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霊夢15

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orz1414

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■霊夢15

「にゃー」
縁側で日向ぼっこしていると、○○がゆっくりと歩いてきた
「どうしたの?」
にゃぁと短く鳴くと、私の膝の上で丸くなった
「ふふ、可愛い・・・ん?」
7本の尻尾がくねくねと動いている
日の光が気持ちいい、○○も暖かくて・・・眠くなってきた
うつらうつらと、眠りかけていると、頬をざらついた舌の感触が
「んっ・・・あ、ごめんね、眠りかけてたみたい」
ぺろぺろと頬や口を舐めて、くる
「ははっ、くすぐったいでしょー、あっ、そこは・・・ちょ、ちょっと!?んっ」
・・・
・・・・・・
・・・・・・ガバッ!
「・・・夢・・・いやな夢ね」
驚きで跳ねる様に起きた、息が荒くなっているのは夢のまま
「・・・夢の私はどうかしてるわ、○○は唯の猫じゃないのに「おい霊夢、朝飯が出来たぞ」
「ひゃぅうう!!?」
起きたときより驚いた、だってさっきまで夢に
「起きてるみたいだな、早く来てくれ、萃香も待ってる」
「う、うん、すぐに行くから、待ってて」





「・・・なぁ萃香、今日の霊夢は変じゃ無いか?」
「んー確かに変だけど、それがどうかした?」
「いや、避けられてる、気がしないでもない」
「そういう日もあるさ、主に月一ぐらいで」
「・・・そーなのかー」
「いやいや、冗談だよ?」
簡単に自己紹介をしよう、俺は猫又の○○だ!尾っぽは7本!
一行で紹介できてしまう、なんという俺


「・・・しょうがねぇ憑いていくか」
「お出かけ?」
「うむ、霊夢の後を追って里にな」
隣にいた大男の姿が霞み、次の瞬間には可愛らしい黒猫に姿を変えた
「○○、尻尾」
尻尾が七本のままなので一応注意しておく
「おお、かたじけない」
7本が一本になって、何処からどう見てもただの猫だ、何となく雰囲気が生意気な所を覗けば
「いってら~」
いちおう健闘を祈って、走り出す背中に手を振っておいた


「・・・」
あんなに目立つ格好なのに見付からない
匂いをかいでみるが人が多くてよく解らない
「にゃにゃにゃー!(おお、魚屋が安売りしてやがる!」
あー・・・どんこが食べたい・・・
「お、可愛い猫だな、ほら、これ食うか?」
「にゃーにゃにゃ(鰍!微妙に違うけどむしろオッケー!」
「おお、美味いか?はっはっは」
「にゃー!(おっさんありがとう!この恩はいつか必ずー」


霊夢がみつからないのでしょうがなく里をふらふらと歩いてみた
俺が普通の猫だった頃とはだいぶ違うな、近代化が進んでいるようだ
甘味処も有るのか、うーん、このカッコじゃ入れんなぁ
俺が甘味処に背を向けた瞬間
「・・・何やってるのかしら?」
凄まじい殺気が、背後からひしひしと伝わってきた
「にゃーにゃー(や、やぁ霊夢、これにはマリアナ海溝より深く南極のオゾンホールのようにでっかい理由が」
首をつかまれ、持ち上げられた
「勝手に里をうろうろするなって言ったでしょ?」
こういうときに何を言えばいいのか、誰かナイス言い訳を!俺に!
「にゃー(いやぁ、君が重い荷物を持たなくてもいいように荷物持ちが必要か様子を見に来たんだよ」
「・・・そ、そう・・・ありがと」
「にゃー(ところで、周りから見れば不気味な光景だと思うぞ」
猫の首を乱暴に掴んで持ち上げ、話しかけている・・・巫女
周囲の視線は、変人を見るそれだ
「・・・帰るわよ」
「にゃー」


人型に戻って夕食の準備を手伝っていると、ちゃぶ台に一枚の紙を見つけた
「あれ・・・おい霊夢、夕餉は二人分でいいらしい」
拾い上げた紙には
「今夜は紫のとこで飲むから晩ご飯はいりましぇーん、朝帰りフォー!」
と書いてあった、幻想になったネタを使うんじゃないよ


「・・・ふぅ、ごちそーさん」
「はい、おそまつさま」
神社に住み着いて日は浅いのだが、五月蝿いのが一人いないだけで随分寂しく感じる
「ん?」
萃香の置手紙を良く見てみると、小さい字で何か書いてある
「なに?どうかした?」
「いや、萃香の・・・手紙に・・・」
「何か書いてあった?」
ふ・・・ふたりきり・・・読み辛い
「二人きりだからって・・・(規制)は程々にね、女の子は初めが肝心・・・」
・・・必死になって読んだ内容がこれか、しかも声に出して
「・・・あ、アイツもしょうがない奴だ、なぁ霊m」
霊夢も手紙を覗き込んでおり、互いにとても、とても近い
「あ・・・○、○?」
「え、あ・・・ふ、風呂入って来い!そうだそれがいい!」
猫だけど脱兎の如く逃げ出した

風呂場から音がした、霊夢が入ってきたのだろう
「霊夢ー?湯加減はどうだ」
「ちょっと温いわ、もうちょっと熱くしても大丈夫よ」
薪を入れ、空気を送り込む
火は勢いを増し、ごうごうと燃えている
「んー丁度いいわ」
「・・・そうか」

壁一枚、正確に言えばそれ以下の隔たり
俺に邪な想像をさせるのに十分な情報が入り込んでくる
「俺の方が意識しちまってどうするんだよ・・・年中発情してるのは人と兎だけって紫姐さんも言ってたじゃ無いか」
そうだ、相手はまだ小さい少女じゃ無いか!俺は□リコンじゃないし!
「・・・ねぇ○○、背中流してあげようか」
「ブフォッ!げふげふ」
「冗談よ・・・スケベ、何想像したのよ」
「ちょ、おま」
何で俺はこんなに意識してしまってる!?年中発情してるのは(ry
「・・・明日、晴れるといいなぁ」
「ん?何でだ?出かけるのか?」
「・・・日向ぼっこしたい気分なのよ」
彼女はわからないことを言う、夜に明日日向ぼっこがしたいという人間はいないだろう
まぁ、変人らしげふんげふん、彼女らしいと思わんでもない
「・・・そうだな、晴れるといいな」
もし晴れたら俺も日向で寝ようか、彼女が膝でも貸してくれれば最高なんだが・・・

end



蛇足
「上手く行ってるかねぇ」
「なにが?」
「いや、明日帰ったら「昨夜はお楽しみでしたね」って言う予定」
「ますます解らないわ」
「うーん、私も気がきくなぁ」
「?」

>>うpろだ577

───────────────────────────────────────────────────────────

「猫は家につき、犬は人につくと云うわ」
「・・・?」
「あの猫は博麗神社についている・・・」
「それが何か問題でもあるのかい?」
「うーん、人につかなければいいなぁ、ってね」
「霊夢と○○の事?私はくっ付いた方がいいなぁ」
「あら、幻想郷が揺れるわよ?」
「それはそれで、私も頑張っちゃうし」
「それはそれは――」



妖怪が出た、と言うことは珍しくもなんとも無い
唯今回は虎らしい
「化け猫か解りませんがあまりに大きかったので・・・危険が無いか確認をして欲しいのです」
「ふぅん・・・そうね、そろそろ山菜の時期よね・・・解ったわ」
老人は礼を言うと、神社から去って行った、あまり長く居たくないと言う感じだ
「化け猫ね・・・もしかして」
曰く、大きさはまさに虎、幻想郷の人間が虎を見た事があるかは別にしても相当大きいと思っていいだろう
色は夕暮れだったのではっきりとは解らないが黒っぽかったらしい
まぁどうせ化け猫でしょ
とりあえず最低限の武装、札を持ってその山へ行ってみることにした



「特に何も・・・無いわね」
魑魅魍魎、蟲や鳥の多い・・・特に妖気は感じないけど
見慣れない怪しげなきのこ、薇やタラの芽がちらほらと
「・・・見つけた」
うごめく黒い物体、相当大きいわね
地面を掘っているらしく下を向いてこちらには気付かない
「・・・虎縞・・・いや」
夕日と木の影で虎柄に見えるだけで基本色は黒みたいだ
「とりあえず一発ぶち当てて様子を見てやろうじゃ無いホーミング・・・アミュレット」
化け猫めがけて、木々を避けながら接近する弾
当たると思われたソレは、地面に大きな穴を作った
「え!?しまっ、何処に」
消えた、見失った!?
上が暗くなった、そう感じたときには既に其処を離れた
ざくっ
はさみで紙を切るような軽い音
先ほどまで私がいた場所の木が、2本ほどまとめて輪切りになった
「っ!?冗談じゃ、ないわよっ!!」
久しぶりのスペルカードルールでない、戦闘
明らかに武器が足りない、軽装で来るんじゃなかった―
「あ?なんだ、霊夢か」
「え?・・・○○?」
よく見れば尻尾が七本、黒、そしてこの声
「・・・ええっ!?あんた猫・・・あれ??」
確かこいつの猫型は普通の猫サイズだったはずだ
しかし今は猫と言うより虎だ、サイズどころか若干姿も違う
「大猫にもなれて、小猫にもなれる、人型にだってなれる・・・RXのように三段変身だ!!」
「・・・何やってたのよ」
「いや・・・探し物を」
「帰るわよ」
「はい、帰ります」
「ね、ねぇ・・・お願いがあるんだけど・・・いい?」



「暖かい~ふさふさ~楽ちーん」
「・・・」
背中に乗せて、と言う要望を聞き入れ、霊夢を背中に乗せてるんだが・・・
飛んだ方が早いと思うのだが、彼女はソレを聞き入れない
「まぁ、お前が喜ぶのなら悪くも無い」
「・・・手綱と鞍が欲しいわね」
「止めれ」


「西瓜は紫姐さんのところか・・・俺も久しく行きたいなぁ」
また置手紙「○○と霊夢の関係が進展しないのはなんでだろ~なんでだろ~」
そろそろうぜぇ、古いネタをふるなよ
「泥だらけだから先にお風呂に入りましょ」
「ああ、そうだな」
何か台詞に違和感を感じたが、一瞬考え違和感を拭った

「・・・ちょいっと・・・熱かったな」
流石に熱くしすぎたな、換気が出来ん、湯気で視界が悪すぎる
「転ばんように気をつけなきゃな」
「ほら、背中流すからこっちきてよ」
「ああ、ありが・・・と、う?・・・・・・・・ぎゃあああああああ!!!!?」
「な、なによ五月蝿いわね」
「ちょ、お前なんで一緒に入ってあqwせdrt」
「前に言ったじゃ無い、背中流してあげるって」
○○は混乱している
○○はなにもできない!
○○の混乱がとけた!
「・・・すぐに出ろ」
「・・・なんで?」
「男女が二人で風呂など、よろしくない」
「私は別に構わないから」
「俺の精神衛生上悪い、この上なく悪い」
「・・・それって、私に欲情しちゃうって事でいいのかしら?」
「・・・獣に理性を求めるなかれ」
「そう・・・良かった、私でもちゃんとそういう気分になってくれるのね」
湯気で見えないのが最後の障壁だったのに、彼女のその台詞に、やられた
「・・・初めてが風呂場でいいのか?」
「場所より相手・・・彼方は、私でいいの?私がいいの?」
「こんなことになるとは、微塵も思わなかったな・・・先代様、娘さんを貰っちゃいます」
湯気の関係ないぐらい、近くに
火照っているのは熱い風呂のせいか、彼女のせいか
「霊夢・・・お前が欲しい」
「うん・・・私もあn「浴場だけに欲情?そらないぜブラザー」
格子の向こうから、聞き慣れた飲んだくれの声がした
糞くだらないギャグで、一気に冷えた
変わりに燃え上がる一つの感情
「霊夢・・・また後でな」
「ええ・・・私の分もよろしくね」


「これはお預けを食らった俺の分!そしてこれは霊夢の分!これはぶち壊された空気の分!そして(ry」
「ちょ、ちょっとした冗談じゃ無いか!あの状況であのギャグを言わずにはいられなかったんだよ!!」
「問答無用!何故帰ってきた!何故マヨヒガでじっとしてなかった!」
「ちょ、うわ、くそぅ、ミッシング巨大化!!」
「なにを、変身!ver虎!!」

「・・・まぁ、焦らなくてもいいのかも・・・まだゆっくり、ゆっくり」
裏の森で暴れる二人を見ながら、おもわず笑みがこぼれた
こうやってギリギリで笑っていられる間が一番幸せなのかもしれないなんて、思ってしまった











「我関せずの貴女が・・・どういう風の吹き回し?」
「別に、唯あの二人が大好きなだけだよ」
「・・・巫女と妖怪でも?」
「解ってないね、そんなのは関係ないんだよ、恋愛に、恋に、結婚・・・条件は一つ」
「・・・」
「地位も種族も関係ない、互いに愛しあっている、それが唯一つの条件でしょ?」
「根本は・・・そうなのかもね、でも」
「皆難しく考えすぎなんだよ、互いに好き、愛してる、単純で一番難しい・・・それだけだよ、博麗の巫女だろうが妖怪だろうが」
「・・・本音は霊夢が幸せならそれでいい、でも私は幻想郷の為に、二人を離そうするわよ」
「それなら紫とは敵同士だね」
「貴女達三人で勝てるとでも?私だけじゃ無いのよ?藍だって幽々子だって・・・?帰るの?」
「うん、あの子達がいちゃついてるだろうから・・・紫」
「なあに?」
「これほど負ける気がしない戦いも、初めてだよ」
鬼は、心底嬉しそうに、不敵に笑った

>>うpろだ581

───────────────────────────────────────────────────────────

「だからな、アイツがな・・・」
「もうノロケ話は聞き飽きたわ、いいかげんに・・・」
神社には二人の人影・・・普通の少女だな、妖怪の類ではない
黒っぽい服装の少女・・・さっきからずっとニコニコしている、陽気で頭がいかれたか?
もう一人の・・・巫女服のほうがターゲットだ、邪魔はされんだろう・・・積年の恨み、今晴らすときがきた!!
「博麗!尋常に勝負しろっ!!」
「ん?」
「え?」

鳥居から飛び出してきた男は、勝負を挑んできた
まぁそれはどうでもいい、私が気になるのはその格好だ
「・・・アンタ何者?」
「俺は・・・博麗に挑戦し続ける猫又・・・○○だっ!!」
バーンッ!と言う効果音と共にへんなポーズをとった○○という男
猫又か・・・見れば解るが認めたくはない
想像して欲しい、2mぐらいあるガタイのいい強面の男が、黒服に身を包みサングラスをかけ・・・そこまではまぁありえなくはない
もんだいなのは7本に分かれた尻尾と、猫耳だ、おかしいだろ、気持ち悪いぐらいあってない、猫耳が似合わない、いや・・・キチ○イだ
「霊夢、お前の知り合いは変人ばかりだな」
「知り合い?とりあえず初見だと思うけど・・・変人の知り合いはあなたも含まれると思うわ」
後ろの方で魔理沙が五月蝿いが、まぁ放っって置こう
ぐにぐにと尻尾が可愛らしく動いている、それがまた似合わない
猫耳がピクッと動いたりする、可愛く・・・むしろ怖い
「・・・まぁとりあえずお茶でも飲みなさいな」
「む、かたじけない」
差し出されたお茶を普通に飲んでる・・・近くに来るとやっぱりでかい、湯飲みがとても小さく見える
「それで・・・なんで博麗に挑戦?」
「・・・私は幻想郷が出来たときはただの猫だった、そして初代に飼われていたのだ」
「ふむふむ、飼い猫だったんだな、それでなんで妖怪になったんだ?」
「うむ、初代様と行動を共にしているうちに妖気に中てられたらしい」
「・・・それが何で挑戦になるのよ」
「私は妖怪になってしまったからな、人間から文句を言われぬように神社を離れたわけだ」
「いやだからなんで」
「2代目様も優しいお方だった・・・別れ際の酒の味、いまだに覚えています・・・」
「だから、何でそれが」
「まぁ待て、それで私は2代目さまに会いたいとき、どうすればいいか考えた・・・そして「妖怪として博麗の巫女を倒しにいく」というこじ付けで会いに行ったのだ」
「へぇ・・・」
「そして何度目か挑戦をした時、ムキになった2代目様に半殺しにされた・・・」
「はっはっは、乱暴者は遺伝らしいな霊夢」
「魔理沙五月蝿い」
「ぐぅ」
あんまり魔理沙が五月蝿いので札で口を塞いでおいた、鼻も塞いだような気がするが気のせいだろう
「そして俺はそれが悔しかった・・・そしていつの間にか博麗に挑戦するのが楽しくなって・・・先代にも挑戦してるんだぞ」
「・・・つまりまぁ・・・日課?見たいなものって事?」
「イエス、そして今まで一度も勝った事がないので・・・今回は勝ちを狙いに来ました」
そう言って、○○は跳んだ
縁側には彼が飲んでいたお茶が残っている
そう、私は視認できなかった
「・・・スペルカードルールでいいのかしら?」
「俺はそれがよく解らない、俺は俺の好きなようにやる」
「そう・・・じゃあ私も好きなようにやるわ」


戦闘シーンをスキップしますか?
→YES!
  NO!



十円ハゲのようになった森の一部
半壊した神社(生活スペース
夢中になって気づかなかったが、結構まぁ・・・酷いことになってしまった
「はっはっは、自分の家まで壊すことは無いだろうに」
「魔理沙五月蝿い」
「ふがっ」
手足を縛って口を札で塞いでおいた
「なぁ、同じ服何着持ってるんだ?」
私の横で寝転がっている莫迦が、くだらない質問をした
森は生活に関係ないからいいけど、神社の生活空間を壊してしまったのは・・・はぁ
「森は私だけど、此処を壊したのはあんたでしょ!あーもー!腹立つ!!どうにかしなさいよ!」
「ギャーギャーと五月蝿い小娘だな、何日かで直すから待ってろ」
「え?」



○○は自らの言った通りに数日で半壊していた神社を直してしまった
以前とまったく同じように治っている神社、新しくなったわけではなく、元に戻った感じだ
妖術の類か、でも普通に土木作業していた風にしか見えなかったが・・・
「これは・・・驚きね」
外で萃香と遊んでる猫を見る、とてもそうは思えない
「ぎゃー!鰯を食べるなー!」
「五月蝿い鬼だな!マイワシは駄目なのか!?カタクチかウルメならいいのか!!?」
「ばーろぅ!そういうことじゃないやぃ!」
・・・アホだ、鬼も猫も、なんで神社に住み着くのはこんな妖怪ばかりなのか、類は友を呼ぶのか
「はぁ・・・二人ともー!晩御飯よー!」
「おお、やっと飯の時間だ」
「アンタ今鰯喰ってたでしょ!?まだ食べるの?」
「人型ならまだ入るぞ」
新入りを歓迎しようと思った矢先、食費が心配になったが、とりあえず忘れることにしておこう

end

>>うpろだ590



「どうしても許してくれないんですね?」
目の前に対峙するは巨大な存在の塊、妖力の暴走
「・・・面倒ごとは嫌なのよね、あなたが消えれば私が面倒事抱えなくて済むのよ」
「・・・」
これ相手に何が出来るかわからない、それでも、背を向けて逃げるよりは生存率はあるだろう
「さて、欄の時間稼ぎもいつまで持つかわからないし・・・萃香が来る前に終わらせてあげる」
悪いな霊夢、もう帰れそうに無い
ああ、もう一回アイツの膝の上で日向ぼっこしたかったなあ
「人間と妖怪の境界」
「・・・え?」
自慢の耳と尻尾、鋭い爪、一瞬で消えた
まるで初めからそんな機能がなかったように
「短い間ならこんなことも出来るのよ~凄いでしょ?それじゃあ・・・さよなら」

いつもならあんな弾幕ぐらいへでもない
だがどうやら俺は一時的に人間になっちまったみたいで目で追えないし反応もついてこない
命はまだある、それでさえ奇跡、そして、結果は変わらず
「・・・頑張るのね」
「はっ、当たり前だろ・・・俺には愛する女と、縁側の陽だまりが待ってるんだッ!」
もうまともに動くのは喉ぐらいだ、木にもたれかかってやっと立ってるような状況だ
さぁ、家に帰るにはどうする?
「・・・そんなに霊夢が好き?」
「おいおい、それは獅子に肉好き?って聞くようなもんだろ・・・俺が霊夢を好きなんじゃなくて霊夢を好きだから俺なんだ」
いまだ紫は一歩も、正確に言うと空中からミリ単位ですら動いてない
いくら戯言を紡ごうが彼女は不変のまま
「あなたのことを好きだからこその霊夢・・・なるほど、そういう捉え方もあるわ」
「・・・はい?」
「私が守りたいのは幻想郷、そして霊夢・・・貴方を消しても残るのは霊夢ではないと・・・そうか」
何を思いついたか知らんがブツブツと独り言を呟いている、ニヤケ顔で
「お?おお!?」
「・・・やっぱり長い時間は無理ね」
俺のキュートな尻尾と猫耳が戻ってきた、術・・・というより紫の能力が切れたのだろう
四肢の傷も、見失いかけた勝機も全てが回復した
さぁ、反撃の時間だ


・・・かっこつけては見たものの気合や何やでこの化物に勝てるわけはない・・・
やっとこさで与えたダメージは肩の服を破いたのと傘の骨を一本折ったぐらいで
「・・・もう、終わりかしら?」
接近しての攻撃は隙間か結界で、飛び道具も同様
ただ紫が反応できない速度の攻撃、または視界に入らない完全な奇襲ならば、ダメージを与える事が出来る・・・る?
「・・・ねぇ○○」
「・・・なん、です?」
「もし私の式になってくれれば命を助けてあげるといったらどうする?」
「ふん、断るッ!猫は人を好くが人に憑くわけでは無い、それに・・・俺の家はあの神社だけだ」
「ふぅん・・・そう、じゃあ見逃してあげるわ」
「・・・・・・・・は?」
コイツハナニヲイッテルンダ?自分の役割がうんぬん、幻想郷という箱庭の~とか言ってたくせに・・・はい?
「だから、見逃してあげるっていってるのよ・・・ほら、私の気が変わらないうちに神社に帰りなさい」
まさか帰ろうとして後ろからグサッとかないよな?
「・・・そんなに疑わないでよ、私だって霊夢の事を考えての最大の譲歩なんだから」
「それなら最初からそうしてくれりゃいいのに」
「そうもいかないでしょ、一応戦ったという事実は必要なんだから・・・」
戦った後ねぇ、この穴ぼこになった元森林をみれば、まぁたしかに・・・
「ほら、さっさと帰りなさい・・・霊夢が待ってるわよ」
「・・・紫様」
「なによ」
「ありがとうございました」
感情が多すぎて、一言に詰め込むしかなかった
それ以上適切な礼を思い浮かばなかったから
「・・・早く行ってよ、気が変わっちゃいそうだわ」
俺は紫様に背を向けて走り出した、家で待っている人が居る、おかえりを言ってくれる奴が待ってくれてる



「霊夢!帰ったぞッッ!」
「あ、お帰りなさい・・・お風呂沸いてるから入ってきなさい」
「あ、ああ・・・あのー霊夢さん?無事帰ってきたんですけど・・・?」
「泥だらけだから、お風呂に入りなさい」
「はい」

かぽーん
「・・・反応が薄すぎる」
奇跡の生還を果たした恋人に対する反応では・・・


「霊夢、あのな」
「ほら、ご飯冷めるわよ」
「お、おお」
もぐもぐ、ぱくぱく
なんだこれ、会話らしい会話もない、というか霊夢怒ってない?
「あの・・・霊夢?」
「なに?」
「いや、あの・・・なんか怒ってないですか?」
「私が?別に・・・○○が五体満足で帰ってきたから紫に私と別れるように説得されて生き延びたなんて全然思ってないわよ」
いやいやいや
けどまぁ俺が生き残れる方法なんてそれぐらいだよねぇ
ぶっちゃけ紫様の気まぐれと萃香の後ろ盾があってのようなもんだし
「あのなぁ・・・」
「紫がどう言おうが、あんたがどう言おうが・・・絶対離さないんだから、何なら紫とやりあってもいいわ」
なんて物騒な女だ、世が違えばアクティブでデンジャラスなストーカーになっていたに違いない
「あのなぁ霊夢、何を壮絶に勘違いしてるんだ」
「・・・何よ、紫に勝てるわけ無いじゃない」
「・・・まぁ勝てないが・・・それに霊夢と離れるぐらいなら紫様に特攻かけて死んだほうがましだな」
俺を見くびってもらっては困る、猫はしつこいんだぞ、どれぐらいかといえばきっとお前ぐらい
「・・・じゃあ・・・今までどおり?一緒に居てくれるの?」
「ああ、ずっと一緒に居られる」
「○、○○っ!」
感極まってか、霊夢は立ち上がって俺に抱きついt
「へぶらっ!??」
違う、殴られた
「そういうことは先に言いなさいよバカッ!!○○と最後の夜とか思ったじゃ無い!!バカッ!バカ・・・・・ばか」
ぽろぽろと、大粒の涙が、零れ落ちた
いつもいつも、心配しかかけてない気がするなぁ
ああでも、やっぱりここに帰ってきて・・・良かったなぁ
この腕の中にある小さな彼女と、その温もり
「霊夢・・・ただいま」
「うん・・・おかえり○○」






「はっ、はっ・・・流石は鬼、紫様の友人だ」
「ふぅ、ふぅ、そういう貴方も、流石は九尾といった所かしらね」
巨大な妖気と妖気のぶつかり合い
ここが結界の中でなければ幻想郷が崩れていたかもしれない
そう思わせる迫力があった
「悪いけど次こそ、決めさせてもらうよっ!」
「はっ!また受け止めて差し上げよう」
萃香は攻める戦い、打ち倒し先に進まねばならない
対して藍は先に進ませなければいいのだ、攻撃を避け、受ける、攻撃に力を注がずに
「あら、まだやってたの~」
「「え?」」
空間の裂け目から現れたのは、八雲紫
藍は厳しい戦闘も終わった、と思った
萃香は○○がもうやられてしまったのかと、驚愕した
「ゆ。紫ッ!あんた○○を!?」
「○○?もうとっくに神社に帰ったわよ」
ちなみに○○はとっくに帰って霊夢とイチャイチャしてます
○○にも霊夢にも、ついでに紫にも忘れらていたのだ
ことの顛末を説明された萃香は当然怒ったけど喜んだし、藍は紫らしくない回り道のような結果に戸惑っていた
まぁつまり、珍しく遠回りしたけども、なるようにしかならなかったというわけで






「まったく、せめて一言ぐらい文句を言わなきゃ私の腹の虫が・・・」
神社の階段を登ってゆく
時間は昼過ぎ、朝から来なかったのは・・・まぁ私なりの・・・配慮という事で

玄関から入るが家の中には誰も居ないようだ
居間にも台所にも寝室にも居ない
「・・・オカシイなぁ」
うろうろしていると、縁側で座っている霊夢を見つけた
「あ、れい・・・む」
暖かな日差しのせいか、それともいつも通りの日常へと戻る事が出来た安心感か、ぐっすりと眠っている
膝の上には黒い猫が体を丸めて同じように、眠っている
「・・・ま、ここれにちょっかいを出すのは野暮でしょ、それに・・・見てて恥ずかしいね」
なんと言うか、完成された光景?見ていて暖かくなるような。でも傍に居づらい感じ、そう!お邪魔蟲
霊夢は眠っている、でもその表情は確かに笑っていた
・・・霊夢のこういう顔がこれからも見れる、そう思うと、とても嬉しかった
でも膝の上でのんきに寝てるこいつは、もっと嬉しかったに違いない
「私を忘れてた事、一時は根に持ってやるからな」
そう言い残して私は神社を去った、しばらくはマヨヒガにお世話になろうか
もし私が神社に住むことを望んでくれたら、もう少しこの二人の幸せを見守っていたいなんて、思ったりした
さぁ、今夜は飲もう、祝いの酒だ
久しぶりに一人でいるのも、悪くはないさ

end

12スレ目>>129


───────────────────────────────────────────────────────────


「どうしても許してくれないんですね?」
目の前に対峙するは巨大な存在の塊、妖力の暴走
「・・・面倒ごとは嫌なのよね、あなたが消えれば私が面倒事抱えなくて済むのよ」
「・・・」
これ相手に何が出来るかわからない、それでも、背を向けて逃げるよりは生存率はあるだろう
「さて、欄の時間稼ぎもいつまで持つかわからないし・・・萃香が来る前に終わらせてあげる」
悪いな霊夢、もう帰れそうに無い
ああ、もう一回アイツの膝の上で日向ぼっこしたかったなあ
「人間と妖怪の境界」
「・・・え?」
自慢の耳と尻尾、鋭い爪、一瞬で消えた
まるで初めからそんな機能がなかったように
「短い間ならこんなことも出来るのよ~凄いでしょ?それじゃあ・・・さよなら」

いつもならあんな弾幕ぐらいへでもない
だがどうやら俺は一時的に人間になっちまったみたいで目で追えないし反応もついてこない
命はまだある、それでさえ奇跡、そして、結果は変わらず
「・・・頑張るのね」
「はっ、当たり前だろ・・・俺には愛する女と、縁側の陽だまりが待ってるんだッ!」
もうまともに動くのは喉ぐらいだ、木にもたれかかってやっと立ってるような状況だ
さぁ、家に帰るにはどうする?
「・・・そんなに霊夢が好き?」
「おいおい、それは獅子に肉好き?って聞くようなもんだろ・・・俺が霊夢を好きなんじゃなくて霊夢を好きだから俺なんだ」
いまだ紫は一歩も、正確に言うと空中からミリ単位ですら動いてない
いくら戯言を紡ごうが彼女は不変のまま
「あなたのことを好きだからこその霊夢・・・なるほど、そういう捉え方もあるわ」
「・・・はい?」
「私が守りたいのは幻想郷、そして霊夢・・・貴方を消しても残るのは霊夢ではないと・・・そうか」
何を思いついたか知らんがブツブツと独り言を呟いている、ニヤケ顔で
「お?おお!?」
「・・・やっぱり長い時間は無理ね」
俺のキュートな尻尾と猫耳が戻ってきた、術・・・というより紫の能力が切れたのだろう
四肢の傷も、見失いかけた勝機も全てが回復した
さぁ、反撃の時間だ


・・・かっこつけては見たものの気合や何やでこの化物に勝てるわけはない・・・
やっとこさで与えたダメージは肩の服を破いたのと傘の骨を一本折ったぐらいで
「・・・もう、終わりかしら?」
接近しての攻撃は隙間か結界で、飛び道具も同様
ただ紫が反応できない速度の攻撃、または視界に入らない完全な奇襲ならば、ダメージを与える事が出来る・・・る?
「・・・ねぇ○○」
「・・・なん、です?」
「もし私の式になってくれれば命を助けてあげるといったらどうする?」
「ふん、断るッ!猫は人を好くが人に憑くわけでは無い、それに・・・俺の家はあの神社だけだ」
「あらあら、もっと賢い答えを期待してたのに、残念だわ」
「たとえ馬鹿でもこれが俺にとっても正解だ」
「はぁ・・・今まで楽しかったわよ、さよなら」
紫が振りかざした手、俺は何かが起こったと見届ける前に絶命した


「ッ!?」
頭痛がした、そして脇腹を鈍い痛みが
「・・・○○?」
嫌な予感がした、だが何処かでやはり、と思った
「馬鹿・・・さっさと逃げるなりすればよかったのに」
きっと彼はもう生きていない、やけに冷静に思考が働いてくれた
でも流れる涙だけは、どうやっても止める事が出来なかった










「おかーさまー」
「あら、どうしたの?」
「もうお昼も過ぎてます、お腹がすきました」
「もうそんな時間なのね・・・じゃあお昼ご飯にしましょうか」
「おかあさま?もしかしてこれは・・・お墓ですか?」
少女は墓とも呼べない積み上げられた石を指差して、そういった
「・・・そうよ、お墓なの」
彼が亡くなって十年
あまりにも時の流れは速い
「・・・かあさまの大事な人なのですか?」
「そう、ね・・・人じゃなかったけど、とても・・・とても大切な・・・」
私の膝の上で寝ていた黒い猫
私を愛してくれた一人の、妖怪
博麗を見続けていた古猫
「・・・真っ黒な、毛並みのいい猫だったわ」
「ネコさんだったんですか・・・決めました、お花を摘んできます!」
「お腹がすいたんじゃないの?」
「すいてますけど後回しです!」
そういうとしゃがみこんで小さな花を、摘み始めた
どうやらわっかにするつもりらしい
「だから、かあさまがそんなに好きだったネコさんの話を・・・聞かせてもらいたいです」
いつの間にか私は泣いていたらしい
とっくの昔に諦めがついたと思っていたのに、まだ私は引き摺っているのか
そしてそれをわが子にまで心配されてしまうとは、親として失格か
「・・・そうね、ご飯を食べたら、彼の思い出を・・・話してあげましょう」
私の愛した愛しい黒猫の、ちょっとした昔話を


end

12スレ目>>145
少し↑の別ver.

───────────────────────────────────────────────────────────

「とりあえず、風邪薬と熱さまし渡しておくわね。風邪薬は毎食後、熱さましは熱が40度を越えたら使いなさい」
「ああ、わかった」
 俺は永琳から薬を受け取った。
 まぁ、具合が悪いのは俺じゃないんだが。
「しかし、今年の風邪はたちが悪いな」
「ええ、うちもついにウドンゲとてゐが二人とも倒れちゃって、姫と二人で朝から永遠亭みんなの看病で大忙しよ」
「……珍しい、あの姫様が」
 そう、今この幻想郷では風邪が猛威を振るっているのだ。
 なにしろ、人、妖怪問わず感染し、40度を超える高熱を発し数日寝込むくらい急速に悪化する。
 しかも感染力が非常に高く発病に1日かからないので幻想郷全域に広まるのにさほど時間はかからなかった。
 聞いた話によると輝夜、永琳以外に発病していないのは俺だけらしい。
 ……誰だ幻想郷一の⑨っていったやつは……
「さて、私はこれから紅魔館に行ってくるわね。あそこはもう誰も動くことができないみたいだから」
「うわ、咲夜やフランまでダウンしちゃったのか……」
「ふふ、それにしても彼女はいいわね。つきっきりで面倒みてくれる人がいて」
 そう、この風邪は幻想郷全域に広まった。ここ博麗神社も例外ではなく……
「まぁ、あなたがいれば大丈夫でしょうが、とにかく水分、栄養、休息、そして病人へのいたわりが大切よ。
 最後のところは心配いらないでしょうけど」
「ああ、まかせておいてくれ」
「じゃ、なにかあったらすぐに知らせなさい。かけつけるから」
「わかった。ありがとう永琳」
「それじゃお大事に」
 そう言い残し、彼女は次の診察に向かっていった。
「ふぅ、あの調子じゃ休む暇もないんだろうなぁ……
 さておかゆでもつくるとしますか」

 ――――青年料理中――――

「ウルトラ上手に出来ましたっと」
 俺は出来上がった特製おかゆを小さな土鍋に移し
 彼女の寝ている部屋へと急ぐ。
「おーい、霊夢ー。起きてるかー? 飯食べられそうかー?」
「うー、あんまり食べたくないー」
 襖を開けるとそこには布団に入って真っ赤な顔で唸っている少女がいた。
 彼女がこの博麗神社の素敵な巫女、博麗霊夢である。
 ってなんで俺説明口調なんだ?
「だめ。ちゃんと食べないと直らないぞ。ほら、起こしてやるからしっかり食べな」
「うん、わかった」
 彼女の上半身を起こしておかゆの入った土鍋と蓮華を渡す。
 うーん、しかし風邪をひいている姿の霊夢はどこか引かれるものがあるな。
 潤んだ瞳、ほつれた髪、うっすら汗の浮かんだうなじ……
 それに普段凛とした雰囲気のある彼女がなにか年相応の少女みたいになっているところなんかなんとも……
 はっ、いかんいかん。病人相手になにを考えている、俺は。
 考えを払拭させるべく俺はたわいもない世間話をもちかける。
「そういや、おかゆの材料買うために里まで行ってきたついでに香霖堂覘いてみたけど霖之助さんもまだ治ってないみたいだったよ」
 フラフラしながら店に出てきたときにはさすがに驚いたが。
「へぇ、そうなんだ。ねぇ、外の世界でもこんな風邪ってよくあったりするの?」
「うーん、そうだなぁ……もし例をあげるならインフルエンザかな?でも今はワクチンであらかじめ予防したり
 タミフルっていうインフルエンザ用の薬も出てるし、ここまで一気に広まったりはしないかな」
 余談だが俺はインフルエンザにかかってもあの薬は飲まん。まだ永琳の正体不明の薬を飲んだ方がマシだ。
 いや、どっこいどっこいか?
「あ、あと帰りに自分の氷頭に乗っけてウンウン唸ってるチルノ見たときは笑っちまったよ」
「なにやってるのかしらね、あの妖精は……」
 っと、食べ終わったみたいだし、あとは薬を飲ませて休ませないとな。
「ほれ、風邪薬と水。それ飲んだらまたゆっくり眠りな」
「うん、ありがと。……んっ、あのさ一つお願いがあるんだけど……」
「うん?いいぞ、俺ができる範囲ならな」
「えーとね、おでこに手をあててほしい」
「あいよ、了解」
 そういい俺は霊夢の額に手を乗せる。やっぱり熱があるせいだろう。手のひらがあっという間に熱くなる。
「えへへー、冷たくていいきもち」
 むー、かわいいなぁ。いつもはそっけないし、素直じゃないことも多いし、いっそこのままずっと風邪でいてほしいと思う俺は不純ですか?
「もういいか?じゃ食器洗ってくるからいいこで寝てるんだぞ」
「いわれなくてもわかってるわよ。おやすみ」
 さて、洗いものが終わったら掃除を始めようか。



 夜中になって霊夢の症状は悪化した。
「はぁ、はぁ……」
「まずいな、41度7分もある」
 呼吸をするだけでも苦しそうで意識も朦朧としている姿はとても痛々しくて見ていられない。
 こんなとき何の力にもなれない自分がとても妬ましい。
「あ、そうだ。永琳から貰った薬に解熱剤があったな」
 そうそう、たしかこの袋の中に……
 そして袋の中から出てきた薬は――

 ――――どう見ても座薬です。本当にありがとうございました。

「……うんっ!!わかっていたさ!!こうなる事ぐらい!!わかっていたけどさぁ!!」
 たしかに俺と霊夢はもうタダならぬ関係ですよ?
 体のどこに黒子があるかも全て記憶してますよ?
 でもこれはないでしょう!?飲み薬とかあるはずだよねぇ!?
 はっ!?こうやって俺が取り乱すことさえ計算済みっ!?えーりんおそるべしっ!!
「うううぅ……」
「はっ――」
 霊夢の苦しげなうめき声で俺の頭は急激に冷えていく。
 そうだ、俺がバカなこと考えているときも霊夢は苦しんでいるんだ。
 なにもやましいことじゃない。心を落ち着かせて薬を使わなくては。
「――心頭滅却、明鏡止水、体は剣でできている」
 よし、覚悟完了。
 俺は布団をどかし、霊夢の寝間着の裾を捲り上げる。
 ――ああ、霊夢の足シミ一つなくて本当に綺麗だぁ……
 ってまた変な妄想してるっ!?ダメだダメだ。
 気を取り直し、下着に手をかけ……
「ねぇねぇ、霊夢が風邪で倒れたって聞いて様子見にきたんだけ、ど……」

 なんで、いつもジャストなタイミングで出てくるんですか?ゆかりサン?……

「あらあら、お邪魔だったみたいねぇ?それじゃごゆっくり~」
「まってぇーーーー!このまま放置していかないでぇーーーー!!」

 その後どうしたかっていうと永琳を呼んできてもらい男の俺には出来ないこと(着替えや体の汗拭きなど)をやってもらい
 今は三人で一息ついているところだ。
 ちなみになぜ彼女が平気なのかというと病人と健康の境界をいじったからだそうだ。
 ……もはやなにもいうまい。
「にしてもやることがなくてそわそわしているところなんかすごくかわいかったわぁ。
 うちまで攫っていっていじめたおしたいくらい」
「あら、奇遇ね。私も実験にも愛玩用にも使えるこんなかわいいモルモット、霊夢に内緒で持って帰ろうかと思ったわ」
 この二人笑ってはいるけど目がマジです。
「やぁねぇうそよ、うそ。本気にしないの」
「そうよ、人の男に手を出すほど飢えてないわよ」
 ……幻想郷には嘘つきしかいないのだろうか?
「さてそれじゃ私はおいとまするけどあなたも早めに休みなさい。看病は意外に疲れるのよ」
「ああ、じゃ最後に霊夢の顔みてから休むって……なにさ?」
「やぁねぇ、ここまで見せつけてくれるなんて。甘すぎて砂糖吐きそうよ」
「ええ、私たちのこといきおくれの年増って見てるに違いないわ。イケない薬注入してやろうかしら?」
「……アンタら、とっとと帰ってくれ」
「はいはい、それじゃまた様子見にくるわね」
「本当に早めに休みなさいよ」
 幻想郷の少女臭コンビは最後まで騒々しく帰っていった。
 はぁ、なんかどっと疲れた。霊夢の顔見たらすぐに布団に入ろう……。
「いよぅ、調子はどうだい?」
「うん、熱さましが効いてるからそんなに辛くないかな」
 たしかにさっきよりかは少しは顔色もいいみたいだ。
「ねぇ、寝る前に最後にお願いしていい?」
「なに?のど渇いた?水?」
「あのね……キス、して?」
 布団から半分顔を出して潤んだ瞳で上目遣いをしている霊夢はとてつもなく可愛い。
 ヤラれた。どうしてこう不意打ちがうまいんだろう?頭の中が沸騰状態でグラングランだ。
「もしかして、イヤ……だった……?」
 俺の沈黙を否定と受け取ったみたいだ。
「いやいや!!そんなことない!それじゃいくぞ……」
「うん―――んっ」
 ただ唇が触れ合うだけの軽いキス。
「……これでいいか?」
「だめ……たりない……もっと強いのをちょうだい……あっ」
 さっきよりも強く、求めるようなキス。
「んぅ……んっ…ちゅっ……ふ……ぁっ……」
 俺と霊夢の離した唇の間に銀糸が渡る。
「…………」
「……ありがと。元気出てきたよ。すぐにでも元気になりそう」
「それはよかった」
「うん。疲れたでしょう?もう休んで。○○が倒れたら私……イヤだよ……」
「ああ、すぐに眠るよ。それじゃもう行くよ」
「おやすみなさい」
 目を閉じた霊夢はすぐに眠ってしまった。
 おやすみ、いい夢を……


 そして翌日みごとに風邪をひいた⑨がここにいるのでした。
「うー、頭痛いー気持ち悪いー目が回るー」
「もぅ、文句言ってないで静かに寝ていなさい」
 昨日とはうってかわって立場が逆になってしまった。
 って何で布団捲り上げて寝間着の裾持ってるんですか?
「ん~?さっき紫に聞いたんだけど私に座薬使おうとしたんですって?」
「あっあれは不可抗力でっ」
「うん、わかってるけど女の子にそんなことしようとするのはちょっと許せないかな~って」
 うひゃあ、笑っているのにとんでもなく怖いー!
「だからってこんなことしなくてもっ、マジやーめーてー」
「ほら動かないの」
「ちょっ、おまっ、アッ――!」


「……本当に入れられるかと思った」
「冗談だって、私だって変な気があったわけじゃないってわかってるし……」
「うー、なんか悪化しそう……」
「じゃ、風邪がすぐ治るようにいいものあげるから目閉じなさい」
「うぃ」
 なんだろう?って考えてたら唇にやわらかいものが。
 これって……やっぱりアレ?
 目を顔を赤らめた霊夢が見えた。
「これが一番の特効薬でしょ?早く風邪治してね」
 そういって霊夢は部屋から出て行った。
「……更に熱が出そうだ」
 さて元気の元は貰ったんだし、さっさと風邪を治すとしますか。

12スレ目>>130

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「それじゃあ行って来るな」

「……行ってらっしゃい、はやく帰ってきてね」

「そんな寂しそうな顔をするなよ、すぐに帰ってくるから、な?」


寂しそうに俯く霊夢に後ろ髪を引かれながらも俺は出掛ける準備をした


「……ねえ、○○」

「ん?なんd、んぅ!?」
ピチュ クチュリ

霊夢に呼び止れて振り向いた瞬間キスをされた
不意打ち状態だったので何の抵抗も無く俺は霊夢の舌を受け入れた


「んっ!ぁ…ふ……あっ」
クチュクチュ

霊夢のやわらかい唇の感触と甘い吐息を味わうだけで
俺の脳髄に快楽の電流が走り霊夢しか目に移らなくなる
このまま快楽に流されそうになるのを必死に押し止めて霊夢を引き剥がす


「はぁ、はぁ…これで満足か?霊夢」

「はぁ…ふぁ…はぁっ……うん、行ってらっしゃい」

「ああ、行ってくるよ」


霊夢は俺と離れようとするとすごく嫌がる
そして先ほどのようにキスをせがんで俺を放さないようにする
それが例え里に買い物をしに行くわずかな時間でもだ


「分かってるんだけどな……」


どうも俺は霊夢のことになると甘くなってしまう
それが依存的なものでお互いにとって悪いことだと理解はしてるr


「理解をしているなら何故貴方は霊夢から離れようとしないの?」
ゾクッ!!

「!!!???」


突然気配の無い虚空から声が聞こえたと思ったら、周囲が目玉の付いた奇妙な空間に変わった
それと同時に圧倒的な妖気がその空間中に充満したそして俺はその妖気の持ち主を知っている


「紫か!!」


俺が叫ぶと空間に裂け目ができそこから麗しい妙齢の女性が出てきた


「御機嫌よう○○」


彼女こそ他の妖怪とは違う一人一種の妖怪にして
幻想郷の頂点に君臨する境界を操る妖怪八雲紫


「……一体何の様だ」

「何の用?分かってるくせに、私が貴方と会って話すことなんて霊夢との事以外になにかあるの?」


やはりか、紫は俺に会う度に霊夢から離れろと言い続けていたからな


「何度も言うようだけど俺は霊夢から離れるつもりは無い」

「ええ、知ってるわよ、だから今までどおり忠告じゃなくて」

「ん?、っが!!??」
ギリィッ!!

「実力行使で行くことにしたわ」

「がっぁ!?」
ギリギリ!!

突然首を掴まれ軽々と宙に吊り上げられた
見た目は女でもそこは妖怪、人間一人持ち上げるのなんて造作も無いだろう


「でも私は優しいから選択肢をあげる
 1:このまま死ぬか
 2:私が記憶の境界を弄って霊夢の記憶を忘れる
 3:霊夢から離れる」
 どれでもいいけどわざわざ私を動かしたのだから1がいいわね」

「ふざ、けるな…ふざけるな!!!」

「あら、どれも選ばないつもり?折角選択肢を用意してあげたのに」


つまんないと言いたげな顔で俺を吊り上げたまま見上げてくる紫
その顔を見ていると俺の胸の中に言いようのない怒りが沸々と沸いて来た


「当たり前だ!!!俺が選ぶ選択肢は1,2,3のどれでもない
 4:俺はこの窮地を脱し霊夢と添い遂げる
 以外は考えられないんだよ!!!」

「そう、そんなに死にたいわけね」
ブォン!!
ドサッ!!

「くっ!げほっげほっ!!…はぁはぁはぁ」

「元気がいいのは結構なことだけど、貴方程度じゃ、私に勝つどころか掠り傷すらつけられないわよ」


そんなの最初から分かてる、何も力の無い俺が紫と戦ったところで勝ち目なんか万に一つどころか億に一つもないだろう
今だってあのまま首を絞めていたら俺の命の火は消えていた
周囲の妖気も一向に減るどころかますます増え、俺の場所だけ重力が増したかのように重圧をかける


「じゃあそろそろ眠くなってきたし幕引きといこうかしら、貴方の死をもって」

「幕引きにはまだ早いぜ!!」


威勢よく吼えたものの正直八方塞だ
それでも例え勝機が無かろうとも俺は負けるわけにはいかない


「誓ったんだよ俺は、霊夢を守るって!
 霊夢が弱くなったのならその分俺が強くなって霊夢を支えてやるんだってな!!」


どこまでできるか分からないがこのまま何もせず、むざむざと殺されるよりかはましだ


「……そう、これだけ力の差があっても貴方は諦めないのね…………
 でも残念だけど今の貴方程度の力じゃ、霊夢を守ることなんて夢のまた夢
 そして、夢はいつか覚めるものよ」

「だったら夢を現実にするまでだ!!!」


一直線に紫のほうへ疾走する、しかし


「でも残念、貴方は夢を見ることも現実に戻ることもないわ」


紫の手が俺の視界を奪い、程なく俺の意識は闇に沈んだ 






「 ○! き !!   い!   !!」


声、声が聞こえる何を言っているかわからないけど俺を呼ぶ女の子の声が
……そうだこの声は霊夢の声だ、例え地獄に堕ちようとも絶対に聞き間違えることは無い


「 ○!起き !!お い!目を  して!!」


霊夢の声が聞こえるごとに俺の意識が蘇っていく


「っ…霊、夢?」

「○○!!起きたのね!!」

「あ、ああ俺は一体」

「紫が連れてきたのよ、森で倒れてたって…」

「紫が?」


俺を殺そうとしたくせに殺さずにあまつさえ霊夢の所に運んできた?
何を考えてるんだあのスキマ妖怪


「本当に、本当に何も無くてよかった、紫も『直ぐに目を覚ますから安心しなさい』って言ってたけど
 でも目を開けない○○を見てると不安で、もしかしてもう二度と私に笑いかけてくれないんじゃないかと思うと怖くて
 それで、それで……」
ギュゥ

「大丈夫、俺は生きてるしちゃんと霊夢の側にいるから」


両手を抱きしめ震える霊夢を俺は静かに、力強く抱きしめた
そしてそこから霊夢の体の振るえを感じ、どれだけ霊夢が不安だったかが分かった


「ごめんな、霊夢」

「うぅ、良かった、○○が無事でよかった…うわぁーーーーーん!!」


大声で泣く霊夢に俺はただ無言で抱きしめるしかなかった







「ん…すぅすぅ」


俺のことを心配した心労と大泣きした所為か今はぐっすりと眠っている
おかげで何故紫が俺を生かしたかゆっくりと考えられる
あの時紫は確かに俺を殺す気でいた、それがどうして俺を殺さなかったのか
誰かが助けに入った?
それは無い、スキマ空間に干渉できる能力を持った奴は俺の記憶じゃいないし(いたとしても霊夢ぐらいだ
霊夢が言ったことが確かなら紫自身が俺を神社まで連れてきたんだ


「まあいいさ、こうして霊夢と一緒にいられるんだから」


紫に何があって心変わりしたかは分からないが生かしてくれたというのならそのまま生きてやる


「強く…ならなくちゃな」


今回みたいに霊夢を心配させない為に、俺はもっともっと強くならなくちゃいけない
力だけじゃない、心身ともに、霊夢の心と体を守れるぐらいに


「んぅ、どうしたの?○○」

「いや、なんでもないさ、もう少し寝てろ」

「側に居てくれる?」

「ああ、霊夢が目を覚ますまで側に居るよ」


再び寝る霊夢の頭を撫でながら想う
願わくば、この瞬間を永遠に




「紫様、アレでよろしかったんですか?」

「何が?」

「○○のことです、何故生かしておいたのですか?
 わざわざ殺しにいったというのに」


藍の言うことも尤もね、確かに私はあの時○○を殺す気でいた
でも……


「見たでしょ?あの霊夢の様子を、○○を失ったらあの子、壊れるわよ」


幻想郷を守るために霊夢から○○を引き離そうとしたのにその結果霊夢が壊れてしまうのでは意味が無い
それなら○○を生かしておくほうがまだいい
それにアレだけ力の差を見せて尚諦めない心、に揺るがない信念があるなら○○はまだまだ強くなる


「ふぅ、取らぬ狸の皮算用ね……眠たくなったし帰りましょか」

「寝酒はどうなさいますか?」

「帰ったらそのまま寝たいから布団の用意だけお願い」

「分かりました、では先に帰っていますね」

「よろしくねー
 …………頑張りなさい○○、貴方の夢は現実となった
 だけどその現実はこれからも続いていくんだから」


>>12スレ目138修正版

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 少し遅めの昼食をとり食後のまったりとした空気のなか俺は炬燵にあたりながら縁側を見つめる。
 冬の季節としては珍しく暖かい日の光が差し込み、雪の積もった庭をやわらかく照らす。
 ……近頃霊夢とほとんど話していない。
 里の方で異様な数の妖怪が出て討伐の仕事で大忙しだそうだ。
 夜遅く帰ってきて、朝早く出かけていく。
 顔を合わせることはまれで、会話をすることなど不可能に近い。
 ……俺が力になれることはない。
 未だにまともな弾幕は張れず、ザコ妖怪にすら手こずる俺が何の手助けになろうか?むしろ霊夢の足を引っ張るだけだ。
 そういえば、俺がここにくるまでは霊夢も今の俺のような状況が多かったんだろうなぁ。
 やることがなくただ時間が過ぎるのを待つだけの退屈な日常……
 そんな日々の繰り返しを続けていた霊夢の気持ちはどうだったのだろうか?
 さまざまなもやもやを抱えたまま、意識が闇に落ちていく中、ただ一言だけ呟いた……



 ――――さみしいよ、霊夢……



「ふぅ、疲れた」
 里の異変を片付けて神社に帰ってきて私は炬燵に突っ伏して眠っている○○を見つけた。
 昼食だったのだろう。頭の横につゆの入ったどんぶりがあった。
「もう、ちゃんと食べたものくらい片付けてから眠りなさいよ」
 どんぶりを片付けようと手を伸ばして――
 ○○の頬に一筋の涙の跡があることに気づいた。
 伸ばした手をひっこめ、○○の隣に入り込み彼がここに来てからのことを思い出す。
 最初はこの幻想郷に迷い込んだただの迷子だと思った。
 すぐに元の世界に帰ると思っていた。
 でもそうじゃなかった。
 彼はあっという間にこの世界に馴染んだ。まるで元からこの世界で生まれたかのように。
 彼は誰とでも打ち解けて、みんなも彼を受け入れた。
 宴会では萃香と魔理沙の二人に飲み比べを挑んで、ぶっ倒れたことがあった。
 紅魔館の吸血鬼姉妹に振り回されていることもあった。永遠亭で談笑をしていたこともあった。
 まるで昔からの友人のようだと彼を知る人々はそう言った。本当に彼は変わった人間だった。
 そして一番変わったのはこの私だ。
 今までずっと一人で暮らすのに何の不自由もなかったし、それが当たり前だった。
 それが人ひとり増えることでここまで変わってしまうことには驚いた。
 言い合いをした。すれ違いもあった。喧嘩も仲直りも数え切れないほどした。
 ただいまといっておかえりと返ってくることがうれしかった。家に明かりが灯っていることがうれしかった。
 二人で食べる食事がこんなにおいしいとは思わなかった。一つの布団でたわいもないことを話すのが楽しかった。
 嬉しいこと、悲しいこと全て彼と共に作った。
 いつの間にか、心の一番たいせつな場所に彼がいた――



「………………ん、うぅ」
 すこし身じろぎをして俺は目を覚ました。
 あの後そのまま眠ってしまったらしい。
 妙に肩が重いと思っていたら霊夢が寄りかかって眠っていた。
「…………ふぁぁっ」
 俺が動いたせいだろう、霊夢もすぐに目を覚ました。
「おかえり」
「うん、ただいま」
 挨拶が済んだ途端に霊夢が俺のひざに向かい合わせに座ってきた。
 突然のことに戸惑っていると霊夢が先に切り出してきた。
「……ごめんね」
「いや、急に謝れられても反応に困るんだけど」
「最近ほとんど顔も合わせられなかったし、話すこともできなかったし」
「いや、別に気にしてないし。霊夢も大変なことしてるのわかってたから」
 俺は精いっぱいの強がりを言う。
「うそつき」
「え?」
「頬に涙の跡ついてるよ」
 急いで頬を拭う。
「もう消えてるよ。それに私しか見ていないんだから気にしなくていいのに」
「でもかっこわるいし、男として恥ずかしいし」
「ふふ、そういうところかわいくて好きだよ」
 うれしさと恥ずかしさで顔が熱くなってくる。
「ほんとにごめんね。私自分のことで手いっぱいになっちゃって○○のことほったらかしにしちゃって」
「霊夢……」
 ああ、本当に俺はこの少女がいとおしくてたまらない。
 この小さな体で有象無象の妖怪を相手にしていると思うとどうしようもない切なさが溢れてくる。
 言葉では言い表せられず、俺は行動で示すことにした。
「――ちゅっ」
「んむっ……くちゅ………ちゅっ」
 一瞬、または永劫のようなキス。
「ふぁ……ねぇ、今日はずっと話していようよ」
「あぁ、いいけど特に面白い話はないよ」
「それでもいいよ。私は○○の話が聞きたいんだから」
「じゃあ、ずっと話していようか」
「うん、夜明けがくるまで、ううん夜が明けても○○のそばにいたいよ」
 俺は力を込めたら折れてしまいそうな霊夢の体を抱きしめ、何を話そうか考えていた――
「霊夢、好きだよ」
「私も、○○大好きだよ」





「ああっ、もうどうしてそこで押し倒したりしないのよっ!全然進展しなくてやきもきするわっ!!あのヘタレッ!!」
「紫さま……あまり覗き見をするのはどうかと……あとあまりそんな言い方はしないほうが…………」
「はいはい、わかったわよ。もうやめるから藍もあっちいきなさい」
 藍をおいやってもう一度スキマの向こうで抱き合っている二人を見つめて
「ふふ、あのふたりほんとお似合いね。まるでお互いの心の帰る場所みたい」
 そう呟いてパチンとスキマを閉じた。

>>うpろだ792


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霊夢「おかえりなさい」
○○「ただいま、これおみやげのお団子」
霊夢「あら珍しいわね、おみやげなんか買ってくるなんて何かのご機嫌取りかしら?」
○○「食べたかったから買ったんだよ、あー寒い寒い」
霊夢「ふーん」

○○「やっぱりコタツは暖かいなー」
霊夢「暖炉の方が暖かいんじゃない?」
○○「いやー俺はコタツがいいよ、ってか何で暖炉?」
霊夢「別に」

 ・・・なんか機嫌悪いなコイツ。

○○「お茶入れてくる」
霊夢「いらないわ」
○○「ん?」
霊夢「私の分はいらないって言ったの」
○○「・・・なぁ、何か怒ってるのか?」
霊夢「別に」
○○「じゃあ、なんでそんなに機嫌悪いんだよ」
霊夢「知らないわよ、私はいつも通りよ。気に入らないならアリスのところにでも行けば?」
○○「・・・なんでそこでアリスが出るんだよ」
霊夢「知らない、さっさとアリスの家に転がり込んでシチューでもご馳走になればいいじゃない」
○○「おいおい、落ち着けよ、まずシチューはどこから出たんだよ」
霊夢「里で仲良さそうに話してたでしょ?一緒に餡蜜なんか食べちゃってさ。
   アリスも珍しく楽しそうな顔してたじゃない。あの子人見知りするから、相当仲いいのね?
   食べたくて買ったとか言いながらお団子に手をつけないのをみると、あの後おかわりでもしたのかしら?」
○○「・・・見てたのか?」
霊夢「薄着してったのが心配で、あんたの上着持って追っかけていったのよ。余計な事しなきゃよかったわ」
○○「あのな、霊夢、アリスは」
霊夢「言い訳なんかやめてよ!珍しく買出しをかって出たと思ったら、浮気してただなんて!最低よ!!」

 ガタッ

 おそらく、これ以上言葉は通じまい。
 そう悟った俺は立ち上がり、自分の部屋に向かった。

 離れていても、霊夢が泣いているのが聞こえた。
 俺は目的のものを取り出すと、足早に彼女の元へ戻っていき・・・


霊夢「・・・放っといてよ」
○○「ほれ」
霊夢「何・・・?」
○○「ほんとは完成してから見せたかったんだけどな」
霊夢「何よ、これ」
○○「人形だよ、細かい飾り付けがまだできてないけど。何に見える?」

 霊夢は作りかけの人形をゆっくり回して見た。
 赤白の布一枚を羽織っただけの人形が、小さな手の中でくるくると踊る。

霊夢「・・・もしかしてこれ、私?」
○○「お、よく分かったな。まだ服も未完成だってのに」
霊夢「こんなの、どこに隠してたのよ」
○○「秘密だ、それよりアリスとの事だが」
霊夢「・・・あー・・・」

 ようやく自分の勘違いに気づいたらしく、霊夢は俯いてしまった。
 恥ずかしかったのか、うなじのあたりまで真っ赤に染めてしまっている。ちょっと可愛い。

○○「これの次の手順がどうにも思い出せなくてな、
   今日たまたま会ったんで教えてもらおうとしたら『同じ事を何回も聞くな』と高めの授業料を要求されてしまった」
霊夢「・・・もう、最初にそう言ってよ」
○○「知られたくなかったんだよ、人形作りなんて俺のガラじゃないじゃないか」
霊夢「でも、どうしてそんな物作って・・・」

 言いかけて霊夢は固まった。こいつめ、やっと思い出したか。

○○「俺が霊夢に助けられて、ここに世話になり始めてもうすぐ1年経つからさ」
霊夢「・・・あー、もう1年経つんだ・・・」
○○「早いもんだよな。それでお礼じゃないけど、何かプレゼントしたかったんだよ」
霊夢「・・・いいのに」
○○「あー?」
霊夢「お礼なんかなくたって、いつも○○が傍にいてくれるだけで十分幸せよ」

 俺はたまらなくなり、押しのけるようにして霊夢の隣に入り込んで・・・

○○「お礼『なんか』とか言うのはこの口か、えー?」
霊夢「い、いひゃい、はなせー」
○○「この寒い中買出しに出てやったというのに、帰宅一番で浮気しただのなんだのとー」
霊夢「いひゃいってう"ぁー、あぅっ」

○○「信用してないのか、俺のこと」
霊夢「信用・・・してるけど、さ・・・」
○○「不安?」
霊夢「・・・うん」
○○「・・・まぁ、それじゃしょうがない、のかな」
霊夢「・・・ごめん」


 普段の霊夢からは想像もつかないくらい、見事にしおれてしまった。
 これはこれで可愛いが、何とかしなければ。


 ・・・と思う気持ちよりも、このしおらしい霊夢をもっと弄り倒してやりたいという
 ドS心の方が勝るのであった。


霊夢「んむっ!?」
○○「ん~~」
霊夢「んーーー!!」
○○「しょうがないから、俺がどのくらい霊夢のことを愛してるか今一度思い知らせてやろう」
霊夢「ちょ、ちょっと、待っtんむ~~~~!!」

 突然唇を奪われ、ジタバタともがく霊夢。
 押えつけて苛めてやりたい衝動に駆られるが、今日の俺は自重する。

霊夢「ぷはっ!な、何よいきなり!!」
○○「思い知ったか」
霊夢「はぁ・・・十分思い知ったわよ」
○○「なら良し」
霊夢「・・・むぅ」

 俺は頬を膨らませる霊夢の頭をポンポンと撫でてやった。

○○「ごめんな、霊夢」
霊夢「・・・何でそっちが謝るのよ」
○○「不安だったんだろ?」
霊夢「そりゃ、そうだけど」
○○「不安にさせてごめんなさい」
霊夢「・・・私の方こそ、ごめん」
○○「うん、許す」

 それを聞いて安心したのか、霊夢は俺の肩にぽんと頭を乗せてきた。

○○「あ、あと」
霊夢「うん?」
○○「これは完成するまでお見せしませんので」
霊夢「・・・うん、楽しみにしてるわ。でも・・・」
○○「ん?でも・・・何だ?」


霊夢「出会ってから1周年って、明日よ?」


○○「・・・あれ・・・来週じゃ、なかった・・・っけ・・・?」
霊夢「明日」
○○「・・・・・・・・・そ、そろそろ夕飯の支度を・・・」
霊夢「あれあれ、もしかして来週だと思ってたのかしら?
    まさか大切な記念日を忘れてたり間違えてたりなんてことはないわよねー?」
○○「あ、あはははははは」
霊夢「あはははははは」




 ぶたれた。

12スレ目>>418 うpろだ824

───────────────────────────────────────────────────────────


 幻想郷の東の端に存在する博麗神社。階段を上りきると境内を掃除している霊夢の姿が見えた。
「こんにちわ。霊夢」
「あら、○○。久しぶりね。今日はなんの用?」
「うん、遊びに来たんだけど、ついでに参拝をしていこうと思って」
「珍しいわね。槍でもふるのかしら?まぁいいわ。素敵な賽銭箱はそこよ」
「わかってます」
 さて、僕は賽銭箱を前にして財布を取り出すと――
「ちょちょちょっと待って!?なにそのパンパンに膨らんだお財布!?」
「うん、話すとちょっと長いんだけど……」
 
 ――青年説明中――

「ふんふん、かいつまむとその人は、初めて神社で参拝をしようとしていたわけだけど
 連れの方が急用でこれなくなったのでたまたま通りかかった○○に自分の代わりに参拝してきてほしいってこの財布を渡してきたってわけね。
 盗まれる事とか考えなかったのかしら?」
「うーん。たぶん大丈夫だと思うよ。あの人も“もしネコババなどお考えならば、後日殺すつもりで参ります”って言われたし
 それに終始笑顔なのにずっと背筋がぞくぞくしてたもん。まるで幽香さんと話しているみたいだったよ」
 でも、なんであの人エレベーターガールの格好してたんだろう?
「それじゃ奉納させていただきます」
 そして僕は財布の口を開けひっくりかえして――

 ――拝符『賽銭弾幕』
 
 ドバァッ!!
 ズガガガガッ!!
「「うひゃぁ!!」」
 瀑布のごとく流れ出る小銭に驚いた。
 魔理沙のマスタースパークもかくやというこの硬貨の流れは1分経った後も衰える気配がない。
 賽銭箱を揺るがし続けているこの財布、もしかしてスペルカードででもできているんだろうか?
 マズい、中の小銭よりこの財布の方が欲しくなってきたぞ。
「――きゅう」
 って、今までみたことない賽銭の量に霊夢が気絶してしまった。
「わあぁ!?霊夢しっかりー!?」




「――ううん……」
「あ、やっと起きた」
 あの後気絶してしまった霊夢を抱き上げ縁側に寝かせて気がつくまででのんびりしていた。
「ええと、たしかすごい量のお賽銭に驚いて気絶したんだっけ……
 あれ夢じゃないよね?」
「うん。嘘だと思うなら賽銭箱みてきなよ。小銭で溢れているから」
 あのあと賽銭箱をほぼ満杯にしてようやくあの財布は動きを止めた。
「これで博麗神社の信仰も大幅アップだね」
「どうかしらねぇ。ご利益は奉納した金額に必ずしも比例するわけじゃないし
 ○○一人がいれたものだからあんまり変わらないんじゃないかしら」
「やっぱりそうか……」
「でもあれだけのお賽銭なんだから○○の願いくらいは叶うんじゃない?
 ねぇ、なにを願ったの?」
「うん、霊夢と相思相愛になれますようにって」
 そう言ったら霊夢は真っ赤になって顔を隠してしまった。
「……その願い叶わないわよ……もう叶っている願いはどんな神様でも叶える事はできないもの」
「あっ、そうか。じゃあずっと霊夢と一緒にいられるようにって願うべきだったか」
「もう……ばか……。そんなこと願わなくてもずっとそばにいるわよ。これからもね」
 頬を染めて微笑んだ霊夢はとてつもなく可愛かった。
「じゃ、これからも末永くよろしくお願いします」
「はいはい。それでどうする?もう帰る?」
「そうだなぁ。そろそろ日も暮れるし、泊まってもいいかな?」
「うん、わかった。夕飯の支度するから手伝って」
「了解」
 僕は夕飯の手伝いをするため霊夢の後に続いた。

12スレ目>>430 うpろだ826


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突然ですまないが、霊夢が暴走した。


「さぁぁぁぁぁいせぇぇぇぇぇぇんんんんん!」
その叫びは幻想郷中に響き渡り、人々を震え上がらせた。
そして、その叫びが収まった直後。霊夢は……
「妖やー人ー間ー達、わーすれーてるー。思い出せー神社ーのー役目ー、信じーるーこーころー」
何かの歌を口ずさみながら人妖構わず賽銭を強奪するようになってしまった。
「……一体、どうしちまったんだ?霊夢の奴……」
それを遠巻きに見ていた魔理沙が一言漏らす。
「というか、○○は何やってるんだよこんな時に!愛しの霊夢があんな暴走してるのにほったらかしか!?」
『……心外だな、魔理沙。俺はここにいるぞ』
霊夢の恋人の名を叫んだ瞬間、本人の声が聞こえた。しかし、姿は見えない。魔理沙が辺りを見回していると、目の前にスキマが現れた。
「……ほいっと、お待たせ」
「お待たせ、じゃないだろ!どこ行ってたんだ!」
紫の生み出したスキマから○○が出て来ると、魔理沙が彼に勢い良く掴みかかった。
「まあまあ落ち着け。ちょっといろいろ用意をな」
『今回の事件は彼が原因なのよ。ちゃんと責任を取ってもらわないとね』
スキマの中から紫の声が聞こえる。
「……原因?」
「いやな。ほんの些細な事なんだが……」


事は数時間前までさかのぼる。その博麗神社の縁側にて。
『ねえ、○○?』
つつ、と霊夢が寄ってくる。
『……ちょうだい』
『……い、いや……いきなり言われても、なぁ……』
少女とは思えないほど艶かしい視線で擦り寄られ、○○はたじろいだ。
『……スマン、持ち合わせが無いんだ』
『何よぉ』
○○の返答に霊夢は頬を膨らませて、その後に……こう歌いだした。
『おー金をー入ーれてー、鈴ーをー鳴ーらーしてー』
歌いながらさらに近寄る。
『二ー礼ー』
ぎゅっと肩口を掴み、
『二ー拍手ー』
その手に軽く力を込めて○○の上体を傾けさせ……
『○○ー、おー願ーい……』
潤んだ瞳、上目遣いで○○を見つめた。だが……

『い・や・だ・よ』

その言葉によって、霊夢の額あたりからビキィ、と音が鳴った。


「……んで、気がついたらでかいたんこぶ作って気絶してたんだ。はっはっは」
「魔砲……」
「おk、時に落ち着け。頼むからこんな所でファイナルスパークを撃たないでくれ」
○○のあまりの能天気ぶりに思わず八卦炉を構えてスペルを撃ちそうになってしまった魔理沙。
「それに、俺だってただ傍観しているだけじゃないさ。ちゃんと対策も練ってある。その準備のために紫さんに手伝ってもらったんだよ」
「ほう、その対策ってのは何だ?」
「……すぐにわかる」
どういう事だ、と魔理沙が聞く間もなく。殺気があたりに満ちてきた。
「……へえ、こいつは凄いな」
「こ、この殺気、というか気配は……」
顔をしかめる○○と怯えた目で気配の主を探す魔理沙。……刹那。ものすごい音を立てて何かが振ってきた。
「……な……」
「こぉんにちわぁ、お賽銭の徴収に来たわよぉ」
それは、賽銭箱を抱えた、鬼。……もとい、霊夢。
「こら霊夢。どこに行ってたんだ?」
ちりちりと首の後ろが焼けそうなほどな殺気の渦の中、冷静を何とか保ちながら○○が話しかけた。
「あらぁ、○○じゃないのぉ……ちょうどいいわぁ、あなたにももう一度お賽銭をもらおうかしらぁ」
ビキビキと音を立てながら口元をゆがめる霊夢。常人が見たら恐怖で失神してしまいそうな顔だ。
だがそんな事で失神してはいけない。やらなければいけない事があるんだ、と無理やり意識を連れ戻す○○。
「さぁて、魔ぁ理ぃ沙ぁ?お賽銭を入れなさい。四の五の言わずに問答無用、よ?」
「…………」
「霊夢、気絶してる」
しかし魔理沙は先ほどのデススマイル(視覚的な意味で)の直撃を受け、気絶していた。
「……はぁ、まったく。そ・れ・じゃ・あ。強制的に賽銭を奪わせてもらうわ」
「やめておけ。どうせ魔理沙はそんなに持っていないだろう?……わざわざお前のために金を下ろしてきてやったのに」
金。その言葉に反応したのか、霊夢の耳がぴく、と動き、直後にこちらに顔を向けた。
「あぁらあらぁ。嬉しいわ?神罰を下されて反省してくれたのねぇ」
神罰ではなく人災だ。そう突っ込みかけた口を結び、恐怖を顔に浮かべながらも強い口調で○○が言葉を紡ぐ。
「ほら、受け取れ」
賽銭箱に早速五百円玉を投げ込む。それも五枚。
「……満足、したか?」
○○がそう聞くと、霊夢は……
「あは、あはははははは……はは……」
哂った。そして……


「ふ、ざ、け、ん、じゃ……ないわよ!」


叫んだ。その声は一発の弾となって○○に襲い掛かる。あまりにも大きすぎるそれを慌てて避け、体勢を立て直した。
「……まだ持ってるんでしょう?お金の匂い、あなたからぷんぷんするもの……」
ダメか。○○は心の中で落胆した。もうここにいるのはあの博麗霊夢ではない。金を喰らう鬼、餓鬼だ。
「霊夢」
「出しなさい。さあ。今すぐ。さあ、さあ、さあ、さあさあさあさあさあ!」
餓鬼に言葉は通じない。あるのは己の欲を満たすための力のみ。
「……そうか、お前はもう鬼なんだな。それなら……」
す、と右手を腰に付けたシザーケースに入れ……

「俺も鬼になろう。…………『禁(金)弾「山吹の杭 ~金喰らいを穿つ牙~」』!」

瞬閃。居合いのように踏み込み、シザーケースで隠した右手に持つ物を打ち込んだ。それは霊夢の眉間に吸い込まれるように飛んで行き……

ドッ

見事にめり込んだ。その衝撃で身体が後ろに倒れ……かけたが。まだだ。まだ鬼は倒れない。続けて二度、三度と打ち込んでいく。

ドッ  ドドッ

眉間と両肩、そして胸。そこまで打ち込み、ようやく鬼が倒れた。
「…………ぷはぁっ!はぁ、はぁ、はぁっ」
倒れたことを確認し、己の緊張を解く。すぐに足がダメになってしまいその場にへたり込んでしまった。
『お疲れ様』
「もう嫌だ……もうこんな事やりたくない……」
この世の終わりを味わったかのような顔で○○が呟いた。
『それは、どちらの意味でかしら?』
「両方に決まってる。……こんな怖い事も、霊夢の賽銭おねだりを断る事も」
初撃で霊夢が倒れなかった瞬間、○○は人生で一番の恐怖を味わった。もしこんな事をして、霊夢が怒ったら。……確実にラストスペル24時間耐久で避け続けなければいけない。
正直、死を覚悟した。だがそれよりも早く自分の生存本能が右手を動かしていた。……殺られる前に殺れ、と。
『さて、と。……魔理沙、起きなさい。もう危機は去ったわ』
スキマの中の紫が魔理沙を呼ぶ。ついでにスキマの中から手が出てきて、魔理沙の頬をつねった。
「……っいやぁぁぁぁっ!」
魔理沙が気が付いたが、頬をつねっている手を掴んでぶんぶんと振り回す。
「落ち着け魔理沙!……霊夢は倒れたよ」
「やぁぁぁ……ぁ、え?」
○○が声をかけてようやく魔理沙の動きが止まった。
「ほ、ほんとう……?」
「ああ、ほら」
○○が指差す先には棒状の何かをめり込ませて倒れた霊夢がいた。
「……れ、霊夢ッ!?」
「死んではいないよ。気絶させただけだ。……これを使って、な」
シザーケースから出したのは……五百円玉を五十枚で纏めた物。
「普通の弾だったら避けていたけど、多分これなら大丈夫だろうと思って。一応六本持ってきたんだ」
目が覚めた後に紫から事情を聞いた○○は紫に頼んで外の世界に行き、総額十五万円の弾を用意していたのだ。
「でも、お金で人を倒せるのか?」
「ああ。こいつを持ってみればわかるよ」
そう言って五百円棒を魔理沙に手渡す。……うわ、と小さくうめいたのが聞こえた。
「重いだろ?重量的には投げて当てるだけで十分人を殺せるくらいはあるからな。よかったよ、少し手裏剣術をかじってて」
ただ投げるだけでは誰でも出来るが威力が落ちるかもしれない。しかし、技術があれば確実に最大のダメージを与えることが出来る。
○○が外の世界にいた頃、手裏剣術の動画を見て興味を持ち、我流ではあるが自分でも練習していたことがあった。
『それはいいんだけれど、ねぇ。○○……貴方、手加減と言うものを考えたらどうなの?』
「そんな事言っても、そんな余裕なんて無かったんだよ」
『そうじゃなくて。ちょっと霊夢の顔を見てみなさい』
その紫の言葉を不思議に思いながら霊夢に近づくと。
「……あーあ。私は知らないぜ」
「うわっ……まずったな……」
○○は頭を抱え、魔理沙はため息をついてやれやれと肩をすくめて首を振った。


その後、文々。新聞の一面はこんな言葉で飾られていた。

『怪奇!巫女の額に硬貨の模様が浮かぶ』『銭の神様の祟りか!?』

…………結局普通にシメられましたが何か?orz


   あ・と・が・き(ほぁた

すいません。本当にすいません。
あの『お賽銭ちょうだい』の『巫女のおねだり~』の後の部分に『い・や・で・す』とアテレコしたら……こんな怪電波が。
これはまずい。『お賽銭ちょうだい』+『鬼巫女』はとんでもない物体になる。まるで杜仲茶+粉末オレンジジュース(参照:ざざむしでググれ)のように。

あと、五百円棒はマジで人殺せます。それくらい重いです。

12スレ目>>444 うpろだ830

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ふと外を見れば、雪がこんこんと降っていた。


○○が神社のど真ん中に落ちて来てから、もう一ヶ月経つ。
あの時は雪も地面を覆い隠すほど積もっていなかったが、もう覆うどころかまともに歩けないくらい積もってしまった。

「…結構、経ったわね」

○○は炬燵をはさんで反対側、退屈そうにみかんの皮をむいていた。

「…そうだな」



「…で、だ。まだ「紫さん」は見つからないのか?」
「あー…まあ、ね。アレはいつもふらふら歩いてるから、これがなかなか捕まらないのよ」

嘘。

「早くしてくれよ。いい加減、この妙な世界に慣れてきちまってる自分が怖えぜ」
「…あら、それは聞き捨てならないわね。博麗の巫女のお陰で幻想郷は今日も平和だっていうのに、どこが妙だって言うのよ?」
「そりゃ全部だろ。天狗が新聞配ってるし、メイドは時止めるし、俺より年下としか思えないような少女が人食い妖怪だったりするし、
 少女は空飛び、魔法と憩ってるし、神様はくるくる回ってるし、射命丸は向こうでテニスをしてるし、鰻屋の夜雀は帽子が変だし。」

「なにをーっ」

炬燵布団で中の様子は分からないが、どうやら夜雀が炬燵の中から○○に攻撃を食らわせたらしかった。

「…まあ、外の世界から来たアンタからすれば、そうなんでしょうね。
 ちょっと待ってて、軽く食べるもの作るから」



~~~~しばらくして~~~~



おやつの焼き鳥を食いつつ、彼は言う。

「…なあ、本当に紫さんは見つからないのか?」
「しつこいわね。そんなに疑わしいのならアンタが探せば?」

もっとも、本当に見つけられても困るから、紫の特徴なんて教えてやらないのだけど。

「探すまでもなく見かけたよ。ここ一ヶ月で二回ほど。」

         え?

「え?でもアンタ、紫の外見なんて知らないんじゃ──」
「この間の新聞に載ってたんでな。遠目だったけど、傘さしてたから多分間違いないと思う」

ああもうあの天狗はなにかとロクな事しない!

「…あー…そう。」

「…やっぱお前、俺を帰す気ないだろ?」
「………うるさい、アンタを帰す事ができるのは私だけって事、忘れるんじゃないわよ」
「………………はいはい」

…ちょっと無理のある言い逃れだったかしら。
私がアンタを帰したくない理由、ばれたらすごく困るのだけれど。


しかし彼は特に気づいた様子も無く、得心のいかない顔で焼き鳥を頬張っていた。
…ほっとした反面、なんだか複雑な気分になる。




「…いいかげん働いてくれませんかね。巫女さん」
「…寒いし、そういう事は春の妖精が沸いてから考えましょ」

12スレ目>>454 うpろだ834

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「○○! れれれ、霊夢が! にんっ、しんっ、しちゃった!!」
「……しゅべすた自重ー」

 言葉と共に○○と呼ばれた青年は湯飲みに白湯を注ぎ、扉を破らんばかりの勢いで部屋に押しかけてきた男に差し出す。

「久しぶりの再会での第一声がそれか……ほれ、とりあえずこれ飲んで落ち着け●●。話はその後で聞くから」
「あ、ああ。ごめん」

 煽る。熱湯に耐え切れずに吹く。展開があまりにも期待通り過ぎて逆につまらない。
 床が受けた被害をため息一つで無視して○○は口を開く。

「しかし、妊娠ねえ……お前が婿入りしてから半年位か? 案外早いじゃないか、やっぱり博麗の跡継ぎがいないと周りがうるさいものなのか?」
「いやそうじゃなくて。ほら、下手な鉄砲数うちゃ当たるという言葉があってだね」
「……しゅべすた自重ー」

 つか下手なのか。○○の●●を見る目線がちょっとだけ哀れむ物になる。

「……で、結局お前はなんでここにいるんだ? おめでたの嫁さん置いて遊びに来たって訳でもなさそうだし」
「ああ。体調が悪いって言うから霊夢を医者に連れてきたんだ。それでさっき子供が出来たって分かったんだ。
 今は霊夢、医者と話してるからちょっとの間蚊帳の外なんだよ俺」
「別にここじゃなくても時間は潰せるだろうに」
「動転してたんだよ。気が付いたらここに向かって走ってた。多分俺、一番最初にお前に教えたかったんだと思うよ」
「……ふん」

 ○○は立ち上がり、戸棚の奥から饅頭を取り出し●●に投げて寄越す。

「ちょっとそれ喰って待ってろ。鶏捌いて来る」
「え?」
「祝いと見舞いの品だ。肝なんかは栄養があるからきっちり嫁さんに食わせとけ」
「そんな、悪いよ。まるでそれが目的で来たみたいじゃないか」
「違うのか?」

 意地悪そうな目線でそう訊ねる○○に、●●は顔を赤くして「違うよ!」と返す。

「いいから人の好意は素直に受け取っておけ。真っ先に報告に来てくれた友人を無下に扱えるほど人が出来てないんだよ、俺は」

 ほんの少し、間があった。
 ふとした時に見せる○○のこういった気遣いは●●にとって心地良い物で、かつて博麗霊夢を知らずにいたあの頃が戻ってきたようだった。
 だから、●●は饅頭に目を落として、そっと呟くように一言。

「……ありがとう」

 それに対して○○の声はどこまでもからかう色が抜けない。

「礼を言うよりも先にもっと稼ぎを増やせ。嫁さんの妖怪退治なんて不定期の稼ぎなんだから。
 定収入を安定させることがお前に出来る善行だぜ?」

 どこかで聞いたことのあるような決め台詞を言い放ち、○○は庭へと向かう。
 真面目な話をきちんと返せないような奴は地獄に落ちてしまえ、と●●は毒づいた。
 しばらくの間饅頭を眺めていたが、どうにも食べる気にならない。●●は少し考えた末に○○の後を追ことにした。
 出てきた庭先では既に血抜きが始まっていた。吊り上げられた鶏を眺める○○と並ぶ。

「たまには神社に遊びに来てくれよ。俺も霊夢も歓迎するからさ」
「そうだな、その内時間が出来たらな……どうだ? 上手く生活できてるか?」
「ああ。神社の仕事も覚えるのは大変だったけど、霊夢と一緒だったしそんなに苦じゃなかったよ」
「ご馳走様だな……お前が早すぎるだけなのに何だか婚期を逃したように感じるよ」
「そう思うなら相手を探せばいいじゃないか。里の自警団の隊長である○○さんならよりどりみどりじゃないのかい?」

 先程のお返しとばかりに軽口を叩く●●に○○は苦笑で返す。

「慧音さんの腰巾着、という見方も出来るんだぜ? 自警団の中核なんて大した肩書きじゃないさ」
「はは、そうかもね」

 そのまま、しばしの沈黙。
 三分ほど続いた静寂を破ったのは、●●の方だった。

「○○。俺、不安だ」
「……何がだ?」
「俺、本当に父親になれるのかなぁ」

 多分、この不安をぶつける為に、●●はここに来たのだろう。○○は直感的にそう思った。
 思えば無理もない話だ。父になるには●●はまだ若すぎると言ってもいいくらいの歳だ。
 それに加えて、相手は博麗の巫女だ。大結界の管理者の跡継ぎ、ともなれば様々な所から重圧がのしかかってくるのは想像に難くない。

「あんまりこういうこと考えてもしょうがないっていうのは、分かってるんだよ。
 でもさ、考えずにはいられないんだ。本当に霊夢は俺が相手でよかったのかな……」

 何を言ってやればいいのだろうか。○○は考える。同い年でまだ自分は子供どころか伴侶のアテすら見つかっていない、というのは言い訳にならない。
 助けてやらなければいけない。●●のために、そしてなによりも――

「なあ、たまに思うんだよ。もしかしたら霊夢は俺じゃなくてお前が好きだったのかもって」
「……」

 動揺は、なんとか心の内に押し込める事ができたと思う。

「お前だって、本当は霊夢の事が好きだったんじゃないのか?」
「なあ、●●。初めて彼女に会った日のこと、覚えているか?」

 言葉と思考を遮るように○○は問いかけ、相手の返事を待たずに話を続ける。
 ●●は突然話題が変わったことに若干の戸惑いを覚えるが、それでも意識をその話題へと向ける。

「俺はよく覚えているよ。まだ自分の限界なんて知らない、妖怪の恐ろしさをはっきりと自覚してなかった頃の事だ」

 ●●が「ああ」と相槌を打った瞬間、世界中の時が過去を刻み始める。
 庭先に並ぶ二人のまなざしは時間を越え、セピアに彩られたかつての自分たちを見つめている。
 当時、まだ●●が自警団にいた頃の話だ。
 里の自警団の中でも腕の立つ二人であったが、その日は相手が悪かった。
 討伐するつもりで妖怪に立ち向かい、返り討ちに遭ってそのまま死を覚悟した。
 その時、彼女は現れたのだ。
 思い出す。玲瓏な輝きを放つ力の奔流。打ち返される弾幕を難なく避けていく足捌き。
 そして、何よりも心が惹きこまれた、相手を真っ直ぐに見据える横顔。
 物語の中の英雄が現実に現れた。そう感じてしまうほどに全てが美しかった。

 はじまりは、そんな出会い方だった。
 そして、礼を言う為に神社へ向かい、見知った仲になった。
 神社の仕事を手伝わされた。黒白の魔法使いの騒動に一緒に巻き込まれた。妖怪が跋扈する宴会に混ぜてもらった。
 そんな中で、段々と仲の深まっていく二人を、一番近くで見てきた。

 俺はいつも、手の届かない人ばかりを好きになる――○○は心の中でそう呟いた。

 博麗の巫女。結界の守人。
 手の届かない人。そう思っていた。
 だけど、それは思い違い。
 ●●という男が。親友が。彼女の心を射止めた。
 間を阻む檻があったのかもしれない。だから手が届かなかったのかもしれない。
 でも、檻があれば壊してしまえばいい。
 大切なのはその一歩を踏み出せる勇気があるかどうか。
 ●●にはそれがあり、自分にはそれが無かった。つまりはそれだけだ――○○はそう思っている。

 だから、言う。●●のために。
 そしてなによりも、かつて博麗霊夢が好きだった、自分のために。

「全く……子供が出来て心配するのは女だけじゃないんだな。さっきから下らない事でグチグチと……」
「だけど……」
「だけども何もあるか。彼女はお前を選んだ。ならそれにきちんと応えてやらないでどうするんだ。
 もっと自信を持てよ。博麗霊夢はお前の嫁さ。何も心配する事なんてありゃしない」

 血抜きが終わった鶏の羽をむしる。
 その仕草が何処か自分に言い聞かせるような仕草に見えたから、●●はもう一度何かを言おうと口を開こうとした。

「あ、ここにいた」

 開きかけた口を閉じて振り向いた先、大切な人が佇んでいた。

「霊夢……どうしてここが?」
「心当たりが此処しかなかったってだけよ。○○、久しぶりね」

 ○○の表情は何処か硬く、逆にそれが自分の問いかけへの返事であることを、●●は確信する。

「……ああ。最後に会ったのは何時だったかな」
「私たちの結婚式で喋ったのが最後ね……あら、この鶏美味しそうじゃない。貰えるの?」
「これは俺の今日の夕飯だ」
「じゃあ今晩はご馳走になっていこうかしらね」
「図々しいな。心配しなくてもこれはお前らへの贈り物だ。妊婦なんだから栄養あるもの食っとけ」
「あら、●●から聞いたの?」

 まだ膨れていないその腹をさする姿は慈愛に満ち溢れていて、博麗霊夢は母親になるのだ、という実感がようやく○○に湧いてきた。
 ふ、と苦笑いで表情を崩す。

「たっぷりと惚気を聞かせてもらった。今汗を舐めたら塩分よりも糖分が勝るに違いない」
「ちょっと●●、あんまり変なこと言わないでよ。恥ずかしいじゃない」
「それだけ愛されてるって証拠だろうよ……」

 言いながら適当な袋に鶏を詰める。ついでに保存してあった野菜を適当に見繕ってそれも一緒に入れておく。

「ほれ。今度来る時はガキの顔を見せに来い」
「そうね、いいお茶を用意しておいてね? ●●、行きましょ」

 彼女が歩き出す。けれど●●は動かない。
 顎で彼女の方を指して促す。

「ほら、行けよ。置いてかれるぞ?」
「……うん」

 ●●は愛しい人の元への一歩を踏み出して、もう一度だけ○○の方を向く。

「○○……本当にごめん」

 肩を竦める。こいつは何時でも最後の最後に色々な事に気が付く奴だ。
 だから、あえてとぼけてみせる。
 謝る事なんかじゃないのだ、と相手に伝える為に。

「何で謝られてるんだか分からんな。理由が無いのに謝られても虚しいだけだから止めてくれ」
「うん、ごめん。それと――ありがとう」

 苦笑が濃くなる。噛み合っていない会話。なのにどこかがきちんと噛み合っている。

「……礼を言われるところでもないな。まあ、困った事があればまた来ればいい。出来る限りのことはしてやるよ」
「うん。じゃあ、またね」

 ●●が霊夢のところまで駆けていく。合流した二人は一度だけ○○に向かって手を振った後、手を繋いで仲良く歩いていった。
 その姿が見えなくなるまで○○はずっとその場を動かないでいた。
 涙が頬を伝うのを感じる。押し込めていた気持ちが、今になって溢れてしまったのかもしれない。

『なあ、たまに思うんだよ。もしかしたら霊夢は俺じゃなくてお前が好きだったのかもって』

 余計なお世話だ、と呟いた。
 未練がましい思考を足蹴にする為に荒っぽく袖で拭い、家の中へと戻っていく。
 酒でも飲もう。たまには昼間っから酔いつぶれるのも悪くない。
 玄関の前で振り返り、二人が去っていった方向を見る。芽吹き始めた庭の植物が、春がそう遠くない未来に訪れる事を語っている。

「……さようなら、愛しかった人」

 ぽつりと口に出た言葉が、風に吸い込まれて消えていく。
 扉が閉まる。一人きりの酒盛りが始まろうとしていた。

>>うpろだ847


───────────────────────────────────────────────────────────


「ご馳走様でした」

「……あ。う、うん。お粗末様」

 食卓につきながらも、どこか心ここにあらずといった感じだった霊夢は、僕の言葉にちょっと遅れて反応した。

「霊夢、どこか調子悪いの?」

「あっ、ううん、そういうんじゃないわ。大丈夫」

「なら、いいんだけど。じゃあ、お茶を淹れてくるよ」

 少しあわてた様子で笑みを作る霊夢に僕も笑顔を返し、食器をお盆にまとめて立ち上がる。霊夢は一瞬何か言いたそうな目を向けたが、すぐに視線をそらした。
 僕は仕方ないので、そのままお勝手へと向かう。端っこの桶に食器を置き、次いで戸棚からお茶っ葉の入った筒と急須を取り出した。
 もう、どこに何があるのかは全部分かっていた。

 僕がここ、博麗神社にお世話になるようになってから、既に三ヶ月が過ぎていた。
 あの日、寒さの中にも春の訪れが明確に感じ取れるようになって来た頃。
 右も左も分からず途方に暮れていた僕に、僕よりも幾分か年下に思える霊夢は、落ち着いた笑みを浮かべてこう言った――
「まあ、あと半月もすればあのバカも起きるでしょうから、それまでの辛抱ね。そうすれば帰れるから、安心していいわ」と。
 そして……半月は一月になり、一月が二月、二月が三月になって、空気は長雨の終わりと、暑い夏の到来を告げようとしていた。
 僕はまだここにいる。

「ねえ」

 突然背後から声をかけられ、僕は危うくお茶っ葉の筒を取り落としそうになった。

「……なんだ、霊夢。びっくりさせないでくれよ」

「うん、ごめん……」

 歯切れ悪く謝る霊夢は、視線をあちこちに飛ばし、口を開きかけては閉じるという動作を繰り返した後、ようやくおずおずと切り出した。

「あの……さ。今日、紫と会ったんだけど」

「うん」

「あの……○○が帰るための準備、もう少し時間かかる……って」

「そう……なんだ」

「……」

「……」

 お勝手に沈黙が落ちる。
 向こうの家族や友人は、僕のことを探しているだろうか。もう死んだものと思っているかもしれない。
 そのことを考えると、僕の胸はどうしようもなく痛むし、霊夢もそれは十分に知っているはずだった。
 でも……

「仕方……ないよな」

「えっ?」

 いや、と僕は自分の首に手を当てる。

「結界とか、境界とかのことはよく知らないけど。でも、時間がかかるっていうなら、しょうがないよ」

「……そ、そうよね。しょうがないわ。ごめんね、私も、急ぐように言ってるんだけど」

「霊夢のせいじゃないよ。それじゃあ、お茶を入れるから、向こうに戻ってて」

「ん」

 あからさまにほっとした様子で、霊夢は戻っていった。相変わらず、分かりやすいなあと思う。
 そんなに社交的でもない僕が、幻想郷で頼れるのは霊夢だけだ。その霊夢が今は帰れないと言うなら、僕としてはしょうがないと思うしかない。

 でも、僕は知っていた。
 二ヵ月半前に、霊夢と「あのバカ」こと紫さんが話していたことを知っていた。
 霊夢が紫さんに、簡単に帰れるっていうことを○○に言わないで、と頼んだことを知っていた。
 どうして霊夢がそんなことを頼んだのか、その意味が分からないほど僕は鈍くはないつもりだ。

 きっと僕は、帰ろうと強く念じて鳥居をくぐれば、すぐに帰ることができるのだろう。
 でも、それは霊夢とのお別れを意味する。それは耐えられなかった。
 なぜなら、僕も霊夢のことが好きになってしまったから。
 じゃあ、ここで霊夢とずっと一緒に暮らすんだろうか。それも耐えられそうになかった。
 なぜなら、僕は家族や友人のことが、本当に大切だから。

 だから僕は霊夢に、知っているということを言わない。
 しょうがないよ。そもそも帰れないんだから、しょうがない。
 そして、もしかしたら……勘のいい霊夢のこと、僕が気づいているということに、もう気づいているかもしれない。
 それでも霊夢は僕に、帰れるということを言わない。
 しょうがないわよね。そもそも帰れないんだから、しょうがないわ。

 なんて卑怯な嘘なんだろう。
 それでも……いつか破綻することが分かりきっているけれど。
 もしかして将来、どちらかに天秤が傾くかもしれないその日まで、きっと。

12スレ目>>555 うpろだ850

───────────────────────────────────────────────────────────


 どっちの方がすき?  ~霊夢編~





○○が賽銭しに博霊神社に来たとき。



1 普通の霊夢


あら、○○じゃない。 今日は何しに来たの?
えっ? 賽銭をするの?
うれしい事を言うじゃない! さっ、素敵な賽銭箱はここよ!(○○はその賽銭箱にお金を入れた)

……ちょっとした願い事ならご利益で願えるかもね。
んで、○○は何をお願いしたの?


……えっ? 私に愛されたいって!?
も、もぅ。 馬鹿な事にお願いするんじゃないの。
だって……これでも私、○○の事が好きなんだから。
そのお願いは残念だけど叶えないわよ。
だって私は、○○に愛してるもん。

チュッ。

えへへ。 ○○も私も初めてのキス、しちゃったね///
それじゃ、一緒にお茶でも飲む?




2 ツンデ霊夢



あら、何しにきたのよ。 悪いけどお茶は出さないからね。
…えっ? 賽銭をしに来たって? そりゃどーも。
じゃ、さっさと賽銭箱に入れてきなさいよ。 (○○はその賽銭箱にお金を入れた)

……で、何のご利益を考えたの?
まぁ、どうせあんたは商売の事や自分の健康といった、自分だけのご利益でもお願いしてるんじゃない?
違うの? じゃぁ、何をお願いしたのか言ってみなさいよ。


……はぁっ!? 私と付き合えるようにですって!?
ば、ばっかじゃないの! そんなのお願いしたって私はあんたと付き合いたくないわよ!!(表情は真っ赤ッかです)

な、何私の顔を見てるのよ…。 気持ち悪いからじろじろ見ないでよっ!

あぅ、わ、私の表情がかわいいって!?
も、もうこれ以上馬鹿な事を言わないでよっ! (これ以上何か言っても無駄なのでそっと抱きしめる)

――ッ!!?
……○○、素直になれなくてごめんね。
本当は私、あんたの事が大好き。
だから、もっと……抱きしめて。


―約2分後。

……ねぇ、今日、何か予定あるの?(無いよと首を振る)
そ、そっか。 それじゃ、お茶でも…飲んでいかない?
あんたと一緒なら、もっとおいしくなるかも知れないし…///


12スレ目>>631 うpろだ857


───────────────────────────────────────────────────────────


霧の湖が完全に凍ったそうだ
射命丸が行ってたので間違いないだろう
俺には凄く関係ない、こんな寒い時はコタツで丸くなるべきだ、歌にもそうある
俺も化け猫の端くれだし、ここは伝統に従ってコタツで蜜柑でも食べて一日を過ごそうではないか
そう思った矢先、勢い良く襖が開かれた

「○○ーワカサギ釣りに行くわよー」

残念な事にこのお嬢さんは釣りにいく気満々である
「寒いから嫌だ、って言ったらどうする?」
「泣く」
ぐ、単純でいて一番きついな
しかし寒いのはなぁ・・・
「しょうがない、行くか」
暖かいコタツを名残惜しみながら、湖へ赴く事にした



「ホントに凍ってるのな」
白岩頑張りすぎじゃね?
そう思ったが、雪は降っていないのであいつじゃ無いのか、単純に季節柄?
「結構人が居るわね」
「そうだな、この寒いのに良くやるなぁ」
ちらほらと見知った顔がある
幽霊のお姫様と庭師、音楽三姉妹
どっかで見たような気がしないでもない魔界の偉い人と人形遣い
霊夢は特に誰に声をかけるわけでもなく、氷に穴を開け始めた
「・・・そんな道具何処で・・・褌のところか」
「えええ、氷釣りセットで売ってたわ」
案外アイツのせいかも知れないなんて思ったが、思っただけだった
「よいしょ・・・よし」
慣れた手つきで釣り道具を準備している、実に意外だ
折りたたみの椅子を広げ、さぁ釣るぞ、と思いきや
「○○、猫になってよ」
「・・・はぁ?」
「おっきい方ね」
「いやいや・・・何ゆえ?」
霊夢はとある方向を指差した
そこには釣りをする藍さんと橙の姿が
よく見ると橙は狐の尻尾にはさまれてとても暖かそうである
「・・・無理だ、猫の尻尾じゃ無理だ」
「別に尻尾じゃなくていいのよ」
そして結局
俺が霊夢を囲むように丸くなった、これが一番暖かいらしい、俺は寒い
なんかよく解らん餌をつけて、釣りを開始した

つり始めて十分ほどたって、俺は霊夢の運のよさを再確認した
竿を上げるたびに魚がついてる
五つ付いてる釣り針の最低4つは魚がついてるような状況
俺は丸まってるだけじゃヒマなので霊夢が釣った魚でも数えておく事にした
にーしーろーぱーとーじゅうにーじゅうしー・・・・・・・・・・
羊を数えてるように、三百四十二辺りから眠くなってきた
「霊夢、もう十分釣ったから帰ろう」
霊夢は返事もせずに釣りを続けていた

*食べる量だけ釣りましょう


「んー・・・群れが過ぎたのかしら、全然来ないわね」
四百間近という所でぴたりと釣れなくなった
流石に釣れないと退屈してくる
○○はじっとしてると寒いとか言って何処かへ歩いていった
「・・・寒い、釣れない、退屈・・・帰ろ」
「お、帰るのか?」

「ええ、つれないと退屈だわ」
「今夜はワカサギ料理か」
「面倒だから全部てんぷらよ」
帰りに抹茶塩とか買っていきたいな
料理は・・・○○はやる気無いし、萃香は酒飲むだけだし
数もあることだし誰か呼んで料理させようか

「どうした霊夢、考え事か?」
ああ、なるほど
こんな寒い日、いつもならコタツにでも入って引きこもっている所だが・・・
「なんだ?ひとの顔をじろじろと」
こいつがいるから、一緒に出来ることをしたかったんだ
後半はほったらかしにしちゃったけど、それでもいいや
もっと後になって、そういえばあの時・・・なんて言えればいいんだ
「ううん、○○とこれてよかったなって思ったの」
「お、おお・・・それは防寒対策として?」
「んー・・・それも一理あるけどね」
彼はそれを聞いて、実にお前らしい、と笑った
私らしい、そういわれた事がなぜか嬉しかった




「霊夢とー」
「萃香とー」
「アリスの・・・」
「「お手軽晩御はーん!!」」
一人呼んだら複数ついてくるのはゴメン被りたかったので一人ぼっちで料理が出来る奴を呼んでおいた
「何で私が・・・いや、呼ばれたのは嬉しいけど・・・」
なんかアリスが嬉しそうに文句を言ってるけども気にしない
料理法は簡単、ワカサギを小麦粉でデロデロにして油で揚げるだけ
温度とかは気にしない、感、適当
「あれ?そういえばええと・・・大きい人は?」
大きい?ああ、○○の事か
そういえばアリスは人型の方しかみたことないのかしら
「コタツの中で丸くなってるわ」
「そんな、猫じゃあるまいし・・・」
コタツをめくったアリスが固まった
そこに居るのは紛れもない猫なのだからどうしようもない
「・・・やぁお嬢ちゃん」
「え、えと・・・猫?」
「こうして話すのは初めてかな?俺は○○、一応猫だ」
「ど、どうも、アリスです」

コタツの中に向かって話しかけてるようだ
実に不気味で不思議な光景にみえるだろうなぁ
あ、霊夢が怒ってる、ああ料理しろって、アリス後ろー
「アリス、料理に戻った方がいい・・・霊夢が睨んでるぞ」
「ああっ、ご、ごめんなさい」
アリスが台所に戻り、俺はまたコタツで温まる
「何のために呼んだ・・・小麦粉足りない・・・アリス、腸出さなくていい・・・」
そういえば夕食はワカサギだけ?他何もないの?ご飯+てんぷら?



ふぅ、腹の中パンパンだぜ
女三人寄れば姦しい、と言うが・・・
五月蝿い、主に萃香が
しかし女三人で飲んでる中に身を投じるのは危険すぎる
というかあんだけ食ったのに酒は入るんだな
「はぁ・・・冬の空は綺麗だなぁ」
「そうね、でもこんなところにいると風邪引くわよ」
「霊夢・・・よく西瓜から逃れられたな」
「アリスを生贄にしてきたわ」
「はは、酷いな」
霊夢はさっきまですごく楽しそうに笑っていた
だけど今は
「ねぇ○○、私たちはいつまでこうして笑っていられるかしら?」
「さぁな、少なくともこのまま平和に行けば・・・お前が死ぬまでだろうな」
「・・・」
彼女は人間だ、俺は妖怪
何事もなければ彼女が先に死ぬ
俺に悲しみを残して逝ってしまうだろう
「人生百年、あと7,80年はあるんだぜ?」
「うん、私にとっては一度きりの短い人生・・・けど、貴方にとって、その数十年は」
「ああ、短いもんだ・・・でも、お前が一緒なら、その数十年は掛け替えのない一日の積もったものだと、思う」
霊夢がそんな心配をしてるとは思わなかった
残す悲しみ、残される悲しみ、どちらも別れは悲しいだろう
死が二人を分かつまで、別れの心配をするために結ばれたわけではあるまい
「・・・別れの時の心配をするために一緒になるわけじゃ無いだろ?」
「そうね・・・そうよね、まだ終わりの見えていないものの終わりを見ようとすれば、不安にもなるわね」
「次からは気を付けろ、遠くばかり見て足元見てないと転ぶぞ?」
「あら、転んでもあなたが支えてくれるでしょ?」
「馬鹿、転んでも安全じゃなくて転ぶな」
屋根の上は寒かった、だからか霊夢の体温がいつもよりも暖かく感じた
部屋に入ればいいものを、俺と霊夢は寒空の下抱きしめ合った


「・・・やってますねぇ」
「は、はい・・・ところで」
「ん?なに」
「私って何で呼ばれたんでしょう?」
「料理担当?それ+私の相手?」
「ひ、酷い・・・結局私は空気なんだわ」
「大丈夫っ!一人ぼっちの空気なら寂しいけど、二人で空気なら寂しくないわっ!!」
「す、萃香さんっ!」
「アリスッッ!」
ここに奇妙な友情のようなものが生まれたり生まれなかったり





end

12スレ目>>862 うpろだ862

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霊夢!!好きだ!結婚してくれーーーー!!!

11スレ目>>991

───────────────────────────────────────────────────────────
「・・・毎度ながら騒がしい」
宴会というのは騒がしいものだとわかってはいるのだが・・・
どちらかというと静かに飲む方が好きだ、しかしただ酒が出来るのだから参加しない訳には行かない
「○○~ちゃんと飲んでる?」
「霊夢・・・お前酔ってるか?」
一人でちびちび飲んでいると、紅白がふらふらとおぼつかない足取りでやってきた
賽銭入れろとかたまには酒かつまみを提供しろとか、酔ったこいつはうるさくて面倒だ
酔った萃香も面倒だがあっちの方が扱いやすい分まだいい
「何で一人で飲んでるのよぅ」
「うるせぇな、別に一人で飲んだっていいじゃねぇか」
「・・・なによ、そんな邪険にしなくてもいいじゃ無い・・・ぐす」
俺の隣に座っていた霊夢が、いきなり泣き出した
「ええ!?ちょ、霊夢!?霊夢さん!!?」
酒瓶片手に黙って涙を流す霊夢、ちょっと怖い
「・・・○○は私のことなんて嫌いなんだ」
「ちょっとまて・・・あー・・・うん、ダイジョブ、俺霊夢の事大好き、ラヴ、愛してる」
するとぴたりと涙が止まって、歪んでいた顔は笑顔になって
勢い良く俺に抱きついてきた
「私も○○の事大好きなんだからー!」
ああ、もう疲れた
このままじゃ心労で駄目になるよ
みんなの目線が痛い、もう俺駄目かもしれん
「ねぇ○○・・・ちゅーして」
「・・・酔いがさめてから後悔するなよ、文句も言うなよ、夢想封印するなよ」
「うん、だいじょーぶ・・・んっ、んん、ちゅ、んんっぷぁ」
「・・・酒の味がする」
「お互いにね、酒臭いー」
それから数時間、皆のニヨニヨ視線にひたすら耐え続けた
でもなんか霊夢が可愛いし、いい思いができたから、もう何かいいや



「頭痛い・・・宴会が始まったぐらいから記憶がないわ」
久しぶりに二日酔い、飲んでも飲まれるなといっていたのにこのざまだ
しかし・・・記憶がない間に変なことをしなかっただろうか?少し不安である
「・・・水・・・飲んで、寝とこ」
記憶はないし、頭も痛い、でも何となくいい事があったのだろう、ちょっとした幸福感に包まれてる気がする
「・・・ない記憶を探しても無駄ね」
水を一杯飲んで、布団に入りなおした
眠気はすぐに、あっと言う間に眠りに落ちる事が出来た

「・・・寝てやがる」
一度起きた形跡はある、恐らく二日酔いでダウンしているのだろう
「あんだけ飲みゃあな・・・」
しょうがないな、コイツが起きるまで看といてやるか
起きたときどういう顔をするかな?
憶えてないならそれでもいいけど、憶えているなら、それはそれできっと面白い反応をしてくれるに違いない
さて、それまではこの少女の寝顔でも眺めて、暇をつぶすとしよう



12スレ目>>200

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     霊夢はどう妄想しても俺にとってツンデレお姉ちゃんキャラになってしまうorz

    宴会にて
    霊「○○ボサっとしてないで料理の追加さっさと持ってきなさいよ!気が利かないわね」
    ○○「う、うん。すぐ持ってくるからね」

    霊「○○~ほら~私のお酒飲みなさい~?ヒック」
    ○○「ぼ、僕未成年だからお酒飲めないよ。」
    霊「あんですって~!ヒック。あんた私の酒が飲めねえっつうの~?」
    無理矢理飲まされ○○ダウン

    2人きり
    霊「そろそろ寝ようか○○?久しぶりにお姉ちゃんと一緒に寝る?w」
    ○○「ぼ、僕もう子供じゃないんだから一人で寝るよ」
    霊「もう照れちゃって。○○かわいいよ○○」
    その後○○を抱き枕にしてイビキかいて寝る紅白

218 :名前が無い程度の能力:2008/01/18(金) 16:46:36 ID:51l.098.O
    霊夢「このお酒おいし・・・」
    パッ
    霊夢「あ!私が取ろうとしたのに!」
    ○○「早いもの勝ちぃー・・・お、なくなっちゃった」
    霊夢「~~~~!!」
    ○○「んっふっふっふっ」
    グイッ
    霊夢「あ!こら、ちゃんと味わって飲みなさい、ってちょっと?!んむっ」



    霊夢「バ、バカッ!いきなり何すんのよ!!」
    ○○「最後の飲ませてあげたんだから感謝しろよな」
    霊夢「せっかくの辛口がなんだか甘かったわよ!バカ!!」
    ○○「そんなにバカバカ言うなよー、おい大丈夫か?真っ赤だぞ」
    霊夢「なんか一気に酔いが回っちゃったわよ・・・バカ・・・」

    ぽふっ

    ○○「よしよし、いい子いい子」
    霊夢「ん・・・・・・大好き」
    ○○「このツンデレめ」
    霊夢「うるさい、ばーか」

    ぎゅっ



    こうですねわかります

12スレ目>>217-218

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最近霊夢がおかしい。離陸するときや、空を飛んでいるとき、そして着陸するとき
毎回上を見ないでとか、いいって言うまで後ろむいててなど注文をつけるようになったのだ
霊夢「だって、その、スカートの中見られたらいやじゃない」
○○「なんでさ?今まで気にしてなかったし、ドロワーズなんだから見られても平気じゃないのか?」
霊夢「むー、それくらい察しなさいよー!ばかー!」
ぽかぽか
○○「うおっ!?なにすんだ霊夢!?痛いってば!」
霊夢「うるさーい!○○のばかばかばかー!」
ぽかぽかぽかぽか

12スレ目>>283

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外の世界に、二人でこっそり出掛けるのも良いか。
勿論、霊夢は鍔付きZUN帽被った、あの格好で。

「そんな服持ってたんだな」
「似合わない?」
「いんや、可愛い」
「っ!真顔で即答するなー!?」

12スレ目>>284

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「霊夢はさ、博麗の巫女であることに不満とか疑問とか思ったこと無いのか?」

「何よ、藪から棒に」

「いやちょっと気になっただけだ
 俺だったら博麗の巫女なんて大役、お断りだからな」

「別に、私は生まれたときからそうだったから疑問なんて持ったこと無いわよ」

「じゃあ不満も無かったのか?」

「不満ねぇ……お賽銭が入らないことぐらいかしら」

「軽いなぁ」

「私にとってはそんなもんよ、まあきちんと仕事はするけど
 それに不満や疑問に思ったことはないけど感謝してることなら一つあるわね」

「なにが?」

「○○に会えて恋人になれたこと、私が博麗の巫女だから○○と出会えたんだしね」

「霊夢……」

「そんなわけだから、ずっと一緒にいてね○○」

「ああ!勿論だ!!」

12スレ目>>314

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○○「お湯」
霊夢「夕焼け」
○○「・・・毛虫」
霊夢「じゃあ・・・塩ジャケ」
○○「け、鍵盤ハーモニカ」
霊夢「ふふ、かみのけ」
○○「・・・。」
霊夢「もうないでしょ?」
○○「・・・いや、あった」

○○「結婚しよう」
霊夢「・・・。」
○○「う、だぞ」
霊夢「・・・うん。」
○○「よし、俺の勝ち」

12スレ目>>352

───────────────────────────────────────────────────────────


「うっ、ごほごほっ、げほっ、うぇっぐえっ」
 生木やらいろいろなものをむりやり燃やしているためものすごい煙が立ち昇る。
 しかしこの煙を必要としているので煙くても我慢するしかない。
「ちょっと!? ○○なにやってるの!? うっ、ごほごほっ」
 あまりの煙の量に霊夢が注意しにやってきたみたいだ。
「あぁ、ちょっと上を見てみて」
「上?」
 俺が指差した方向に霊夢が視線を向けるとその先になにがあるのか気がついたようだ。
「……蜂の巣?」
「うん。結構みごとな大きさですごいなぁと思ったんだけど、ちょっと危ないかなって」
「それでこの煙と何が関係あるの?」
「何かの本で読んだことがあるんだけど、煙で燻してしまえばほぼ無害化できるって書いてあったから
 その後叩き落そうと思ってね」
「ふーん。で、今はその燻製の真っ最中って訳ね」
 人の頭くらいの大きさのある巣なので入念に燻っているのだけれどほとんど蜂も出てこなくなったので
 そろそろ叩き落そうと長い竹ざおを用意した。
「霊夢、そこいると危ないから少しさがってくれる?」
「わかったわ」
 竹ざおをふりかぶり、ポカリポカリと叩きつけるが軽く揺れるばかりで一向に落ちる気配がない。
 更に力を込め竹ざおを振り下ろしたらバキリと音をたて蜂の巣は落っこちたのだが
 勢いがつきすぎて予想していた場所より遠くに落ちてしまい
「あっ、霊夢危ないっ!」
 ぐしゃりと見事に霊夢の頭の上に命中した。
「えーと、だ、大丈夫?」
「あんた、この姿をみてよくそんなこと言えるわね。あーもう体中ベトベト」
 蜂の巣にはかなりの量の蜂蜜が入ってたらしく霊夢の姿は蜂蜜まみれになっていた。
 それにしても黄金色にかがやいている霊夢の姿をみていると俺の中のいたずら心がむくむくと膨らんできた。
 俺はおもむろに霊夢に近づくと――
「え? ○○?」
 霊夢のほっぺをぺろりと舐めた。
「きゃっ!? ちょっといきなりなにするの!?」
「うん、甘い」
「そういうこと聞いてるんじゃなくて!」
「いや、蜂蜜まみれの霊夢をキレイにしようと思って」
「だからってもっと他に方法あるでしょー!? しかも腕がっちり掴んでるし!」
 ふふふ、この状態ならさすがに逃げられまい。今日のおやつは紅白の巫女蜂蜜和えかぁ。
「それでは、いただきます」
「いただきますって言った!」
 ――ぺろぺろ、ぺろぺろ、ちゅっちゅっ。
「あははは! くすぐったいってば!ちょっ、ちょっといい加減にしなさいよ! さすがに怒るわよ!
 ふああぁ……く、首筋舐めるなぁっ! ひゃあっ! 腋の下なんて舐めないでよぉっ! ばかぁ!!」
 
 ――ひあーん

「うぅ……けがされた……けがされちゃったよぅ……もうお嫁にいけない……」
「れいむー、悪かったてばー」
 あのあとキレた霊夢に夢想封印を連続で叩き込まれ蜂の巣があった木の天辺にぶら下げられています。
 しかもご丁寧に砕けた蜂の巣を頭に乗っけて。
「髪がまだべとつくなぁ。お風呂入らないとだめかぁ」
「聞こえてるんでしょー? 謝るからーもうゆるしてー」
 しかもうぞうぞと蜂の子が這い出てきてかなり気持ち悪い。
「あーもううるさーい!縛り付けているわけじゃないんだから自力で降りてきなさい!」
「イエスマム」
 お許しが出たためするすると木から下りていく。
「それじゃお風呂入りたいから沸かすのよろしくね」
「あのー俺も入りたいんだけど」
「ふーん、あんなことしておいてよくそういうこと言えるわね」
 うわぁ、笑顔なのに恐ろしいまでの殺気……
「すみませんでした。水かぶるだけで我慢いたします」
 とぼとぼと湯を沸かすための薪を取りにいこうとした。
「……しょうがないわねぇ、私が入った後なら使ってもいいわよ」
 あぁ、やっぱり霊夢はやさしかった! ありがとう霊夢! これからもそのままの君でいて!
「はいはい、お世辞はいいから早くしてね。…………はぁ、私も○○に対して甘いなぁ。もうちょっと厳しくしないとだめかなぁ……?」
 最後のつぶやきは聞かなかったことにした。
 そして俺は風呂を沸かしてさっぱりしたあと霊夢と一緒に本当のおやつを食べた。
 もちろんあの蜂蜜を使ったおやつをね。

12スレ目>>663 うpろだ867

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○「おーい霊夢、迎えに来たぞー」
魔「おうおう、愛しい彼氏がお前のこと迎えにきたぞ」
霊「なっ、なにいってるのよ!まったく○○もこんな通り雨で迎えに来なくてもいいのに」

霊「……なんで傘一つしか持ってこないのよ」
○「この傘結構大きいしくっつけば濡れることもないだろ?」
霊「まあそうだけど」
――ぎゅっ
霊「えっ、急になに?手なんかにぎったりして」
○「いや、霊夢の手真っ赤で冷たそうだったから。嫌か?」
霊「ううん、そんなことない。ねぇ、もうちょっとくっついてもいい?」
――うしろすがたのしぐれていくか
相合傘は男のロマン


──────────

○「いや、霊夢の手真っ赤で冷たそうだったから。嫌か?」
霊「ううん、そんなことない。ねぇ、もうちょっとくっついてもいい?」
    相合傘は男のロマン
    ――だがしかし
○「魔理沙、お前メシまだだろ? よかったら家に寄って喰ってかないか?」
魔「はぁ? おまっ、せっかく、霊夢が……。い、いや誘いは嬉しいけど…
  馬に蹴られたくないからいいや。それに今、傘壊れてるから無理だぜ」
○「何遠慮してんだ? らしくない。それに傘は結構大きいって言ったろ?
  ちびっ子のお前くらい余裕だって。ほら」
魔「わわっ、本人の同意確認無しか!?」

   と、ぐずつく魔理沙をとりあえず傘の下に引っ張り込む
    女の子二人と一人の男ではいくら大きい傘とはいえ、いささか心許ない
    すると、雨に濡れないようにするには必然、傘を持つ俺にそれぞれが抱きつく形となり…

魔「お、お邪魔するぜ」
霊「・・・・・・」
魔「(わっ、やっぱ○○って大きいんだな。体も私と違ってゴツゴツしてるし)」
霊「・・・・・・」
魔「(それに…なんか温かい……)」
霊「・・・・・・(じ~)」
魔「(っと!)お、お邪魔するぜ霊夢。でも、やっぱ悪いよな」
霊「別に…」
○「そーだぞ魔理沙。メシはみんなで喰った方が上手いんだから」
霊「!!!(この○○の鈍感!唐変木!)」
魔「いやいや、しかしだな…」
○「まーだ言ってんのか、こいつは。俺に拉致られたんだからもう諦めろ。
  それに結構来たけど、今更帰るのか?客は客らしく大人しくしてろって」

    まだブチブチ言う魔理沙に諦めさせるための一言を加える
    でも、それだけじゃ反感を買うかもしれないので頭をワシャワシャ撫でてみる
    すると――

魔「…乱暴な理屈だぜ」

  良かった
    魔理沙は納得してくれたようだ
    気恥ずかしいのか、少し赤らめた顔を隠すように頭ごと俺の体にくっついてきた
    さて、一件落着…かと思えば俺を挟んで魔理沙と反対側ではものすごい気配が…

霊「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
○「霊夢さん?」
霊「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
○「おーい」
霊「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
○「…あのさ霊夢」
霊「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
○「そんなしかめっ面ダメだって。もったいない。いつもの可愛い霊夢を見せてくれよ」

    機嫌が悪いようなのでとりあえず誉めてみる

霊「!! バカ!知らないっ!」

    せっかく長い沈黙を破ったかと思えば罵倒かよ…
    でも、効果はあったようで幾分、笑顔を取り戻した霊夢は俺にくっついてきた
    元気になった霊夢は俺を挟んで反対側の魔理沙と小声で話を始める

霊「ちょっと、魔理沙、○○に抱きつきすぎよ。限度ってもんがあんでしょ」
魔「これ以上、離れると雨に濡れてしまうぜ。それに限度なんてものは無いな」
霊「なんですって? ○○は私の彼s…」
魔「まだ、彼氏じゃなかったよな? ちゃんと告白したか?告白されたのか?
  ○○を保護して以来、神社で一緒に暮らしてるからといって、それだけじゃあな」
霊「…だったら何?あんたには関係ないでしょ?」
魔「大アリだぜ」
霊「!」
魔「先を越された上、なし崩しに同居。さらに○○もまんざらじゃなさそうだったから
  今まで諦めていたけど……もう止めにするぜ!」
霊「……」
魔「私は恋の魔法使い! 図書館の魔導書と同様、私が恋した獲物は逃がさない!
  それが私の矜持であり、何より私の生き甲斐だからなっ!」
霊「言ってて恥ずかしくない?」
魔「……少し」
霊「それに傍若無人。歩くワガママ。あんたどこの夜の王よって感じよね」
魔「……」
霊「でも、あんたと本気でやり合うってのは悪くないわよね」
魔「!」
霊「魔理沙が腑抜けたまま不戦勝だと私も何か調子狂うのよね。
  だ・か・ら、真っ正面からかかってきなさい。博麗霊夢の力、見せてあげる」
魔「ふんっ余裕ぶって後悔するなよ!本気でやってやるからなっ!」
霊「ふふ…望む所よ」
魔「へへへ」

    霊夢と魔理沙の会話は最初こそ雨の音と小声のせいで聞こえなかったものの
    話がヒートアップするにつれて、実は途中から筒抜けだったりする
    まぁ、会話の前後での二人の行動で聞こえなくとも容易に想像はつく
    なにより、こうなる通りにし向けたのだから

    ――つまりは

    相合傘は男のロマン
    ――だがしかし

    真のロマンはキャッキャウフフを一対多数で行うこと
    そのハーレムこそが男の命題
    永遠の究題
    その実現のためひたすらに走り続ける
    それこそが真の『男道』な の だ

○「さ~て、明日はどこへ行くか…。紅魔館の咲夜さんと美鈴でもいいし…。
  永遠亭の主従二組でもいいな。山の上に出来たっていう神社も狙ってみるかな…」

    だから○○は今日も走り続ける
    主人公二人組のフラグ立ちを確認したために
    新たなるロマンを探し求めて

    ((「○○の生きる道」  第 一 部    完    ))

12スレ目>>580、589、590

───────────────────────────────────────────────────────────
百万ツンver

「吐きなさい」
「は?いきなり何を・・・」
「いいからさっさと吐きなさい。今ならまだ罪も軽いわよ?」
「だから何を」
「これに決まってるでしょう!」
「これって・・・ちょwwwそれ俺の賽銭wwwww」
「嘘つかない!一体どこから盗んできたのよ。紅魔館?それとも永遠亭?香霖堂・・・はあえりえないわね、うん」
「こーりんカワイソス。じゃなくて!それ本当に俺の物で・・・」
「この期に及んでまだ嘘つくなんて、本当、誰に影響されたんだか・・・」
「いやいやいやいや、まずは落ち着いて俺の話をちゃんと聞いt」
「少し反省してらっしゃい。夢想天生!!」
アッー!



「まったく、魔理沙じゃないんだから・・・ほんとにこれ、何処に返せばいいのかしら」
「(返事がない。只の屍のようだ)」
「私が貧乏だからってこんなことしてまでお賽銭入れてくれなくてもいいのに・・・」
「(返事が(ry)」
「(チラッ)ま、まあこれだけのお金を見れる事なんて多分ないだろうし、私の為にお賽銭入れようとしてくれた訳だし・・・・・・」
「(ピクッ)」
「・・・・・・す、少しくらいサービスしてもバチは当たらないわよね?前に○○が霊夢に絶対似合うから着てくれって言っていた衣装、どこにしまったかな・・・・・・」
ゴゴゴゴゴゴゴ
「(おや?○○の様子が・・・・・・)」



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12スレ目>>790

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「なあ、霊夢って修行しないのは、努力が報われることがなくて面倒くさいからだよな?」
「ええ、そうよ報われるかどうかも分からないものに時間を使うぐらいなら
 掃除してお茶を飲んでたほうがいいわね」
「……そうか」ふぅ
「なによ、ため息なんかついて」
「いや、努力が報われないって霊夢が言うなら、俺の努力は報われそうにないなって思ってさ」
「なによ、その努力って」
「霊夢と結ばれる努力だよ、結構頑張ってるんだけどな」
「あっそう」
「あっそうって……なんかほかに言うこととか無いのか?」
「別に、しいて言うなら努力する必要は無いわ」
「どういうことだy、んぅ!?…ん」
「っはぁ、こういうことよ
 そんな努力するまでもなく私は○○のことが好きよ」
「そ、そうか、ありがと」
「あら、顔が真っ赤よ、○○」
「う、うるさいな!!////」

12スレ目>>847

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「なぁ霊夢、俺が別れようとか言い出したらどうする?」
ふと、思いついた疑問を、口にしてみた
「・・・別れたいの?」
「いいや、ただ何となく、お前はどうするかなぁ、って思っただけだ」
霊夢は食器を洗ったままこちらを向こうとしない
「別れたくなる予定でもあるのかしら?」
「んー・・・無いなぁ、残念ながらあと千年は確実におまえに惚れたままだよ」
「そう、それは嬉しいわね」
霊夢は淡々と話すのでこちらとしては面白みが無い
ちょっかいを出そうと霊夢に近づいた
「お前・・・真っ赤じゃねぇか」
「!?ば、ばかっ!こっち来るな!!」
手で顔を覆い隠そうとするが耳まで真っ赤で、まったく意味が無い
「笑みがこぼれとるぞー、なんだ、そこまで嬉しかったか?」
開き直ったのか知らないが、霊夢は背伸びして俺の胸倉を掴むと、顔を赤くしたまま
「私だって、死んでもあんたに惚れ続けてる自信があるわよっ」
「なんじゃそら・・・お前は幽霊になっても、転生しても追いかけてきそうだな・・・」
「・・・嫌、かしら?」
これじゃあ脅迫だ
こんな可愛い彼女が、涙目で迫ってくる、その状況が既に凶器、俺に最も有効な武器
「・・・いいや、喜んで、そのかわりちゃんと憑いて来いよ?」
俺は霊夢の脇に手を入れて、高い高いと、持ち上げた
霊夢はこれをされるのが嫌いだ、子ども扱いされてるようだと
でも俺は彼女を、しっかりと感じる事が出来て
「おーろーしーてー」
「・・・なぁ霊夢」
「何よ」
「後どれだけ、こうやってじゃれていられるんだろうなぁ」
霊夢は何も言わなかった
人間も妖怪も、いつ死ぬかなんて解らない
明日か、明後日か、それとも100年後か
今はこうやって彼女の重みを、腕で感じていられる
今は「それ」だけで十分だ

12スレ目>>850

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「……これ何?」
「何って見て分からない?お煎餅よ」

俺の手の中にあるのはふかしたもち米に醤油を塗って焼いたお茶請けの代表煎餅だ
ちなみに俺は普通の煎餅じゃなくてぽたぽた焼きが好きだ、今は関係ないけどな

「そんなの見りゃ分かる、俺が聞きたいのは、なんでバレンタインの日にチョコじゃなくて煎餅を渡すんだよって意味だ」
「チョコなんて作るの面倒くさいじゃない、お煎餅も同じ茶色なんだし別にいいでしょ」

折角のバレンタインだから霊夢の手作りのチョコを期待していたのにこの仕打ち、酷すぎる!

「よくねぇよ!大体甘くないじゃないか」
「……甘ければいいの?」
「あ?あ、ああ」
「そう」パシッ
バリバリ

そういうと霊夢は俺の煎餅を取って食べてしまった
いくら文句行ったからって食うことはないと思う

「おい、食べるなy、んぅ!?」
「ん……ぷはぁ、これで、満足?」
「……はい」

確かにこれは甘い、甘すぎて何もいえない
やっぱり俺は霊夢には敵わないんだな
そう思ったバレンタインの日

12スレ目>>956

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「はぁ……」
 目の前に置かれた包みをみて霊夢はため息をついた。
 今日は2月の14日。いわゆるバレンタインデーである。
 しかし今は数時間後には日付が変わるという時間で、もはやバレンタインは終わっているようなものだ。
 では、何故霊夢がチョコを渡せていないのか。その理由は朝まで遡る――




 霊夢と○○はいつものように朝食をとり食後のお茶を飲んでいた。
「ねぇ、○○。今日は何の日か知ってる?」
「えーとたしか平将門公の命日。もしくは某最強の悪魔憑き石○火鉈の誕生日」
「……どうしてそういうお約束なボケをするのかしら」
「冗談だよ。バレンタインデーでしょ」
「うん。それでさ、チョコ作ってみたんだけど食べ「おーい! ○○いるかー!」っ……」
 障子をあけて入ってきたのは先ほどの声の主霧雨魔理沙と新聞記者の射命丸文であった。
「おー、いたいた。すれ違いにならなくてよかったぜ」
「○○さん、霊夢さんおはようございます」
 挨拶もそこそこに二人は○○の隣りに座り込む。霊夢としてはいきなりずかずか入ってきて○○の隣りに陣取る二人にいい気はしない。
「なによ二人して。こんな朝早くに」
「おいおい、今日が何の日かわかっていってるのか? なぁ○○」
「ああ、ゲームボーイアドバンスSPの発売日だな」
「……寒すぎるぜ」
「しかも2度ネタですよ」
「……ごめん、俺も寒かった」
「まぁそれはともかく、バレンタインってチョコをあげるもんなんだろ? でお前に会いに行く途中で文に会ったんで一緒にきたわけだ」
「ではさっそく私と魔理沙さんのチョコを受け取ってください」
 二人が出してきたものは魔理沙は瓶詰めにされたトリュフ、文はかわいくラッピングしたブラウニーケーキだった。
「おお、結構おいしそうだな」
「苦労したぜ。ちゃんと味見もしたから味も保障済みだぜ」
「私も材料集めに苦労しました。クルミって小さくて見つけにくいんですよ」
「じゃ、さっそく食べさせてもらうとしようか」
「あ、ちょっと待ってくれ」
 そういうと魔理沙は瓶からトリュフを取り出すと○○の口元にもっていくと
「はい、あ~ん」
「っ!!」
 魔理沙の行動に霊夢は歯をかみ締めた。
「ちょ、ちょっと魔理沙!?」
「なんだよ、そんなに恥ずかしがるなよ。ほらあ~ん」
 どうやら自分で食べさせないと気がすまないようだ。○○は仕方なく口を開けてチョコを入れてもらった。
「ど……どうだ?」
「うん、すごくおいしい。ありがとう魔理沙」
「へへへ……照れるぜ」
「○○さん、今度は私のケーキも食べてください」
 振り向くと文が笑顔でケーキを差し出していた。○○がケーキを受け取ろうとすると手を引っ込めてしまうので思い切って聞いてみることにした。
「もしかして、文もあ~んしてほしいってこと?」
「はい。さ、○○さんあ~ん」
 一度やってしまえばもはや戸惑うこともなく○○はケーキを文の手で直接食べさせてもらった。
「うん、こっちは甘さひかえめで魔理沙のとは違ってまたおいしいよ」
「ふふ、頑張ったかいがありました」
「二人ともありがとう。あとでゆっくり食べさせてもらうね」
「おう、じゃそろそろ帰るか」
「そうですね、じゃ○○さん、霊夢さんお邪魔しました」
 来たときと同じようにして二人は帰っていった。
 しばらくして二人と話をしている間霊夢が一度も会話に入ってこなかったことにに気がつき
 さっき何か言いかけてやめてしまったことを思い出して○○は霊夢に問いかけた。
「そういえばさっきなにか言いかけてたけどいったいなんだったの?」
「……なんでもない。忘れて」
「いや、でも」
「なんでもないってばっ!!」
 炬燵の天板に思い切り手を叩きつけ霊夢は障子を乱暴に開け放ち出て行ってしまった。あまりの剣幕に○○は動くことができなかった。
 その後も霊夢はタイミングを見計らってチョコを渡そうとするが決まって誰かがやってきたりそのまま拉致していってしまい渡すことが出来なかった。
 それも仕方のないことであった。幻想郷にてほぼ全ての少女たちに接点がある○○。
 彼がここに迷い込む前にも1人男性はいたが霖之助はこういうことにあまり興味はないし
 あげたとしても淡々とした答えしか返ってこないのであればあげる方も楽しくはない。
 その点彼はありがたく受け取ってくれるし、なにより本当に嬉しそうな顔をするため、作る側も気合が入るわけである。
 その結果、ある意味争奪戦みたいなことになってしまっているのである。
 ちなみに今現在彼は何をしているのかといえば、鈴仙に攫われて永遠亭にて、輝夜、永琳、てゐ、イナバの子、そして鈴仙からチョコを受け取っている最中である。



「はぁ……ほんとに何やってるのかしらわたし」
 もはや何度目かわからないため息をつく霊夢。○○のためにおいしいチョコを作るためいろいろ試行錯誤した。
 わざわざ図書館に行って外の世界の料理本をみたり、見つからないようにチョコを作っているときは本当に楽しかった。
 しかし、今となってはそんな気分はどこかに飛んでしまっていた。
 いつもは○○の笑顔は見ていてすごくうれしいのだがそれが他人に向けられるだけでどうしてこんなに腹立たしいのだろうか。
 しかも他の娘たちからチョコを貰って嬉しそうに笑う○○なんて見たくなかった。
 それに魔理沙、文、他にもみんなのいろいろなチョコを見ていると自分の作ったチョコの貧相さが浮き彫りになってしまう。
 悲しくて涙があふれそうだ。
「捨てちゃおうかな……」
 霊夢がくずかごにチョコを投げ入れようとしたその時玄関が開く音がした。
「ただいま~」
 慌ててチョコを背中に隠して目に溜まった涙を拭い、霊夢はいつもらしく振舞った。
「いや~まさか永遠亭のみんなからチョコを貰うとは思わなかったよ」
 山のようにチョコが入った紙袋を持って○○が部屋の中に入ってきた。
「ふーん、よかったわね」
「まあね。ところで霊夢はチョコくれないのかい?」
「おあいにく様。私はチョコを作ってないから」
「うそ。だって後ろにチョコ隠してるじゃん」
「ああ、これ? さっき捨てようと思っていたのよ。それだけあれば十分でしょ?」
「え……? それ本当?」
 あきらかに悲しそうな顔をしている○○を見て霊夢は心が痛んだが、言葉を止めることは出来なかった。
「そうよ。こんな出来の悪いチョコを食べるより魔理沙や文から貰ったチョコの方がいいに決まってるじゃない。
 はは、こんなことではしゃいでたのがバカみたい……そうよね、○○はみんなに好かれてるもんね……私一人浮かれてて……
 こんなことならチョコなんて作るんじゃなかった……」
「……霊夢、本当にチョコくれないの?」
「……うるさいっ!! 捨てるったら捨てるの! ……もうほっといてよ」
 俯いた霊夢から涙の雫がこぼれるのをみて○○は全てのチョコをかき集め、上着を羽織って部屋から出て行こうとした。
「えっ……? ちょ、ちょっとこんな時間にどこ行くのよ?」
「今から貰ったチョコ返しに行ってくる」
「な……何考えてるのよっ!? もう夜遅いのよ!? それにチョコを返しに行くって……」
 ○○は首だけ霊夢に向けて真剣な表情で答えた。
「だって、霊夢のチョコが貰えないなら他のチョコなんていらないよ」
「えっ……」
 ○○の答えに霊夢は驚いた。自分のチョコが貰えないだけで全てのチョコを返しに行こうとする○○に。
「そんなに、私のチョコが欲しいの?」
「うん。他の誰かのチョコじゃなくて霊夢のチョコが一番欲しい」
「……わかった。あげるから座って」
 ○○はその答えを聞いて上着を脱いで霊夢の隣りに座った。
「じゃ、これ……」
 きれいに包装された包みを開けると大きなハート型のチョコが入っていた。
 そしてホワイトチョコで○○大好き、これからも一緒にいてねと書かれてあった。
「あ、あのね? ただ溶かして固めただけだからあんまり味のほうは期待しないで?」
「いや、十分おいしいよ」
 ぱくぱくと美味しそうにチョコを食べる○○を見て霊夢は自然と顔がほころんだ。
 と、○○が指先だけ動かしてこっちに来いと合図をしていた。
「……?」
 不用意に近づいた霊夢を○○は素早く抱きしめて唇を奪った。
「んん――!?」
 初めは抵抗していた霊夢だったがなんとなく○○がやりたいことが解り力を抜いた。
 やさしく唇を舌でノックし口を開けさせ、○○は舌を使ってチョコを霊夢の口内に流し込んだ。
 それに答えるように霊夢も舌を絡ませてそのチョコを受け取った。
「んっ、んくっ、んっ、ぷあっ……」
「ね? 十分おいしいでしょ?」
「うん……。あのね、チョコ貸して? 今度は私が食べさせてあげる」
 二人はチョコが無くなるまでお互いに口移しで食べさせあった……




 えー、○○です。あの後イチャというよりえっちぃ空気になってしまったためそのまま霊夢を布団までお持ち帰りして朝までにゃんにゃんしてました。
 だってあんなかわいい声だすんだもん! こっちだってスタンピードしますよ霊夢かわいいよ霊夢。しかし少しやり過ぎた感があるのも事実。
 これが若さゆえの過ちってやつかなぁ……
「みとめたくないものね」
 うおっ!? 霊夢モノローグにツッコミいれないでくれよ。
「まぁ、いいじゃない。で、どうするの貰ったあの大量のチョコ。なんなら全部口移しで食べさせてあげよっか?」
 勘弁してください。あれだけの量食べたら糖尿になっちゃう。
「そうだろうと思って少しみんなに持って帰ってもらったから。最高の笑顔とスペルカードチラつかせたら素直に持ち帰っていったわ」
 それって脅迫っていうんじゃ……。まぁ残った分はちゃんと食べないとね。みんなに悪いし。
「○○のそういうところ好きよ。でも、できれば一番私にやさしくしてほしい……」
 わかってるよ、霊夢。
「うん、ありがと」

12スレ目>>957 うpろだ913

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「姿を見ないと思ったら・・・どうしたのよ?」
見りゃ解るだろ、風邪ひいてるんだよ馬鹿
と言いたいものののどが痛くて喋るのが億劫だ
「まぁ見れば解るわ・・・苦しい?」
「ぼーっとする、だるい」
布団から起きるのがだるいので、そのまま
しかし病気になったときの心細さは異常だ
霊夢が訪ねてきただけなのに彼女を抱きしめたい衝動に駆られた
いつの間にか霊夢は見えない
ベットに寝たままじゃ視界が狭くていかんな
身を起こそうとすると
「大人しく寝てなさい」
何処からかする声に制されてしまった
「まったく、こんなに散らかってるから・・・」
声だけでは霊夢が何をしてるのかわかりゃしない
「ほら、起きれる?」
湯気・・・お茶か
どうやらお茶を入れてくれたらしい
今朝からずっと布団の中だったからな、凄くありがたい
喉にしみる、だが彼女の意外に優しい所が、心の奥に凄くしみた・・・なんてね
「何か食べれそう?」
「ん、だいじょうぶ」
「・・・食べるなら、ほら」
お盆にはなんか雑炊
・・・ば、馬鹿なっ!あの一瞬で!?数分もなかったぞ!?材料だってなかったはずだ!・・・さすがといわざるを得ない
「はい、あーん」
「ん、むぐむぐ・・・ありがと」
ん?いまなんか・・・
あー・・・いまあーんて・・・ああ、俺が元気だったらその場で押して押してるぜ
雑炊を食べ終わり、薬を飲んで一息ついた
「一人は大変ね・・・いざと言うとき頼れる相手がいないもの」
確かにこの家には一人しか居ないし、親類も居ない
だけど
「お前が居るから、独りじゃ無い」
「ばか、私がいなかったらどうするのよ」
「・・・こういうときにさ、誰かが傍に居てくれるとすごく安心できるんだ」
どうやら俺は熱もあるらしく、柄にもなく、変なことを口走っている
「なにが、言いたいのよ」
「いや・・・お前は傍に居てくれるか?」
「ばか、私でよかったらずっと傍に居てあげるわ」
薬が効いてきたのか、それとも彼女が居る事に安心してか、なんだか眠くなってきた
「一眠りしたいからさ、帰ってもいいぜ・・・ゆっくり眠、るから」
「○○・・・おやすみ」
彼女が頭を撫ぜてくれていたから、俺は驚くほどすんなり、眠ってしまった



「ん・・・あさ、か違う、昼だ」
目が覚めた
身体の調子は・・・頗る良好である
アイツのおかげかな、何て思ってしまった
しかしアレだ、よく思い出してみればちょっと恥ずかしいぞ
どんだけ俺は弱気になってたのか
ちょっとだけの恥ずかしさ、それを上回る、なんだろう・・・充実感のような、幸福感のような
「夢、じゃ無いよなぁ」
念のために今日はゆっくり寝ておくか
でも買い物は行かなきゃなぁ
「あら、調子いいみたいね」
突然開いた玄関、入ってきたのは霊夢
「れ、霊夢、あ、お、おはよう」
「おはようお寝坊さん」
なんで霊夢が来たのか
何でうちの鍵持ってるのか
「買い物は済ませてきたから、今日までは安静にしてなさい」
「お、おう・・・なぁ霊夢」
「ん、なにー?」
台所で何かがさがさしつつも、こちらには振り返ろうとしない
「昨日の・・・その・・・あれだ、一時の気の迷いじゃねぇから」
「・・・」
「俺はお前の事―」
彼女はくるりと振り返ると、俺のほうへ歩み寄り、俺に身をあずけてきた
「れ、霊夢!?」
いきなり抱きついてきた事におどろいていると、彼女は
「○○がそう言ってくれるの、待ってたのよ」
「あ、ああ・・・悪い、待たせたな」
「昨日は、熱で朦朧として変なこと言ってるのかと思ってたわ」
「はは、じゃあ改めて・・・霊夢、俺とずっと一緒にいてくれるか?」
「・・・はい、ずっと、一緒にいましょう」
おれは、このときやっと霊夢を抱き返す事が出来た
彼女はやらかかった、あといい匂いがした
あの瞬間、俺は幻想郷瞬間最高幸福指数を記録したはずだ


「貴方にその気があるなら・・・神社に・・・その・・・引っ越してきても」
「・・・はい?」
いきなり何を言ってるのか、でも、それも悪くないかもと思ってしまった
毎朝霊夢に起こされて、毎晩霊夢にお休みを言う
嗚呼、いいかもしれない
「・・・まぁ考えてみてよ、私はいつでも歓迎するから」
「んー、そうだな、ゆっくり考えてみるよ」




「あ、東方不動産ですか?家を売りたいんですけど・・・・」
いえー

13スレ目>>24 うpろだ931

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幼少期(霊夢や○○)
幻想郷に迷い込んだ○○をこーりんが保護という設定

「霊夢。○○と友達になってやってくれないかい?ほら○○もあいさつしなさい」
「ま、○○です。」
「・・・・・・・・・・」
「どうしたんだい霊夢?」
「な、なんでもないわよ。まあ友達になってあげてもいいわよ・・・・」
どうやら○○に一目惚れしたようです

1時間後
少女お馬さんプレイ中
「ほらもっと馬らしくキビキビ動けないの?」
「ヒヒーン!いたいよ霊夢ちゃん。・・・・・それに重いし」
「なんですって!○○のくせに生意気よ?」
2人が仲良くしてるのを孫を慈しむような目でみるこーりん
「ヒヒーン!たすけてこーりん!」

1ヵ月後
「あの、その・・・○○ってその好きな子とかいるの?もしかして魔理沙とか?」もじもじ
「僕はこーりんお兄ちゃん!」
「あんたもしかして・・・まあいいわ。あのね大きくなったら私と結婚しなさい?
か、勘違いしないでね!紫に博麗の血を絶やさないためって言われただけなんだから。
別にあんたの事が好きなわけではないんだからね」顔真っ赤

僕の選んだ答えは・・・
1「うん大きくなったら霊夢ちゃんと結婚するよ!」霊夢ルート→少年期へ
2「だが断る!」霊夢フラグ回避→別キャラ攻略のチャンス!
3「僕はこーりんお兄ちゃん!」こーりんルート

13スレ目>>52

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