~パチュリー様に聞いてください!!」

「あ」

これ以上追求する前に逃げちゃった……。
これ……もしかして怖がられてるの?
地味に傷つくのだけど……。









「……?咲夜さん?」

僕が図書館に向かう途中の道で咲夜さんが呆然と廊下に立ち尽くしていた。
どうしたんだろ……何か落ち込んでるようにも見えるけど。

「あの……咲夜さん?」

「……○○。私って怖い?」

「え?……いえ別に怖くないですけど」

咲夜さんは後ろから見た時よりも落ち込んだ顔をしてた。
それにしても不思議な質問だな……咲夜さんが怖いはずないのに。

「どうかしたんですか?」

「……少しね。それよりも貴方に少し聞きたいことがあるんだけど?」

吹っ切れたように普段の表情に戻った咲夜さんは改めて僕の方に向き直った。
でもあからさまに後に引いてるような顔をしてるけど。

「貴方、お嬢様に何か隠し事をしてるわね?」

「……はい」

咲夜さんの質問の内容に僕ははいと答えるしかない。
だって咲夜さんに嘘をつくことは出来ない。
それが大変なことでも、聞かれた以上答えなきゃならないんだ。

「素直に答えたわね……じゃあそれはお嬢様に知られると困ること?」

「……はい。今は……まだ」

そう答えた僕の顔は少し苦笑いでもしてたかもしれない。
だって咲夜さんはメイド長。
使用人が主に隠し事をしてるなんて許してくれるはずはない。
レミリア様に報告もきっとするだろう。

「……それはお嬢様にとって良いこと?」

「それは……わかりません。僕の自己満足で終わるかもしれませんし、そうならないかもしれません」

僕の曖昧な答えに咲夜さんはあからまさにわかるくらい大きくため息をついた。

「……お嬢様が心配してるの。早くお嬢様を安心させてあげて」

「え……?咲夜さん報告するんじゃ……」

僕の質問に咲夜さんは少し子供染みた、それでいて少女のような笑みを浮かべて笑った。
こんな顔始めて見たかもしれない……。
いつもメイド長ってイメージしかないから……。

「数日だけ待ってあげる。その代わり必ずお嬢様を喜ばしてあげて」

それだけ言うと咲夜さんは僕の横を通り過ぎて去っていこうとしてしまう。
まずい、これだけは言ってから……。

「ありがとうございます咲夜さん!!それと……僕は咲夜さんのこと怖いんじゃなくて可愛いと思いますよ!」

ってあれ?僕が叫んだ瞬間咲夜さんの姿が消えた。
時間を止めてさっさと行っちゃったのかな……さっきの聞こえてると良いけど。

「え、え、えぇ!?い、今○○私を可愛いって……~~~~~」













「出来た……うん。これならきっと……」

仕事の合間を見て図書館でパチュリー様の修行を受けながら完成させてきたコレ。
コレがあればきっとレミリア様も喜んでくれる。

「……良くもまぁこれだけのを作ったわね。あなた人間にしとくには惜しいんじゃない?」

「そんな……コレ一つ作るのにこんなに苦労しましたから」

パチュリー様の褒め言葉がなんだかくすぐったい。
あんまりこのお方は人を褒めないからなぁ……。

「ありがとうございますパチュリー様。パチュリー様のお蔭で……」

「……私にお礼は良いからレミィに早く持っていてあげなさい。小悪魔、包装を」

「はい~」

ふふ、僕にお礼を言われてパチュリー様少しだけ赤くなってますね。
相変わらずこのお方はお礼を言われることに慣れてないんですから。

「それじゃあ行ってきます」

「報告、待ってるわ」

「頑張ってくださ~い」

パチュリー様と小悪魔さんに見送られ、図書館を後にする僕。
向かうはレミリア様の所。
これを早く渡さなきゃ……。









「や、やっと来たのね○○。お嬢様が中でご立腹よ」

お嬢様の部屋の前では咲夜さんが少しだけ顔を赤くして待っていた。
あれ……?なんで咲夜さん顔赤いんだろ?

「あの……どうかしたんですか?」

「い、良いから○○は部屋に行きなさい!」

無理矢理押し切る感じで咲夜さんに部屋に押し込まれてしまった。
どうしたんだろ……まぁそれよりも今はレミリア様!?

「……何しに来た」

似合わない威圧口調まで使われて……物凄い不機嫌なようですねレミリア様。
でも……そのお顔はお似合いになりませんよ?

「すみません……無礼を覚悟で失礼します」

「えっ……ちょ○○!?」

一気に歩み寄った僕に、レミリア様は焦ったように一歩下がる。
そうそう威圧口調より、そっちの方が可愛らしいですよ。

「これをお受け取りください。僕の……傑作です」

手を取りレミリア様の小さい手に箱を置く。
どうやらレミリア様は唖然として何も言えないようだ。

「お開け頂けると光栄です」

「…………」

レミリア様は無言で箱を開けていく。
あの中に入ってるアレ……喜んで頂ければ良いけど。











「これは……」

○○に強引に渡された箱に入っていたのは、赤いとてもとても綺麗な宝石だった。
私が見る方向を変えるたびに赤い色が少しづつ変わる不思議な石……とても綺麗な魔法の石……。

「レミリア様にお世話になってから……何もお礼をしていなかったので」

そう言って○○は優しく笑った。
その笑顔は……さっきまであった不安や苛々を全部消してくれて……。

「本当はアクセサリーに加工しようと思ったんですが……時間とか足りなくて」

心の奥から何か暖かいものが込み上げてくるようだった。
この私が……人間からのプレゼントで感動してると言うの?
……バカらしいって言い切れれば……良かったんだけどね……。

「……このために最近?」

「はい。沢山の宝石を魔法で加工して一つにするためにパチュリー様に教えてもらいながら少しづつ……」

「……そう」

もう怒る気なんか完全に無くしてた。
……お節介な執事め。
こんな嬉しいこと……簡単にするんじゃない……。
私は嬉しいことを意識すると急に恥ずかしくなり、何も言えなくなってしまった。
○○が嬉しそうに笑ってる所を見ると、私の顔は真っ赤なのだろう。
でも何か心地よい……そんな気分だった。


>>うpろだ564

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今日こそ何もない一日を望んでる……と思いたい。
正直な所、僕こと森近霖之助に平凡な日常など皆無である。
主に毎日のように現れる略奪者の仕業なんだが……。
まぁ長い生のほとんどは長い暇潰し……今日もその暇潰しを満喫させてもらうとするか。





「香霖!今日も来てやったぜっ!」

「……毎日来てるね。暇なのかい魔理沙?」

一番の略奪者である魔理沙はほぼ毎日ここ香霖堂に現れる。
でも同時に僕は魔理沙の持ってる品をほぼ騙し取ってるから何も言えないのだが。

「何言ってるんだ。私が来ないと香霖にいつの間にかキノコが生えるじゃないか」

そう言って魔理沙は許可もしていないのに勝手に上がって行く。
いつものことだから今頃何も言わないが……僕はそんなキノコが生えるような生活をしてるかい?

「はぁ……いい加減ツケを返して欲しいんだけどね」

「だからこうやって夕飯を作りに来てやってるだろ?」

「きみも「お邪魔するわよ」……今名前を出そうとした霊夢も夕飯をたかりに来ただけにしか思えないんだが?」

次に現れた霊夢。
ツケを払わない第二号で略奪者の一人。
まぁ基本はお茶とかだから被害自体はそんなに大きなものではないのだけど。

「魔理沙も来てたの?じゃあ私も食べてくわ」

「……何がじゃあなのか良く分からないんだが?」

勿論霊夢は僕の言葉なんて気にせず魔理沙の方に言ってしまう。
いつもそうなんだが、ここが僕の店であることが分かってるんだろうか?

「香霖~?塩はどこにいったんだ?」

「塩は奥の棚だよ。この前取られたからね移動させたんだ」

ってしまった。霊夢に取られないために移動させたのに意味がないじゃないか。
はぁ……これでまた僕の家から塩が消えていくか……。

「先に言っておくけど今日は少し商談があるからあんまりうるさくしないでくれよ?」

「「商談?」」

珍しい言葉を聞いたとばかりに魔理沙と霊夢が同時に顔をこっちに向けた。

「あぁ正直この商談が上手くいかないとしばらくかなり苦しいんだ」

「霖乃助さんもそんな生活苦しいの……?」

そんな同志を見るような目で僕を見ないでくれ霊夢。
きみも苦しいのは分かっているが、同志みたいに見られると何か辛い。

「香霖に商談をするなんてどうかしてるぜ」

「魔理沙……何度も言ってるけどここは店なんだからな?」

「分かってるぜ?」

満面の笑みを浮かべながら魔理沙は相当失礼なことを言い、台所に戻っていく。
多分もう興味を失ったんだろう。

それで商談の相手って誰なの?」

どうやら霊夢はまだ興味があるみたいだな。
でもいい加減売り物のツボに座るのは止めてくれないか?

「あぁ多分そろそろ……」

とそんなことを言った途端ノックが来たな。
ここにノックをする人なんて本当に少ないからすぐに分かる。

「入ってくれて構わないよ」

そして扉が開き、そこには……。

「森近さん遅くなりましてすみません」

「いや問題ないよ。いらっしゃい」

今日の商談相手は始めての相手である○○だ。
どうやら外の世界の人間らしいけど……この妙に似合ってる執事服を見てると、妙に馴染んでいる。

「えっと……○○だっけ?レミリアの執事の」

「はい。霊夢……うん。敬意を払う必要はないって言われてますから、呼び捨てで良いですよね?」

どうやら霊夢は○○と初対面に近いみたいだ。
まぁそう言う僕もこの前始めて○○がここを訪れたのが始めて会った時だが。

「敬意を払う必要ないって……レミリアが言ったの?」

「いえレミリア様は何も。言ったのは咲夜さんです」

「咲夜の奴……まぁ良いけどね呼び捨てで」

「ご理解頂けて嬉しいですよ」

霊夢と話す○○の物腰は柔らかだがどこか人間味が薄い。
いつもこうなのかはわからないが、変わった人間であることには変わらないな。

「それでだ○○。今日の商談だが……見ての通り霊夢と魔理沙が来ていてね。二人がいてダメなら後日になるが……」

「あぁいえ構いませんよ。霊夢や魔理沙がいても僕にとって問題は特にありませんから」

僕の配慮に○○は薄っすらと笑って返してきた。
まぁ○○が良いのなら僕は別に構わないのだが……。

「○○、あなたレミリアの執事なのにお金あるの?」

「……霊夢。レミリア様はご自分の部下に何も与えないような貧困な心の持ち主ではありませんよ?」

霊夢の言葉に少し呆れたような表情の○○には先ほどより遥かに人間味がある。
どうやらレミリア関係になると感情が出てくるらしいね。
だがそれよりもだ。

「霊夢、商談をするから少し下がっててくれないか?○○との雑談になってしまう」

「あらそう。じゃ勝手に上がってお茶を飲んでるわ」

僕の言い分に珍しく簡単に乗ってくれ、霊夢は魔理沙のいる方に戻っていった。
これでやっと商談が出来る。

「とりあえず用意した椅子がある。お茶を持ってくるから座ってくれ」

「はい……失礼します」

僕が一旦お茶を持って戻ってくると、○○は座った体勢のまま動くことなく待っていた。
完璧なる従者を徹底してるってことか……。
いや実は執事になるために生まれてきたのか!?
……まぁ冗談は置いておくとして、少し徹底しているのは気になるな。

「さて商談に入ろうか。確か外から取れた貴金属……主に宝石に当たるものが欲しいんだったね?」

「はい。在庫の方はどうなってますか?」

「案外多く手に入れることが出来てね。値は少しあるが、それなりの量があるよ」

そう言いながら僕の出した袋をじっと見ている○○。
実際の年齢は良く知らないが、こう言った所を見るとまだまだ子供のような好奇心があるな。
そういう意味ではレミリアと良くお似合いなのか?

「えっと……宝石が出来るだけ欲しいんです。あんまり僕はお金を持ってない方ですけど……ってどうかしましたか?」

「い、いやなんでもないんだ……」

略奪者しかいないこの店に客が……お金をきちんと払おうとするお客がいるよ……。
おっと感動のあまり泣きそうになった。

「おーい香霖?商談まだ……って○○?」

「魔理沙、まだ商談は終わってないよ」

「香霖……?森近さんそれって……」

「あぁ僕のことだよ」

「へぇ……」

何故か○○は口の中で小さく何か呟いている。
何か……まさか何か良からぬことを考えているんじゃ!?
……まぁ魔理沙じゃあるまいし、そんなことあるわけないか。

「なんだ商談の相手は○○だったのか。香霖に商談をするなんて時間の無駄だぜ?」

「……ちょっと待ってくれ魔理沙。時間の無駄とはどういう意味だい?」

「そのまんまの意味だぜ」

「……仲が宜しいんですね」

いつものように魔理沙と話していると、○○が子供のような笑顔を見せて笑っていた。
僕が何かそんな面白いことをしただろうか。

「へ~○○の笑う顔って始めて見たかもしれないぜ」

「そうですか?僕はそれなりに笑ってるつもりですが……」

「そいつそんなに笑わないの?」

魔理沙の話しに○○も乗ってしまったか……。
霊夢も乱入してきたし、これはしばらく商談はお流れかな……まぁ良いさ。
○○が随分と子供な顔をしてるからね。







「すみません。商談を忘れて話し込んでるなんて……」

「良いんだよ。物を買おうという意思すらない誰かさん達と比べればね」

僕の皮肉交じりの言葉にも魔理沙はどこ吹く風だし、霊夢はお茶をのんびりと飲んでる。
きみ達のことなんだけどね。

「いえでも宝石は買っていかないと……これで買えるだけの宝石をくれませんか?」

そう言って出した袋を僕は受け取っ……重!?

「こ、これはどれくらい……うわ!」

思わず僕は叫んでしまった。
物凄い量のお金がそこには入っていたのだ。
これだけあれば僕が出した宝石を全部買ってもお釣りが来るぞ!?

「一体どこでこんなに……」

「レミリア様からは一応お給料を貰ってますから……今までもらった全額ですけど?」

「全額!?それじゃ生活はどうするんだい?」

「食事は館で出ますし……別に欲しいものとかないんですよ僕」

はっきりと言い切った……。
これは実はアレか!?僕の店で買い物をしたことを口止めするための口止め料……って○○がそんなことする意味ないじゃないか。

「じゃじゃあその宝石は……」

「魔法の練習に使う分とあとは砕いて錬金してお嬢様にプレゼントしようかと」

「……正直脱帽だよ○○。きみは完璧なまでに執事なんだね」

呆れる……というかもう関心するしかなかった。
どうやら意思がないと言う心配も杞憂だったみたいだ。

「ではこれで……今日はありがとうございました。香霖さん」

「え……」

僕がまともな反応を返す前に○○は扉から急いで去っていってしまった。
今確かに香霖さんと呼んだような気がするけど……。

「香霖~終わったなら飯食おうぜ~」

「……あぁ今そっちに行こう」

まぁ……良いだろう。
今度○○が来た時にでも確認すれば良いさ。
そうして珍妙な客による多額の商談は終わった……。
結果は珍しく僕の黒字で終わるのだった。




珍しくは余計さ。


>>うpろだ565

───────────────────────────────────────────────────────────


○○は私の完全なる従者。
○○は私のもの。
○○は私を愛して……本当に○○は私の愛してる?
……この綺麗な宝石を私のために作った○○……でもそれはただの感謝の気持ち?
わからない……私が、夜の王がここまで悩まさせられるなんて……。
でもダメ……○○が成長するまで待てると思ったけど……私はもう耐えられない。
○○……○○……。








「う……」

私は悪夢の中に目を覚ました。
悪夢の内容は最悪な気持ちながら覚えてる……。
く……この私があんな……私はこんなに弱い奴だったか?

「……くそ」

私は立ち上がり窓に目を向けた。
夜空に浮かぶ月……どうやら私の夜らしいな……。

「咲夜」

「はいお嬢様」

「身支度を整えて。少し……いや大切な用事があるわ」

「?……かしこまりました」

私の態度に咲夜は少しだけ疑問を持ったみたいだけど……関係ない。
咲夜は完璧な従者……私の命令を完璧にこなしてくれる。
今夜が勝負……私はやるしかない。
必ずあいつを……私のものに。









「……今日はレミリア様にお会い出来なかったなぁ」

月の浮かぶ闇夜、結局僕は咲夜さんに押し切られ起きるのが遅いレミリア様を待たずに部屋に入れられてしまった。
なんでも咲夜さん曰く、僕が眠そうだと咲夜さんがレミリア様に怒られるらしい。
咲夜さんにはお世話になってるし、出来れば迷惑かけたくないけど……一日一回は会いたかったなぁ。

「……はぁ」

僕はレミリア様の望むような従者になれてるだろうか?
いやまだ足りない……でも少しは追いつかないと……。
僕には寿命があるんだ……時を操れる咲夜さんや、魔女であるパチュリー様。
妖怪である美鈴さんに吸血鬼のレミリア様……みんな長い寿命を持ってる。
僕だけが死ぬ……でも死ぬ前に……レミリア様の望む人間に……。

「○○」

「……え?レミリア様?」

なんでだろう?レミリア様がなんで僕の部屋の窓の所に……。
それもそんな悲しいお顔をなされて……。

「○○……起きてたみたいね」

「……はいレミリア様。すみません主の起床に立ち会わず」

「そんなの別に良い……」

レミリア様……?
僕に迫ってくるレミリア様。
そのお顔はとても苦しそうで……僕は何も出来なかった。
そしてレミリア様は僕の顔の目の前まで来ていた。

「○○……あなたは私のもの。だから受け入れなさい」

「!?」

レミリア様……?
なんでレミリア様は僕の首を……噛んで……。
あぁそっか……これは吸血鬼であるレミリア様が眷属を……。









「……○○」

私はきっと最低なことをしただろう。
○○は私が何をしても抵抗しない……それがわかってて私はこんな真似をしたんだから。
一瞬驚いた顔をしていたけど、○○の顔は何故か穏やかだった。
なんで……あなたは血を吸われたのよ?

「……レミリア様」

「○○!?」

○○の意識はすぐに戻ったらしく、急に私を抱きしめてきた。
その力は強く……でもとても安心出来るものだ。

「ありがとうございますレミリア様」

「あり……がとう?」

私は○○の言葉がしばらく理解できなかった。
私は無理矢理○○を眷属にしたのに……ありがとう?

「なんで……」

「僕は嬉しいんです……愛するレミリア様の眷属になれて」

「あ……」

○○のその言葉で私の力はフッと抜けていった。
そっか……始めから何も心配する必要なんてなかったたんだ……。
○○は始めから私を愛してた……そんなわかりきったことを疑う必要なんて……なかったんだ。

「……ごめん……なさい○○」

急に自分が恥ずかしくなった私は、恥も何もかも捨てて○○に謝った。
ちゃんと私を愛してくれていた○○に……。

「……謝る必要なんてありませんよレミリア様。それに……泣かないでください。僕が悲しくなりますよ」

ぎゅっと私が落ち着くように○○は私を抱きしめてくれる。
それがなんだか凄く嬉しくて……始めて私は他人の胸の中で涙を流して泣いた……。













「○○……良い?あなたは私のもの……それは間違いない」

「はいレミリア様」

泣き止んだレミリア様はまだ残る涙を拭きながらそんなことを言ってきた。
どうやら僕の体は凄く吸血鬼に馴染むみたいで……レミリア様に噛まれた傷は早くも再生を始めていた。
しかし吸血鬼になってもあんまり感覚は変わらないんだなぁ……。

「でも同時に……私は○○のもの。私を愛する限り……私をものに出来るのよ」

「そんな……僕がレミリア様をものにするなんて」

「……あなただけなんだから。私を泣かせたあなたが……私を唯一ものに出来る」

そう言ってレミリア様はもう一度僕に抱きついてきた。
僕は少し驚いていたけど……笑って抱きしめ返してあげた。

「……○○。私の眷属になったんだから……私に頼るだけではなく頼らせなさい」

「はい……レミリア様」

「私を愛して……一番。ずっと思いっきり」

どこか言い聞かせるようなレミリア様の言葉。
でもその全てが僕にとって嬉しくて……思わずこう口にしていた。

「もちろんです……ずっとあなたを愛しますよ……レミリア……」


>>うpろだ595

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あれ、レミリア様。お一人でお酒を飲むなどめずらしい
「ええ、咲夜は>>952の相手をすると言って席を外しているわ。相変わらず素直じゃない子なんだから。」
そうなんですか、同僚として冥福を祈ってます。それでは私はこれで
「あら、どこに行くのかしら。あなたは私の酒の相手をするのよ。咲夜がいなくて物足りなかったし。」
え゙!私が酒にめっぽう弱いことはレミリア様もご存じでしょう。
「だからよ。あなた私の眷属のくせに酒に弱いんですもの、スキマの式や白玉楼の料理人を見習いなさい。私が馬鹿にされてしまうわ、それに…。」
それに?
「それに私だって愛しい人と長い時間晩酌したいとおもったっていいじゃない…。」
む、敬愛する主人にそこまで言わせて断るのは使用人の、もとい恋人の名折れだな。わかったよ、今宵は朝まで付き合うさ。


7スレ目>>955
(952は咲夜4先頭にあります)

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コンコン
○「はーい、どなたですか?」
レ「私だけど少しいいかしら?」

朝食を食べて一心地ついている所に俺の恋人であるレミリアが突然やってきた

○「レミリア?お前が朝から来るのって珍しいな、しかも咲夜さんは一緒じゃないのか?」

そう、彼女は闇の住人である吸血鬼、本来なら夜に活動し、朝は眠っている
たまに昼間で歩く時もあるがそれでも朝起きていることはほとんどない

レ「ちょっと咲夜には……他の皆には内緒の話がしたくて」
○「ふーん、そういやなんか顔色悪いな、大丈夫か?」
レ「え、ええ、ありがとう心配してくれて」

……なにか変だ、妙だ、おかしい、咲夜さんを連れず朝から家に来ることも十分変で妙でおかしいが
レミリアが素直に感謝の言葉を言うなんて絶対なにかある
顔色が悪いことに何か関係しているのか?

○「なあレミリア、単刀直入に聞こう
  お前何か俺に隠し事してないか?」
レ「……隠して、ないわ」
○「態度でばればれだ、まあ俺は頼りないし、弱いし、お前の支えになれてないし
  畜生、自分で言って悲しくなってきた……」
レ「そんなことないわ、貴方がいてくれるだけで私は……」

そういうとレミリアは下を向いてしまった
なにか変だと思ってたが今日のレミリアは妙にしおらしいのだ
いつもだったらしっかりしろだろの言うのに今日はそれがない
そんなレミリアの様子を見ながら俺はレミリアにもう一度何があったのか聞いてみた

○「なら、隠し事せずに喋ってくれるか?」
レ「その……子供が出来たみたい」
○「……………why?」
レ「だから子供ができたのよ!当たり前だけど貴方の子供が!」
○「そ、そうか子供か、だから顔色悪かったんだな
  で、他に知っている人いるのか?」

俺は努めて冷静に聞き返した、今俺まで混乱してはレミリアが不安がる

レ「……永遠亭の薬師ぐらいしか知らないわ、今日吐いて
  もしかしてって思って何も言わず館を出てきたから
○「そうか……で勿論産むんだろ?」
レ「産んでも、いいの?私は吸血鬼なのよ」
○「わざわざ聞くこうなことでもないだろう、だって俺はレミリアを愛しているんだからな」
レ「○○……ありがとう」

8スレ目 >>86

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すっかり日が暮れた川原に一人の男が座り込んでいた
先ほどからため息しか吐いてないところから見るに落ち込んでいるようだった
「はぁ・・・」
またため息を一つ
「知ってる?ため息を吐く度に幸せが逃げていくのよ?」
「!?」
そこには一人の少女が、いた
「お嬢ちゃん・・・じゃなね、同類かい?」
「私や妹以外の吸血鬼なんて久しぶりに見たわ」
「なり立てでね、ちょっと腐ってる部位もあるが気にせんでくれ」
男の身体からは僅かだが腐敗臭がすることから出来損ないである事が解かる
「何故そんなに落ち込んでいるのか・・・話してくれる?」
「えっと・・・好きな女がいたんだよ、でも吸血鬼だって知ったら逃げちまった、簡単に言うとこんな所」
「ふーん人間に恋したの?」
「ああ、俺だって最近まで人間だったんだ、人間に恋しても可笑しくはないだろ?」
自嘲気味に笑って見せるが少女はただ聞いている
「初めは殺そうと思ったわ、でも今は少し興味がわいた」
「ん?何の話だ?」
「私の館に来なさい、こき使っていや、面倒見てあげるわ」
少女は立ち上がって男に向って手を差し伸べた
「こき使うとか聞こえたんだけど気のせいかな?」
「来るのか来ないのか、此処で死ぬか、今決めなさい」
偉そうな少女は紅い眼を輝かせて選択肢のない選択肢をいいはなった
「・・・俺の名前は○○ってんだ、まぁ・・・よろしく」
偉そうな少女の手を握り返し立ち上がった、手は暖かかった
「私はレミリア、レミリア・スカーレットよ、レミリア様と呼びなさい」
○○はこの先白黒や赤白やパッドやら引きこもりやらに大変な目に合わされるとは夢にも思わないのであった

8スレ目 >>162

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○「っつ・・・ここは、どこだ?」
○「それになんで鎖が・・・」

ガチャッ

レ「気分はどう?○○」
○「レミリア?
  これはお前がやったのか?」
レ「ええ、そうよ」
○「・・・なんのつもりだ?」
レ「貴方を私の物にする為によ
  さしずめその鎖は私からの婚約指輪といった所かしら」
○「な!?ふざけんな!勝手にこんな事しといて何言ってやがる!」
レ「今更何を言ったって遅いわよ、だって○○はもう吸血鬼になってるもの」
○「くっ!?」

チャリガシャガチャ

レ「その鎖、銀で出来てるは
  いくら吸血鬼の力とはいえ新生(ノウルサリート)したばかりの○○じゃ絶対に千切れない」
○「レミリアぁーー!!!」
レ「外はまだ○○と暮らすにはうるさいから50年もしたらちゃんと出してあげる
  それに毎日ここに来るから大丈夫よ」
○「……………狂ってるぞ」
レ「○○が私を狂わせたのよ
  もう、暴れるから血が出てるじゃない、止血、しないと
  ん……ふぅ、ん…」

クチュペチャ

レ「やっぱり○○の血はおいしいわね
  貴方の血も魂も体も心も全部私のもの
  その代わり、私の全ても○○に捧げるわ」
○「レミリア……」
レ「ふふふふふ、また来るわ○○」

ギィーガチャ

8スレ目 >>214

───────────────────────────────────────────────────────────


ゴクゴク
レミリア「んぁ……これで貴方は私のもの、髪も血も身体も魂すらも私のもの
     誰にも渡さない、誰にも見せたくない、フランにも咲夜にもパチェにも美鈴にも
     この世界に住むもの全てに貴方を見せたくない、貴方を見ていいのは私だけ
     そう、私だけが貴方の全てを見れる」

8スレ目 >>320

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レ「今日は何の日か分かる?○○」
○「何の日って、十三日の金曜日だろ?」
レ「そうよ、すなわち悪魔の日でもあるわ」
○「何そのこじ付け、そもそも悪魔じゃなくキリスト教徒にとって忌むべき日じゃね?」
レ「吸血鬼である私にとってキリスト教徒は敵よ!
 つまり将来私の夫で吸血鬼になる○○にとっても敵ということになるわ!」
○「ふーん…………はぁ!?
  お前今なんつった!?」
レ「だからキリスト教徒は敵」
○「その後ろ!俺の耳が確かなら夫になって吸血鬼になるって聞こえたんだけど……」
レ「確かに言ったわ、それが何か?」
○「いつの間に決めやがったコン畜生」
レ「そんなの最初からよ」
○「……は?」
レ「○○に初めて会ったときに決めたのよ『ああ、この人間は私の夫になるわね』って
  漠然とした感じだけどね」
○「その…なんだ、『視』えたってことか?」
レ「違うわよ、単なる私の一目ぼれ
  それで?返答はどうなの?」
○「へ、返答って?」
レ「私は告白したわよ、だからその返答が聞きたいわ
  まあどう答えようが○○の運命はもう私の手の中だけどね」
○「なんじゃそりゃぁーーーーー!!??」

8スレ目 >>474

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「ねぇ○○、私が貴方を本物にしてあげようか?」
いきなり呼ばれたかと思うと、いきなりわけワカメ
「本物・・・?」
「本物の吸血鬼にって事よ!なりたくないの!?」
ああ、そういうことですか、てっきり本物の男にしてくれるのかと
「・・・今はいいです、JOJOになって行こうと思います」
「せっかく役に立つと思って拾った眷族が!腐った死体で!再生も出来ない出来損ないだからこんな事を言ってるのよっ!!」
あー・・・言い返せないなぁ、腐敗はもうないけど、再生も出来ないし能力もそのままだし
これじゃ日の光に弱い人間だもんなぁ、再生は出来ないけど接合治癒は出来るよ!?
「ははは・・・返す言葉もありません」
「・・・もういいわ、下がりなさい」
「はい、失礼しました」
ナイーブな俺は傷ついて家出しようと玄関を開けようと・・・灰になりかけて断念
「本物の吸血鬼か、面倒な」
「そんな貴方に!」
「うぉう!??パチュリー様!?」
「おっす!おらパチュリー!・・・ごほん、そんなに落ち込んでどうしたの?」
す、すべったーしかも自分でスルーですか
「え、ええかくかくしかじか」
「ふーん、レミィも酷いのね、こんな可愛い子を」
いきなり首筋をペロッと舐められた
「うひゃぁぁ!」
「うふふ、前に言ったでしょ?私の僕になりたかったらいつでも来なさいって」
これは・・・危険なかほりがする
→逃げる
 逃走
 パチュリー様!もっと踏んでください!!

「失礼しましたっ!」
とりあえず逃げた
逃げた先、偶然か必然か、レミリア様の部屋の前だった
しかも丁度レミリア様が出てきたし
「tgyふじこl;」
「何あわててるのよ、そんなに私が怖いかしら?」
しまった怒らせたorz
「まったく、私も貴方が憎くて説教してるわけじゃ無いのよ?貴方の事が大好きだからもっとよくなってもらおうと」
「だ、大すk!?そ、それはラヴですか!?ライクですか!?」
ドグォ!!痛恨の一撃、○○は心が砕けた、目の前が暗くなった
「そんな事・・・言わせないでよバカ」
頬を紅く染めて、ちょっと拗ね気味に・・・最高だ、可愛すぎるぜご主人さ、ま
あーあ意識が戻ったらへんじをしなきゃー
○○が残った意識で考えたのは「結婚式は教会じゃできない」だったらしい

8スレ目 >>702

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「来ないで。」
レミリアが叫んだ。
「あなたが来てなんになるというの。」
冷徹な事実。僕はあまりにも弱い。
「敵は強大、勝ち目など無い。あなたは今すぐ逃げて。」
「君を置いて逃げられるものか。」
そう言ったとたん、レミリアの表情が険しくなる。
「何を勘違いしてるのかしら? 」
夜の王が持つ威圧はあらゆる物の畏怖を呼び起こす。
「まさか、愛してるなどというのではないでしょうね。もしそんな感情を抱いてるとすれば
それはまやかしよ。」
「人と妖怪の違いなど僕は気にしない。」
「そんな事ではないわ。私は吸血鬼。たとえ死しても産土、貴方達の言う所の邪な土の元で
、吸血鬼となった時に定められた定常状態へと回帰するだけ。そもそも生き物じゃない。」
「それでも、回帰するのは定常状態へ、だ。」
必死で訴える。
「僕の愛する君は、君の記憶は、君が死ねば失われる。それは生きてるという事にはならないか。」
レミリアはうつむいている。
「二人で逃げよう。紅魔館は、落ちたんだ」

8スレ目 >>908

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